明治機械は2025年10月14日(火)、京都製麦研究開発との業務提携契約を締結したことを発表しました。
この提携は、日本国内における地域製麦(クラフトモルティング)の普及と拡大を目的としています。同社は以前より製麦に関連する設備を提供してきましたが、今回の提携により事業をさらに強化する構えです。
国産比率10%以下の現状を打破へ クラフト市場の価値向上を目指す
現在、日本国内で製造されるビールやウイスキーに使用される麦芽の国産比率は10%以下と低い水準にあります。この現状を改善し、国内産大麦を国内で製麦(モルティング)して原料とする取り組みは、大きな社会的意義を持つとされています。
近年、全国各地でクラフトビールの醸造やクラフトウイスキーの蒸留が盛んに行われていますが、その原料のほとんどは輸入モルトに依存しています。原料を国産モルトに切り替えることは、製品の独自性やブランド価値の向上に直結します。
特に「ジャパニーズウイスキー」においては、「国産モルト原料使用」という点が世界市場に向けた強力なマーケティングポイントとなるため、今後、全国各地で製麦工場の建設が進むと予想されています。このような需要の高まりに備え、明治機械にとっても製麦技術の知識と関連機器の開発は急務となっていました。
「製麦の第一人者」とタッグ 新技術・新機種開発にも期待
今回、明治機械が提携する京都製麦研究開発は、「製麦の第一人者」と称される篠田吉史氏が代表を務める企業です。モルティングに関する研究開発や分析、醸造コンサルティングを主な事業としています。
本提携により、明治機械は京都製麦研究開発が有する専門的な知見やノウハウを自社の設備提案に取り入れることが可能になります。これにより、全国で製麦事業を検討する事業者に対してより付加価値の高い提案を行い、新たな受注獲得を目指します。
さらに、両社は製麦に関する共同研究も進める予定であり、その成果として新技術の開発や、明治機械における新機種の開発に繋げていく方針です。
なお、本提携が同社の2026年3月期連結業績に与える影響は軽微であるとしています。