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【老舗メーカーが教える】流行の“香り系焼酎”の選び方&種類別おすすめの飲み方

芋焼酎ってなかなか手を出しにくかったりしますよね。初心者におすすめの焼酎と言われても芋っぽいどっしりとしたものは飲みにくい、そんな方へ向けてフルーティーで軽やかなスルスルと飲める芋焼酎の見つけ方を聞いてきました!

お酒を選ぶ 焼酎
【老舗メーカーが教える】流行の“香り系焼酎”の選び方&種類別おすすめの飲み方
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最近芋焼酎にハマっている編集部の杉山です。飲んでいて疲れないので、自宅ではここ1年くらい絶対に芋焼酎。外の気温や気分によって飲み方を変えて楽しんでいますが、家の中が一升瓶だらけになっています。

そんな私が今回訪れたのが、日本随一の“焼酎県”として知られている鹿児島。焼酎にどっぷりハマっている私が、老舗焼酎メーカーにお邪魔して鹿児島の焼酎文化についてお話をうかがいました。

なぜ鹿児島は芋焼酎文化が定着しているのか?

九州といえば焼酎というイメージ、そして鹿児島といえば桜島よりも先に「芋焼酎」や「奄美の黒糖焼酎」が思い浮かびますよね。そもそもなぜ「芋焼酎」の文化が発展していったのか、みなさんご存じですか?

最も大きな理由としては「土地」の特徴が挙げられます。鹿児島本土の約半分を覆う火山灰が堆積してできたシラス台地、水はけが良く保水性が低かったため稲作には不向きでした。そこでサツマイモを栽培し始め、鹿児島の温暖な気候も相まって全域に広がっていったのが1700年代頃だと言われています。

このサツマイモを使って焼酎を造り始めたのは江戸時代。鹿児島本土で造られている焼酎に使う水は基本的に軟水で、味にやわらかさを出すことができるのだそう。そして地下に甕(かめ)を埋めて仕込む伝統的な甕壺仕込みを現在でも守り続けている蔵も多く、こうすることで自然の温度に包まれてじっくり熟成され、まろやかで深いコクを生み出すんだとか。

現在でも100を超える蔵元があり、最近はオシャレなラベルや飲みやすい味の焼酎も増えてきています。伝統と革新を各蔵がバランス良く取り入れており、これも鹿児島焼酎の良さだなと感じます。最近は東京や大阪などの、九州から遠く離れた酒場でも、芋焼酎を複数種類置いているお店が増えた印象です。

小正醸造・枇榔さんに聞く芋焼酎の世界

お話を伺ったのは、小正醸造・蔵長兼マスターブレンダーの枇榔さん。小正醸造は1883年(明治16年)創業の、鹿児島県日置市に本社を構える老舗焼酎メーカー。140年以上の歴史を持ち、創業当初は米焼酎を中心に地域で親しまれるお酒造りをしていたんだとか。日本初の樽熟成本格米焼酎「メローコヅル」も小正醸造のブランドです。

小正醸造の代表銘柄といえば「さつま小鶴」、毎日飲めるようなクセが少なく甘みのある味わいです。他にもまさに芋焼酎という感じのどっしり感がある「小鶴くろ」、そしてその真逆にいるようなフルーティで華やかな香りがする「小鶴黄麹」などが挙げられます。

今回、枇榔さんには焼酎の麹による味わいの違いや選び方、おすすめの飲み方などについてお話を伺いました。

最近流行っていると噂の「香り系」って?

杉山:鹿児島の居酒屋で焼酎メニューを見た時、銘柄の横にロック・お湯割り・水割りの3種類で書かれていることが多く、「鹿児島来た感じする!」となりました。東京は炭酸割りでの提供が多いような気がして。

枇榔さん:飲み方としてはその3つが多いですが、もちろん炭酸で割って飲むこともあります。特に最近は夏の暑いとき、シュワっとしたいときは炭酸ですね。

杉山:最近よく聞く「香り系」の焼酎は炭酸で割るのが合うように思います。どっしり芋っぽいのはお湯の方が甘さも際立ち美味しいな、と。…ところで「香り系」焼酎ってなんですか?

枇榔さん:ライチやマスカット、バナナ、リンゴなどフルーティーで華やかな香味を持った焼酎のことを、「香り系」焼酎って呼びますよね。さつまいもの品種や酵母、蒸留方法など、焼酎づくりにおける様々なプロセスを工夫して造られたものが多いです。

もちろん麹選びも大切で、イメージした香味にあったものを選びます。ちなみにさつまいもの香り豊かで濃厚、どっしり飲みごたえのある焼酎には黒麹が使われていることが多いです。もともと沖縄の泡盛で用いられていた黒麹を芋焼酎に活用したという流れがあるのですが、力強い風味と芋の個性を引き立たせてくれます。今でも最も多く使われていて、昔からの焼酎は大体黒麹かな。

枇榔さん:ただ黒麹を使うと、施設内も服も真っ黒になるんです。そこで作られたのが白麹です。分かりやすくいうと黒麹と親子みたいな関係性ですが、黒麹を使った焼酎よりも、軽やかでクセが少ないすっきりとした感じが出てきます。

その他にも黄麹というものもあり、これは日本酒造りにおいて一般的に使われるものです。甘みがでて、華やかでフルーティな香りがしますし、まろやかなクリーミーさも感じます。これは黒麹や白麹の遠い親戚のような感じです。

杉山:芋にもよりそうですが、「香り系」という括りでなくても、白麹や黄麹を使っているものは炭酸割りに合うものが比較的多そうですね!普段、芋焼酎を飲まない方にもおすすめできそう。

枇榔さん:あとちょっと面白いところだと、バナナみたいな香りがする焼酎は、お湯割りにすることで甘味が増す感じがするので、個人的にとてもおすすめです。マスカットのような香りのものはトニックウォーターやサイダーを用意して、ソニック割りにして飲んでみるのもおすすめですので、これからの季節にぜひ試してみていただきたいです。

糖質&プリン体0も魅力!健康に気を遣う人にもおすすめな「本格焼酎」

使用する芋だけではなく麹によっても味が違う芋焼酎。最近はおしゃれなラベルや飲みやすい味のものも増えてきた印象です。お話を聞くなかでも、芋焼酎はアレンジ無限大だと語っているのが印象的でした。

そして本格焼酎って実は糖質ゼロでプリン体もゼロ、って知っていましたか?健康にちょっと気を付けたいのであれば個人的にはとてもおすすめです!初めてだとなかなか選ぶ銘柄なども難しいかもしれませんが、近年では初心者にも飲みやすいように設計された香り高い芋焼酎なども多数あります。特に、炭酸割りなどで飲むことによってこれまで持っていた焼酎へのイメージがガラッと変わるかもしれません。

お近くの居酒屋やスーパーで本格焼酎を見かけた際は、ぜひお手に取ってみてくださいね。

《nomooo編集部》

杉山薫子

神田カレーマイスター/全日本晴れ男・晴れ女協会 公認晴れ女/カシャッサ・コンシェルジュ/テキーラマエストロ/ラム・コンシェルジュ

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