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大人のカクテル「ブルームーン」の魅力とは レシピや美味しく作るポイント

ジンをベースとする、薄いパープルのカクテル「ブルームーン」。その名前、見た目ともに、なんとも言えないミステリアスな魅力をたたえる1杯です。 口の中が花の香りに満たされ、とても優雅な気持ちになれるブルームーンは、まさに大人 …

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ジンをベースとする、薄いパープルのカクテル「ブルームーン」。その名前、見た目ともに、なんとも言えないミステリアスな魅力をたたえる1杯です。

口の中が花の香りに満たされ、とても優雅な気持ちになれるブルームーンは、まさに大人の女性にぴったりのカクテルと言えます。疲れた一日の終わりに、こんなに素敵なカクテルを飲めれば、きっと心から癒されるでしょう。

今回は、ブルームーンのレシピや味などをご紹介します。

「ブルームーン」とは

ブルームーン

ブルームーンは多、くの人たちに愛されてきた魅惑のカクテル。

中でも特に女性のファンがとても多いのは、ブルームーンならではのエレガントでミステリアスな雰囲気があるからではないでしょうか。

お洒落なカクテルは数多くありますが、ブルームーンはその筆頭株に挙げられます。

ブルームーンが根強い人気を誇り続けている理由は、ネーミング・見た目・味わい・香り全てにおいて魅力的な要素があるからでしょう。

とても繊細な味わいと香りが命のカクテルなので、材料の選択はとても大切です。質の良い材料を使うと、より品の良いブルームーンに仕上がります。

ブルームーンの味の特徴

ブルームーンには、ジンとバイオレット・リキュール(正式名称はパルフェタムール)が使用されています。

ベースは、ボタニカルな香りが特徴なアルコール「ジン」。

一方、バイオレット・リキュール(パルフェタムール)は、柑橘系の果物を原料としたリキュールです。さらに、ニオイスミレ、薔薇、アーモンド、バニラなどの花を使用し、香りをつけています。

そのため、どことなく花のような香りがし、口中にまとわりつくような甘さを感じることができます。

これらの組み合わせにより、ブルームーンはジンのハーブ系の香りとパルフェタムールのすみれの香りが一つになってすてきなハーモニーを醸し出してくれるのです。

味は柑橘系の風味に、まろやかな甘さがプラスされたものとなっています。レモンの酸味があるのでフルーティな味わいになっており、女性に好まれることが多いです。

アルコール度数は26度前後と高め

ブルームーンのアルコール度数は、レシピにもよりますが26度前後であることがほとんどです。

やはり、レシピのうち3分の2はもともとアルコール度数の高いジンとリキュールですので、どうしてもアルコール度数は高めになります。

飲みやすい口当たりではありますが、意外に高アルコールなカクテルなので飲みすぎには注意しましょう。

ブルームーンのカロリー

レシピ次第ではありますが、ブルームーンのカロリーはおおよそ140kcal前後。

シロップ等を使っていないため、1杯あたりのカロリーはそこまで高くないと言えるでしょう。

ブルームーンの名前の由来

ブルームーンを直訳すると「青い月」。

通常は1か月に1度しかお目にかかれない満月ですが、実は1年に1回だけ、同じ月に2度満月が出るタイミングがあります。その時、2回目の満月が青い月であることから、「珍しいこと」「めったに起こらないこと」という意味で「ブルームーン」という言葉が使われるようになったのだそう。

それが転じ、現在では「ブルームーンを見ると幸福になれる」などというポジティブな意味で使われています。

このカクテルが名付けられた当時は、ポジティブとネガティブの両方をイメージし、「奇跡的な一杯」また「貴重なカクテル」という意味で名づけられたのでしょう。

ブルームーンの歴史について

ブルームーンの作者や作られた場所や年代など、実はほとんどわかっていません。まさにミステリアスなカクテルなのです。

後述のカクテル言葉からも、またこのどこか怪しげな色からも、今まで多くの男女の駆け引きの場面で使われてきたカクテルであるような印象を受けます。そう考えると、ますますミステリアスが魅力を感じてしまう、不思議なカクテルです。

