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きき酒師に教えてもらった!日本酒に良く合うおつまみを選ぶ3つのポイント

お酒を楽しむ時、合わせる食事次第でその味わいは大きく変化します。「これを飲む時は〇〇を合わせるって決めているんだ!」なんて、自分流のこだわりがあるグルメな呑兵衛さんも少なくはないはず。 良いお酒に良いおつまみ。相性抜群な …

お酒を選ぶ 日本酒
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お酒を楽しむ時、合わせる食事次第でその味わいは大きく変化します。「これを飲む時は〇〇を合わせるって決めているんだ!」なんて、自分流のこだわりがあるグルメな呑兵衛さんも少なくはないはず。

良いお酒に良いおつまみ。相性抜群な、最高のペアリングを味わった時に感じる喜びはひとしお……。

この感動を、全てのNOMOOO読者に伝えたい!

ということで今回は、日本酒とおつまみの相性に着目!国際きき酒師の方に、「日本酒と良く合う、おつまみを選ぶポイント」を詳しく聞いてきました。

今回ペアリングを教えてくれるのは、イギリス出身の日本酒専門家

国際きき酒師 クリストファー・ヒューズ (クリス)


イギリス・ロンドンで4年間和食材の卸売業者に勤め、日本酒専門営業を担当。その後来日し、2014年8月に山形・楯野川酒造に入社。2015年10月KURAND入社。PR担当として日本酒の魅力を世界に発信している。

これだけは抑えておこう!日本酒とおつまみの相性を決める3つのポイント!


クリス:一言でテイスティングと言っても、その手法は実に様々。人それぞれ味覚の違いもありますので、“これが絶対に正確”といった決まった手法は存在しないということは、覚えておいてください!

それを踏まえた上で、今回私が紹介するのは、初心者の方にも伝わりやすい比較的スタンダードな「3つのポイント」を中心としたテイスティング方法です。

1. “五味”の相関性を考慮したペアリング


クリス:人間の味覚を主に構成する5つの感覚のことを、「五味(ごみ)」と言います。五味に含まれるのは「塩気・甘み・苦味・酸味・旨味」の5つの成分。ちなみに、よく勘違いしている人が多いのですが、唐辛子などを食べた時に感じる“辛味”は五味に含まれません。

この五味が、どれくらい食事に含まれているかによって、合わせる日本酒の味わいが大きく変化してくるのです。

五味の中でも、特に着目したい要素が「塩気」。古くから日本人は、日本酒に塩を合わせて飲んでいたという歴史があります。これは、塩気が日本酒に含まれる甘みを増幅させてくれるから。ペアリングという概念が生まれるずっと前から、感覚的に五味を意識していたのでしょう。


わかりやすい例で言えば、日本酒と焼き鳥のペアリング。辛口の日本酒には塩で味付けした焼き鳥を合わせることで、単体で飲んだ時には感じられない米本来の甘みを感じることができるのです。

五味を追求すると、かなり深い話になってしまうのでここでは全てを解説できませんが……。基本的には、食事の中に「塩気」と「酸味」が含まれていれば、大体の日本酒に合うはずです!

2.地域性を考えたペアリング


クリス:その日本酒が醸された土地の「特産品」「地の物」と呼ばれる食材を合わせることで、ペアリングとして素晴らしい結果を生むことが多いとされています。地酒という言葉があるように、日本酒は元々その地域の人達が楽しむために作られているもの。つまり、その土地で取れる食材と美味しくなるように、自然と計算されて醸されているんです。

例えば、海沿いの街であれば、魚介類との相性が良いさっぱりとしたキレのある日本酒を醸している蔵が多いですね。地域の特性を考えて、地の物同士を合わせたペアリングも楽しんでみてください。

3.後味を考えたペアリング


クリス:食べ物と日本酒を合わせることで、何かしらの相乗効果を得ることがペアリングの目的です。そう考えた時に、2つを組み合わせた時の「後味」の感覚は非常に重要な要素となってきます。日本酒の味わいの余韻を残すのか、食べ物の味わいの余韻を残すのかという着眼点ですね。

例えば、揚げ物系のおつまみを食べている時に、さっぱりした酸味のある日本酒を合わせることで、油分をキレイに流して日本酒の爽快感のある余韻を楽しむことができます。唐揚げにレモンをかけるのと似たような効果ですね!

