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【お手軽自宅カクテル(番外編)】Vol.9:ストレートでも旨い!流行りのクラフトジンを専門家が徹底解説

店舗やネットで手軽に手に入るクラフトジン。今回は、そんな流行のクラフトジンを簡単に美味しく飲む方法を聞きに、「小岩のジン研究所」へ行ってきました。今回お話を伺ったのはBar Soutsuのオーナーバーテンダー、小野寺総章さんです

お酒を選ぶ ジン
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ちょっとした自分へのご褒美で、いつもとは違ったお酒が飲みたい。新しいお酒との出会いを求め検索するもいまいちヒットせず、飲み方の提案としてオシャレなカクテルばかり出てくることはないでしょうか?家で材料を揃えるのは大変だし、もっと手軽に美味しく飲める方法はないのだろうか。

そこで、店舗やネットで手軽に手に入るいつもとは少し違ったお酒、そしてそれをスーパーなどで買えるもので簡単に美味しく飲む方法を聞きに、「小岩のジン研究所」へ行ってきました。今回お話を伺ったのはBar Soutsuのオーナーバーテンダー、小野寺総章さんです。

小野寺総章

700種類のジンを揃えるジン専門店、小岩のジン研究所「Bar Soutsu」Owner Bartender
ジンの魅力をもっと広めるコミュニティ「Gin Lab japan」も運営しており、よりジンが愛され広まるよう、広く活動の輪を広げている。

ライタープロフィール

nomooo編集部・杉山
お酒と神保町が好きなnomooo編集部員。カウンターでゆったりひとり飲みが自分への最高のご褒美。いちばん好きなお酒は「ラ マニー スパイスド」、リビングにあるお酒用の棚がいっぱいになってきました。

クラフトジンブーム到来


杉山:最近よく「クラフトジン」って聞くじゃないですか、ブームなんですか…?

小野寺さん:国内の生産量という意味では、驚くほど右肩上がりです。ちょうど僕が今のお店を開業した2017年頃から急激に増加して、今では国内のブランドだけでも100銘柄以上あるんです。

あとは飲み方の傾向も変わってきていると感じます。

杉山:…というと?

小野寺さん:昔だったら、ジンのソーダ割ってほとんど誰にも飲まれていなかったイメージで、それこそ 5年前とか滅多に見ない飲み方だったんですよね。ソーダ割で飲むのであれば、ライムを中心に作るジンリッキーが一般的でした。シンプルにソーダで割るだけで美味しいジンの銘柄が、国内の銘柄を筆頭に急激に増えたことが理由だと思います。

ジャパニーズジンが増えてきたのは、既存の蒸留設備を使って作れるというのとか、ボタニカル何を入れても良いのでフルーツがよく採れるところだとその土地の色が出やすいとか。

杉山:そうなんですね、確かに最近ソーダで割って美味しいジンをよく見かける気がします。

そして国内でも製造増えているのですね、でもそもそもジンってどうやって作られているんですか?そんなにすぐやろうと思って作れるものなんですか?ウイスキーは3年以上熟成させないといけない、とか聞いたことがあるので、お酒を作るのにはかなり時間がかかるイメージなのですが。

小野寺さん:日本洋酒酒造組合が2021年の2月に制定した「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」で、確かに「日本国内で3年以上熟成」させることが基準として設けられていますね。でもジンは違うんです。

意外に知らない!?ジンの作り方を解説

小野寺さん:結論から言いますと、1日あればジンって作れてしまうんです。

杉山:えっそんなにはやく?

小野寺さん:一般的な製造方法ですが、大体の流れを話しますね。

まず、アルコールの原料は、穀物などの農業由来のものを使うのが一般的とされています。それらを蒸留させベーススピリッツを作り、そこへ加水をして一度アルコール度数を下げます。

ここまでの過程で、ベースで焼酎が使われたりワインが使われたりすることがあるというのがジンの魅力ですね。ただ一般的とされているのはウォッカのようなニュートラルスピリッツですね、味のあまりしないアルコールにどう味を付けていくのかというのが基本です。

杉山:なるほど、ベースが違うとまた全然変わった味になるし、組み合わせ自由って感じで面白いですね。

小野寺さん:そうですねおっしゃる通りだと思います。   

そしてその後に、「スティーピング」と言われる工程にうつります。ボタニカル、例えばレモンとかジュニパーベリーとかそういった果物、ハーブ、スパイスを漬け込みます。基本的には24時間漬け込むのが一般的だったりしますね。

で、ここから色んなジンができていくんですが、この時点で完成ってジンもあって、それが「コンパウンドジン」ですね。

杉山:1日漬け込むので良いんですか?知らなかった。

そして初めて聞きました、コンパウンドジン。この時点で完成となると、どういった味の違いがあるんですか?ちょっと雑味があるような感じですかね。

小野寺さん:そうですね、良くも悪くもですが。とても複雑な味がします。ジンの特徴ってキレの良さ、ドライさにあると思うんですが、この「コンパウンドジン」と呼ばれる漬け込んだお酒は、深みのあるヘビーな味わいがするんです。

杉山:気になります、飲んでみたいんですが、ありますか…?

