2023年6月29日、明治記念館（東京都港区）にて、アジア最大級の蒸留酒コンペティションともされる「TWSC」の2023年度授賞式が開催されました。
今年で5回目の開催となる「TWSC」、2019年以来4年ぶりとなる授賞式では「洋酒部門」「焼酎部門」が表彰され、「Best of the best」が発表されました。
東京ウイスキー＆スピリッツコンペティシン（TWSC）とは？
2019年から開催されている「東京ウイスキー＆スピリッツコンペティシン（TWSC）」は、2023年で5回目の開催。アジア最大級の蒸留酒コンペティションともされています。
日本国内で流通しているウイスキーやスピリッツ、単式蒸留焼酎（本格焼酎、泡盛）および連続式蒸留焼酎（焼酎甲類）の他、世界中のあらゆる蒸留酒を審査対象とし、バーテンダーや酒類業界ジャーナリスト、洋酒と焼酎に関わる各協会関係者などが審査員として携わるのが「東京ウイスキー＆スピリッツコンペティシン（TWSC）」。
ウイスキー評論家の土屋守氏が実行委員長を務めるTWSC実行委員会が主催となり、国内外の高品質なウイスキー・スピリッツを発信していくこと、そして文化の発展に繋げることが目的。
2023年は洋酒部門と焼酎部門を合わせて計918アイテムの出品があり、アジア最大級の出品数を誇る品評会となっています。
洋酒部門
TWSC2023では世界各国から過去最多となる644アイテムの出品があり、日本国内の専門家229名が参加。1アイテムあたり最低12名以上の審査員が携わり、ブラインドテイスティングで審査を実施し、その結果をもとに選出していったのだそう。
受賞を果たした568のアイテムの内訳は下記の通り、受賞したお酒については公式ホームページに掲載されています。
TWSC＜洋酒部門＞・最高金賞（39アイテム）
・金賞（236アイテム）
・銀賞（230アイテム）
・銅賞（63アイテム）
焼酎部門
焼酎部門は2020年から開設されました。TWSC2023では世界各国から274アイテムの出品があり、日本国内の専門家82名が参加。1アイテムあたり最低10名以上の審査員が携わり、ブラインドテイスティングで審査を実施し、その結果をもとに選出されました。
受賞を果たした266のアイテムの内訳は下記の通り、受賞したお酒については公式ホームページに掲載されています。
TWSC＜焼酎部門＞・最高金賞（25アイテム）
・金賞（127アイテム）
・銀賞（75アイテム）
・銅賞（39アイテム）
TWSC2023 Best of the best（ベスト・オブ・ベスト）
「TWSC」において最高位に位置付けられるこちらの賞。2023年度は5つの部門にてそれぞれ発表されました。
洋酒部門
シングルモルトウイスキー部門
「カバラン ソリスト PX シェリー」kavalan Distillery
濃厚なコクのある甘い香りが特徴のこちらは、世界が注目する台湾ウイスキー「KAVALAN（カバラン）」からのエントリー。「貴重な賞をいただき大変光栄です。この会場にはウイスキー業界のたくさんの先輩方がいらっしゃいます。もし機会がありましたら、ぜひ蒸留所へお越しください。」とのあいさつがありました。
「KAVALAN（カバラン）」についてはこちらの記事をチェックしてみてください！
ブレンデッドウイスキー部門
「イチローズモルト＆グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキーリミテッドエディション2023」株式会社ベンチャーウイスキー
埼玉県秩父市で生産される「イチローズモルト」からのエントリー。「品質が認められたことはもちろん嬉しいですが、スコットランドの蒸溜所を回ったり、業界の先輩の背中を追いかけてきた従業員が作ったお酒が受賞したということが非常にうれしいです。未来の作り手となる人たちが希望を持てるよう、今の私たちが頑張っていきたいです。」と担当者も語ります。
「イチローズモルト」についてはこちらの記事をチェックしてみてください！
ジャパニーズジン部門
「ザ・ハーバリスト ヤソジン オレンジ」株式会社越後薬草
オレンジピールを使用したクラフトジン、こちらのおすすめの飲み方はジントニックだそうです。チーズケーキや生チョコとも相性が良く、食事にも合わせやすいのだそう。
「当社は創業47年で、主力事業はサプリメントです。製造工程中にでるアルコール類を活用し始めたのがこの商品であり、イレギュラーな成り立ちとなっています。まだ4年目ですが、そうした背景を持ちながら大きなコンペティションの中で賞を取れたことがうれしいです。クラフトジンの業界の中でさらなる発信がしていけるよう、今後も頑張ります。」と担当者のあいさつもあり、今後の展開についても楽しみですね！
焼酎部門
UNDER25部門
「琥珀の夢」薩摩酒造株式会社
画像：amazon.co.jp
「琥珀の夢は1994年に発売を開始しました。主力の『神の河』の影に隠れていたので、今日が1番スポットライトがあたった日だと言えると思います。今後はウイスキーでもこの場に立てるよう精進していきます。」とのあいさつがあったこちらの商品。
ホワイトオーク樽で貯蔵熟成させたとのことで、芳醇な香りとやわらかな口当たりが特徴です。ロックや水割りがおすすめとのことで、家飲みにも大活躍間違いなしです！
OVER26部門
「HOJUNバーボン カスクフィニッシュ」天星酒造株式会社
画像：amazon.co.jp
芋焼酎をバーボンウィスキーの古樽で貯蔵熟成させた1本、バニラやチョコレートのようなほんのりと甘い香りがあるのが特徴です。
「弊社は鹿児島の大崎町でお酒を作っている10人に満たない小さな会社です。超軟水の仕込み水を作っていて、口当たりのやらわかさが特徴です。1901年に創業しており歴史の長い会社ではありますが、10年前に社名を変えたので、受賞をきっかけに新しい社名や商品の認知度が上がることを期待しています。」とのあいさつがありました。
5年の節目を迎えたTWSC
「我々はこの授賞式の開催を4年間待ちました。コロナによって制約がある中、TWSCは方法を変えながら世界に向けてさまざまなお酒の情報を発信してきました。向かい風の状況の中ではありますが、世界中の方々がここまでウイスキーを愛している時代は未だかつてなかったのではと感じております。
またウイスキーに限らずジンの蒸留所も増えていますし、スピリッツ業界も熱を持って取り組んでいます。こうしたジャンルが一堂に介し、厳しい審査を経ることによってTWSCは成り立っていると言えます。
現在「エントリー数1,000本」を目標にしており、その数は年を重ねるごとに増えてきております。次の5年では「エントリー数3,000本」を目標にし、その達成に向けて動いていきたいと思います。
また出品数だけではなく、ジャッジ、エントリー、カテゴリー分けなどさまざまな視点からのブラッシュアップを心がけ、今日参加したみなさまの協力を得ながらさらに良いものにしていきます。」と、実行委員長を務めるウイスキー評論家の土屋守氏が語り、TWSC2023授賞式は幕を閉じました。
様々なお酒がノミネートした今回のイベント。お酒好きの方は、授賞したお酒はもちろん公式HP掲載のお酒をチェックしてご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか？