食べ物の余韻を残したいのか、日本酒の余韻を残したいのか。どちらを意識するかでも、ペアリングは変わってきます。

合わせてはいけない組み合わせもある?

クリス:合わせてはいけない組合せは、断定できません。というのも、美味しい・不味いといった感覚は個人によりけりだからです。参考までに、私が苦手とする組合せを言うと「苦味×苦味」や「苦味×甘み」。私は基本的に苦味に弱いので、日本酒や料理に含まれている苦味成分に敏感なんです。(笑)ですから、ペアリングを考える時も、嫌な苦味を残さないような組合せを考えますね!

実際に試してみよう!プロが実践する、日本酒とおつまみのペアリング!

3つポイントを教わったところで、実際に日本酒とおつまみのペアリングを試していきましょう。

今回は特別に、日本有数の酒処「山口県・岩国市」のみなさまにご協力いただき、岩国市自慢の日本酒とおつまみを提供いただきました!

岩国市について


山口県の最東部に位置する岩国市は、古くから城下町として栄えた歴史ある町。ロープウェイで行くことができる「岩国城」、天然記念物の白蛇を拝める「白蛇神社」など、様々な観光名所がある中でも、最も有名なのは日本三名橋にも数えられる「錦帯橋」

全長193.3m・幅5mの木造の5連アーチは、世界を探してみても類を見ない美しい建造美を誇り、観光客の心をつかんで離しません。
また、春は桜、秋は紅葉が楽しめる名所としても知られ、満開のシーズンにはその美しい風景をひと目見ようと、特に多くの観光客が訪れるのだそう。

五蔵の地酒と6つの特産品おつまみ


今回、岩国市にご提供いただいた5つの地酒と、6つの特産品おつまみをご紹介します!

地酒
○雁木 純米吟醸みずのわ
○五橋 純米生酛
○金雀 大吟醸
○獺祭 純米大吟醸磨き50
○金冠黒松 上撰

特産品を使ったおつまみ
○かしら(酒粕にんにく味噌/白法山)
○刺身こんにゃくスライス(石坂こんにゃく)
○きくちゃんのわさび(わさびしょうゆ漬け/錦清流グループ)
○岩国れんこんチップス(パンサー)
○がんね栗衛門(岸根ぐりの栗きんとん/がんね栗の里)
○福神漬(岩国れんこん入り/うまもん)

テイスティングスタート!


早速、テイスティングを始めたクリス。先程教えてくれた3つポイントを中心に、岩国の日本酒と特産品のおつまみの“美味しい組み合わせ”を実践するとのこと!


クリス:「岩国市のお酒は、基本的に淡麗辛口のものが多いですね。これは、先程説明した“地域性”に関係があります。海に面した土地柄、海産物との相性が考えられた日本酒の作りになっているんです!

うん、どの日本酒も岩国市のお酒らしいキレがあって美味しいですね!好みはあると思うけど、地の物同士のペアリングはやはりGood!ひとまず、全ての組み合わせを試してみましょう。」

それぞれに合う組み合わせを発表!

全ての組み合わせを試して、最高のペアリングを見つけてくれたクリス。一体どのような結果になったのか、さっそく発表していきましょう!!

・福神漬×五橋 純米生酛


クリス:酸味のきいた、どっしりした味わいの『五橋 純米生酛』に合わせるなら、『福神漬』がオススメ!どちらも、旨味と酸味がしっかりと含まれているので、互いの良さを引き出してバランスの良い味わいを楽しむことができます。

また、福神漬に含まれるほのかな甘みの成分も、日本酒を合わせることで感じることができました。

・がんね栗衛門(栗きんとん)×雁木 純米吟醸みずのわ


クリス:今回のペアリングで一番驚いたのが、この組み合わせでしたね。『雁木 純米吟醸みずのわ』は辛めの日本酒なのに、甘い『がんね栗衛門(栗きんとん)』がベストマッチになるとは……。やはり日本酒度だけで判断してはいけませんね!

食べた後じっくり考えたのですが、栗きんとんの割には甘さが控えめで栗の味わいが強いことから、栗本来の旨味を日本酒が引き出しているのかもしれませんね。個人的に好みな、甘い後味(余韻)も感じることができました。

こういった、予想外のベストマッチがあるからペアリングは奥が深いんですよ!