ちなみに現在は、バイオレットリキュールを使用していますが、1911年ごろにアメリカで初めてブルームーンが作られた際は、ブルーキュラソーが使われていたのだそう。

その後、より一層神秘的な雰囲気を持たせるため、バイオレットリキュールを使用するようになったと言われています。

ブルームーンのカクテル言葉

ブルームーンのカクテル言葉は2つあり、正反対の意味を持っています。

1つは「完全なる愛」、そしてもう1つは「叶わぬ恋」「無理な相談」というものです。

「完全なる愛」は使用するリキュールであるパルフェタムールが由来。

パルフェは「完全な」、タムールは「愛」を意味し、これらをつなげて「完全なる愛」となっているのです。

一方で、ブルームーンは珍しい、めったに起こらないことから「叶わぬ恋」「無理な相談」という意味があり、お断りのサインに使用されていたことも多いようです。

例えば異性とカクテルを飲んだ時、相手がブルームーンをチョイスした、としましょう。それは一体「嬉しい」表示なのでしょうか、それとも「がっかり」を表すのでしょうか。答は本人のみぞ知るところかもしれません。

いずれにしても、ミステリアスで不可解なカクテルと言えそうです。

美味しいブルームーンの作り方・レシピ

カクテルを作っている様子

ブルームーンの材料について

ブルームーンの材料は以下の3つです。

・ドライ・ジン 30ml
・バイオレット・リキュール 15ml
・レモンジュース 15ml

ベースとなるジンは、アルコール度25度くらいのものがおすすめ。

ジンには、無色透明でオーソドックスなドライ・ジン以外にもジュネヴァと呼ばれるものや、熟成させて色付けたジンもありますが、ブルームーンの場合はドライ・ジンが最も適しています。

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またバイオレット・リキュールは、とても複雑な香りが特徴のリキュールですので、慎重に選びましょう。

中でもおすすめは、100年の歴史を持つボルス社のバイオレット・リキュール「パルフェタムール」。「飲む香水」と例えられるほどの逸品です。繊細なすみれの香りがより華やかさを演出してくれるはずです。

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ブルームーンの作り方

シェーカーにすべての材料を入れ、一度バースプーンでステアします。

テイストを確かめてから氷を入れ、その後シェイクしましょう。シェイクは20回でOKです。その後、グラスに注いで完成です。

グラスに注いだ後に、仕上げとしてレモンピールを振り入れると、よりさわやかさが引き立ちます。

また、カットレモンをカクテルグラスに添えれば、グンと華やかな雰囲気を演出できます。

ブルームーンを作る前に準備しておくこと

また、作り始める前にあらかじめカクテルグラスに氷を入れておき、必ず冷やしておきましょう。

シェイクのコツ

ブルームーンの材料であるジン、バイオレット・リキュール、レモンジュースは混ざりにくい特徴があるため、しっかりシェイクすることが大切です。シェイクによってリキュールの角が取れ、気泡を含み、まろやかになります。

甘いブルームーンを作る場合

甘めのブルームーンにしたい場合は、レシピの分量を少し変更しましょう。

レモンジュースを少なめにし、その分パルフェタムールを多めにします。少しだけアルコール度は高くなりますが、紫も濃くなり、甘さも高まりますので、試してみてください。

ブルームーンはこう飲む!美味しい飲み方解説

バーでカクテルを楽しむ男

冷たいうちに飲む

ブルームーンは氷を入れないショートカクテルです。

温まってしまうと味が損なわれてしまうので、とにかくフレッシュなうちに飲むことが最重要。そのため、出来上がったら早めに飲み干すことがポイントです。

飲むときは、少しでも冷たいままで飲めるように、グラスの足を持つようにしましょう。

小さめのグラスで飲む

ショートタイプのカクテルはフレッシュなうちに飲むべきものなので、カクテルグラスなど小さいグラスが使われます。

自宅で楽しむ際も、小さめのグラスを使用しましょう。

食後向きのカクテル

時間をかけて飲むカクテルではないので、食後のお酒に向いています。

その際、おつまみとしてダークチョコレートやドライフルーツなど、甘いものや香りがあるものがおすすめです。他にも、ブルーチーズやパクチーを使ったおつまみなども、ブルームーンと相性が良いとされています。

ブルームーンのお酒はどのように選ぶ?

ジンカクテル

ベースのジン、そして華やかな香りと色が魅力のバイオレット・リキュールで作られるブルームーン。

ベースになるジンは、ドライ・ジン、ジェネヴァ、シュタインヘーガー、オールド・トム・ジンと4種類に分けることができます。ブルームーンの場合は、ドライ・ジンが最適です。使用しているボタニアの種類が多いほど味わいが深く複雑なおいしさを醸し出してくれます。

