京王電鉄は、AI技術を活用した業務効率化サービスを提供するオプティマインドと連携し、2025年10月22日(水)より、飲食店向けの業務効率化ツール「店舗レスキュー」の実証実験を開始することを発表しました。
この取り組みは、飲食店の突発的な設備不具合への対応と、工事業者の安定的な顧客獲得という、双方の課題解決を目指すものです。
社員の「やりたい」を形に オープンイノベーションから生まれた新サービス
今回の実証実験は、京王電鉄が2024年7月から開始した社員起点オープンイノベーションプログラム「My turn」から生まれた採択案件です。このプログラムは、社員の思いやアイデアを起点に、スタートアップ企業など外部との共創を通じて新規事業を創出することを目的としています。
「飲食店の困りごと解決 店舗レスキュー」は、255件の応募の中から書類審査や一次審査会を通過し、採択された事業化アイデアの一つです。起案者が自身の業務経験から、飲食事業者が設備の突発的な故障に見舞われた際の業者手配の難しさや、一方で工事事業者が安定した顧客を見つけにくいという、両者が抱える課題に着目したことが開発のきっかけとなりました。
共創パートナーには、AIを活用したルート最適化やシフト最適化で実績のあるオプティマインドが選ばれ、同社の既存システムを基に「店舗レスキュー」が開発されました。
AIが飲食店と工事業者を即時マッチング 「店舗レスキュー」の仕組みと狙い
実証実験は、2025年10月22日(水)から2026年1月31日(土)までの期間で実施される予定です。
「店舗レスキュー」は、事前に登録した飲食事業者と工事事業者をオンライン上で結びつけるビジネスマッチングサービスです。飲食店で厨房機器の故障や水回りのトラブルといった設備不具合が発生した際、事業者は「店舗レスキュー」上で工事を依頼します。依頼を受けた工事事業者は、システム上で設備状況を確認し、対応可能な時間をリクエストすることができます。

双方のメリットを実現する仕組み
この仕組みにより、飲食店側は「迅速に修理業者を見つけたい」「適正な価格で信頼できる業者に頼みたい」といったニーズに応え、対応時間の短縮が図れるかを検証します。また、工事事業者側にとっては、新たな営業活動をせずとも安定的に施工案件を確保できるかという点を検証します。
このサービスは、オプティマインドが提供するシフト最適化ツール「ScaLe(スケール)」の技術を準用しています。「ScaLe」は、顧客からの依頼に対し、移動効率やスタッフのスキル、作業時間などをAIが自動計算し、最適な訪問日時や担当者を提案するシステムです。この技術を応用することで、緊急性の高い設備トラブルに対しても、効率的なマッチングが期待されます。