世界的なブランド価値調査会社カンターが発表した「BrandZ Most Valuable Global Brands 2025」のアルコール部門では、興味深い市場動向が明らかになりました。特に注目すべきは、中国の茅台酒が示す圧倒的な存在感です。
20年間で変貌したアルコール市場
カンターは2006年からビールブランドの価値評価を開始し、2021年にはビール、ワイン、スピリッツを含むアルコール全体のカテゴリーに拡大しました。この20年間で、グローバルアルコール市場は劇的な変化を遂げています。
2006年から2007年の「ビールブーム」時代には、多くのビールブランドが「男性的で享楽的」なイメージから脱却し、中国をはじめとする新興市場への進出を図りました。バドワイザーが2000年から2008年まで中国オリンピックチームをスポンサーしていたのは、その象徴的な事例です。
しかし、2008年の世界金融危機により市場は一変。消費者の一部はプレミアムブランドから予算重視の選択肢へと移行した一方で、他の消費者はスピリッツやワインの高級セグメントに注目するようになりました。