また上記のとおり、バイオレット・リキュールは飲む香水、すみれのリキュールといわれているパルフェタムールを選べば間違いありません。

ブルームーンは飲む宝石とまで言われており、その香りはとても重要なのです。安っぽい香りでは本来のブルームーンの魅力が台無しになってしまいます。

ブルームーン以外のバイオレット・リキュールを使ったカクテル5選

バイオレットリキュール

バイオレットフィズ

材料

・ジン 30ml
・バイオレット・リキュール 20ml
・炭酸水(無糖) 75ml
・レモンジュース 15ml
・シュガーシロップ 10ml

作り方

上記の材料をシェイクし、グラスに注ぎます。スライスレモンで彩ることで見た目も風味も豊かになります。

バイオレットフィズは、バイオレット・リキュールを使った代表的なカクテルの1つです。アルコール度数は11度ほど。さっぱりとした飲み心地なので、食前酒にも最適です。

ジュテーム

材料

・バイオレット・リキュール 20ml
・白ワイン 40ml
・クラッシュドアイス 適量

作り方

グラスにクラッシュドアイスを入れ、バイオレット・リキュールと白ワインを加えステアします。控えめな甘さがある上品なカクテルで、ジュテームのようにクラッシュドアイスを入れる飲み方を「ミストスタイル」と呼びます。

使用する白ワインは特に、辛口のものがおすすめです。

エイジアンウェイ

材料

・ジン 40ml
・バイオレット・リキュール 20ml
・レモンの皮 少量
・クラッシュドアイス 適量

作り方

材料をグラスでステアし、クラッシュドアイスを満たしたグラスに注いだ後にレモンの皮を浮かべれば完成です。

エイジアンウェイには「アジアの道」という意味があり、アジアンテイストな妖艶な雰囲気を醸し出しています。

ジンとバイオレット・リキュールだけしか使用していないので、バイオレット・リキュールの風味をダイレクトに感じることができます。

スパークリングパープル

材料

・白ワイン(甘口) 90ml
・バイオレット・リキュール 10ml
・グレープフルーツジュース 20ml

作り方

上記の材料をグラスに入れてステアすれば完成です。

ワインが醸し出すフルーティな風味と、グレープフルーツジュースの爽やかな飲み心地はバイオレット・リキュールにぴったり。アルコール度数も13度ほどと高すぎないので、飲みやすいカクテルです。

アズール

材料

・ウォッカ 40ml
・バイオレット・リキュール 20ml
・ブルーキュラソー 5ml程度
・レモンジュース 5ml程度

作り方

シェイカーに上記の材料を混ぜてシェイクし、グラスに注いで完成です。

アズールには、「青」という意味があります。その名の通りブルーキュラソーを使用しているので、カクテルの色が青みがかった紫色になっています。

バイオレット・リキュールの甘さが際立つ、シンプルなカクテルです。

ブルームーン以外のジンを使ったカクテル3選

ジンカクテル

ジントニック

材料

・ジン 30ml
・トニックウォーター 120ml前後
・ライム ひと切れ

作り方

ライムと氷をグラスに入れ、ジンとトニックウォーターを加えステアすれば完成です。

ジントニックは、ジンを使ったカクテルの中でも代表的なカクテルで、居酒屋などでも飲むことができます。アルコール度数も10~15度ほどと比較的低めです。

美味しく作るのであれば、使用する材料にこだわると良いです。シンプルだからこそ、材料の質が味を左右します。

マティーニ

材料

・ジン 45ml
・ドライ・ベルモット 15ml
・オリーブ1個

作り方

ジンとベルモットをステアしてグラスに注ぎ、最後にオリーブを飾ります。

「カクテルの中の傑作」「カクテルの帝王」などと称されることが多いです。

マティーニの中でも、ジンが多いものはドライ・マティーニ、ベルモットを一滴しか使わないものをエクストラ・ドライ・マティーニと呼びます。

非常に玄人向けのカクテルです。

ピンクレディ

材料

・ジン 45ml
・グレナデンシロップ 20ml
・卵白 1個分

作り方

シェイカーにジン・グレナデンシロップ・卵白を入れ、十分にシェイクし、グラスに注ぎます。

ブロードウェイのミュージカルにちなんだカクテルです。マイルドな甘さのなかに爽やかさがあり、飲みやすいです。

「いつも美しく」というカクテル言葉の通り、美しい見た目が印象的です。

まとめ

ブルームーン

カクテルによってはあまり材料のチョイスに気を使わなくても大丈夫なタイプもありますが、ブルームーンはぜひこだわりの材料で作ることをおすすめします。

作り方はさほど難しいことはありませんので、基本をしっかりと守ってつくるようにしましょう。気品ある魅惑の一杯に仕上げてくださいね。

《西口和史》

西口和史

お酒の商社で15年間営業職に従事しました。 お酒については専門家と対等に話ができるレベルです。 知識と経験を活かしてお酒の記事を中心にご紹介していきたいと思います。

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