小野寺さん:もちろんです。

禁酒法時代に流通したお酒


杉山:あれ、よく見たら「Bathtub Gin」って書いてあります…?バスタブってバスタブですか?

小野寺さん:おっしゃる通りです、実はですね、昔はバスタブにアルコールを入れてそこにボタニカルを詰め込んで作られていたという歴史があって。なので「コンパウンドジン」ではなく「バスタブジン」って名前で覚えている方のほうが多いかもしれないです。バスタブ製法とも呼ばれているんです。

杉山:なるほど!こちらはどうやって飲むのがオススメですか?

小野寺さん:ストレートやロックで飲む方が一番多いように思いますが、もちろんジントニックでも美味しくいただけます。たまにマティーニに使っている方を見かけたこともありますが。   

そしてこちらの銘柄は、禁酒法時代に流通した製法を踏襲したものでもあるんです(笑)

杉山:ちょっとだけ悪いことしているような気持ちになりますね(笑) ではストレートでいただきます!

色味がブラウンな気がしますね。そしてこの味が私の中のイメージしている「ジン」の味です、まさにこれ。このままでもとても美味しいのも素敵です、ストレートでも楽しめるジンってあまり会ったことがなくて、感動してます(笑)   

小野寺さん:再蒸留をおこなっていないので、少しブラウンな感じですね。グラスを傾けながらしんみりと飲むのにちょうど良いですよね。ボタニカルの華やかさを感じるようなお酒以外もジンで作れるんだよ、というのを知っていただけると嬉しいです。

杉山:深みのる複雑な味、わかります。家でできるお手軽カクテルを教えて欲しいと言っておきながらなのですが、ストレートでゆっくり飲むのが確かにとても良いですね。お水を横に置いて。

小野寺さん:お水もいいですが、トニックウォーターをチェイサーにするのも良いですよ。

杉山:チェイサーにトニックウォーター、素敵ですね!いただきます。

杉山:口にちょっと残ったジンの風味を爽やかに流して、大人なジントニックを飲んでいるような気持ちになりますね。


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4大ジンの中でも特殊な方法で香り付けされたボンベイサファイア

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小野寺さん:そして、次にこのバスタブジンのような状態のものを再度蒸留させます。そうすることによってよりクリアな味わいになるので、カクテルベースとして汎用性の高いお酒になりますね。

杉山:蒸留をする回数で雑味がどんどんとれ、クリアな味になっていくんですね。

小野寺さん:中には7回ほど蒸留させたというものもあります。そしてここでもうひとつ、さっきは漬け込んで香りを付けると言ったのですが、他の方法もありまして。「ヴェイパーインフュージョン」という方法なのですが、蒸留器に網のようなものを設置してそこへボタニカルを入れ、そこに蒸気を通過させることで香りを付けるという。

杉山:香水みたいな感じですか?オシャレですね。

小野寺さん:今どきの製法ですね、より雑味のないさらにクリアで、なおかつ蒸気を通しているからこそ華やかな香りがより引き立つ場合は多いです。有名なジンだと、ボンベイサファイアです。


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小野寺さん:ゴードン、ビーフィーター、タンカレーとともに4大ジンと言われる中のひとつですが、この製法を使っている唯一のジンです。歴史も一番新しいですね。

杉山:色んな飲食店にも置いてあるのでよく見ます!そうだったんですね、なるほど、飲食店で華やかなジンが飲みたくなったらボンベイサファイアって感じですかね。

小野寺さん:そうですね、ぴったりだと思います。

そしてこの後、冷却濾過し、加水をしてジンができるという感じですね。このあとにフレーバーを加えたり、加糖したり、樽で寝かせたり、色々とアレンジした銘柄も数多くあります。

杉山:ベースのお酒やボタニカルが好きなようにアレンジでき、その後も風味付けを色々とこだわることができて面白いですね。最近のクラフトジンブーム、製造工程を聞いたら納得しました(笑)今回もありがとうございました!

種類色々!流行のクラフトジンを楽しもう

最近よく耳にする「クラフトジン」、メーカーや地域ごとの色が出ていて面白いですよね。そして日本酒や焼酎ベースのジンもあるとのことで、調べてみると新しい出会いがありそうです。ぜひ色々と試してみてはいかがでしょうか?

また、今回お話してくれた小野寺さんが運営している「Gin Lab Japan」でもジンの作り方をチャート式で紹介していますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

Bar Soutsu

店舗名

Bar Soutsu

住所

東京都江戸川区南小岩6-18-8 L号室

電話番号

03-5876-8016

営業時間

19:00-翌2:00

定休日

木曜日

喫煙

《杉山薫子》

小野寺総章

700種類のジンを揃えるジン専門店、小岩のジン研究所「Bar Soutsu」Owner Bartender ジンの魅力をもっと広めるコミュニティ「Gin Lab japan」も運営しており、よりジンが愛され広まるよう、広く活動の輪を広げている。

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