・刺身こんにゃくスライス×金雀 大吟醸


クリス:フルーティーで上品な味わいの『金雀 大吟醸』には、酢味噌で和えた『刺身こんにゃくスライス』を合わせるのがオススメ。こんにゃくにかかっているソースも酸味が際立って、とてもフルーティーだったので、互いの特徴を活かした相乗効果が楽しめました。

また、他の日本酒に比べてやや甘口なので、こんにゃくの味わいを消すことなく保ってくれる“後味”の観点も、このペアリングのポイントですね!

・岩国れんこんチップス×金冠黒松 上撰


クリス:『金冠黒松 上撰』は普通酒と呼ばれるカテゴリーに属する、シンプルな味わいの日本酒。クセがなく飲みやすいので、居酒屋などで楽しまれている食事には、比較的合わせやすいんです。

今回のおつまみの中から選ぶとすれば、『岩国れんこんチップス』がベストかな。れんこんに含まれる、根菜類特有の甘みを引き出してくれます。

・かしら(にんにく味噌)×獺祭 純米大吟醸磨き50


クリス:ワインを思わせるかのような酸味と、米本来の上品な味わいが楽しめる『獺祭 純米大吟醸磨き50』。これ単体だけで飲んでも、十分満足できる高級感のある仕上がりはさすがの一言ですね。

合わせるなら、『かしら(にんにく味噌)』が良いかな。辛味も含まれていて、ピリピリとした刺激もあるけど、にんにくの旨味や味わいを引き出してくれます。また、後味(余韻)に気持ちいい旨味が残りました。

試食した後に知ったんですが、この『かしら(にんにく味噌)』には獺祭の酒粕が使われているんですね!!どうりでベストマッチするわけだと、納得してしまいましたよ。

・きくちゃんのわさび×雁木 純米吟醸みずのわor獺祭 純米大吟醸磨き50


クリス:わさびなどに含まれる「辛味」は、五味を基準にしたテイスティング方法からは少し離れてしまうけど、この『きくちゃんのわさび』は旨味をメインで楽しむわさび。辛さ控えめなので、わさび嫌いな方でも十分楽しめるはずですよ!

このベストマッチは非常に悩んだのですが……。1つに決められないので2つをオススメしたいと思います。辛口の『雁木 純米吟醸みずのわ』で、すっきりとしたペアリングを楽しむのも良し、『獺祭 純米大吟醸磨き50』で旨味を増幅させるペアリングを楽しむも良し。好みで選んでみてください!

まとめ


今回、クリスが教えてくれた日本酒ペアリングのポイントは3つ!

・五味の相関性
・地域性
・後味(余韻)

クリス:実際に岩国市の地酒と特産品のおつまみを使って解説したことで、今回教えた3つのポイントの意味がなんとなくわかったのではないでしょうか?

このポイントはあくまで基礎的な内容ですし、絶対的に正しいというわけではありません。しかし、これだけでも覚えておけば、日本酒の楽しみ方の幅が大きく広がるはず。ワインなど、他のお酒のペアリングを考える際にも活かせる知識なので、覚えておいて損はありませんよ!

岩国市の魅力を堪能!「いわくに観光物産展~山口県岩国市を体感 味わい尽くす2日間!~」開催決定

今回、日本酒とおつまみをご提供いただいた山口県・岩国市が主催するイベント「いわくに観光物産展~山口県岩国市を体感 味わい尽くす2日間!~」が2019年2月16日(土)・17日(日)の二日間、浅草の『まるごとにっぽん』で開催されます。

当日は、泥つき岩国れんこんや地酒といった特産品の試食・試飲コーナーや販売会の他、日本三名橋の「錦帯橋」をVRで体験できるコーナーなど岩国市の魅力をたっぷり堪能できる、充実のコンテンツが用意されているとのこと。

また、今回ペアリングのコツを教えてくれた国際きき酒師・クリスの日本酒プレゼンテーションも開催予定!岩国の魅力を堪能すると共に、奥深い日本酒の世界も味わってみては?

詳しくはこちら

イベント詳細

イベント名いわくに観光物産展~山口県岩国市を体感 味わい尽くす2日間!~
開催日時2019年2月16日(土)・17日(日)
開催時間10:00~17:00 (17日は16:00まで)
開催場所まるごとにっぽん
入場料無料
《nomooo》

特集

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