TOP / お酒を選ぶ / 日本酒 / ”幻の酒”の由来とは?超有名な日本酒『越乃寒梅』の歴史とその魅力に迫る!

数ある日本酒の中でも、有名な銘柄である「越乃寒梅(こしのかんばい)」

恐らく、日本酒好きの人であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。若い世代の人からすると、昔からあるお酒というイメージかもしれませんね。

この越乃寒梅はかつて「幻の酒」と言われ、地酒ブームの火付け役となった、近年の日本酒の歴史を語るうえで欠かせない存在です。

今回は越乃寒梅の歴史的なストーリーと一緒に、その魅力をご紹介します。

越乃寒梅ってどんなお酒?

越乃寒梅 普通酒 [ 日本酒 新潟県 1800ml ]

淡麗辛口の代名詞

越乃寒梅といえば”新潟の酒”。新潟の酒といえば”淡麗辛口”。

どんな味わいなのか。端的に表現すると、香りや味わいはひかえめ。キレがあって飲み口がいいので、水のように飲めてしまうお酒とでも言いましょうか

越乃寒梅がブームになったのは1970年代。

実はこれより以前、戦後しばらくは甘口の酒がもてはやされていたこともあり、売り上げが低迷した時期もあったそう。それでも淡麗辛口をつらぬいた越乃寒梅は、後の辛口ブームの中心となったのです。

続いては、越乃寒梅の歴史をひも解いていこうと思います。

地酒ブームの牽引者

越乃寒梅が幻の酒と言われるまでになったのには、1970年代の「地酒」ブームが関係しています。それまでは、酒といえば灘・伏見の大手が作る全国的な銘柄が中心でした。

1970年代、国鉄がディスカバー・ジャパンという、個人旅行客の増大を狙って行ったキャンペーンを行います。これによって地方の魅力に注目が集まり、地方の日本酒が「地酒」として脚光を浴びることになるのです。

これがいわゆる「地酒」ブームで、大手の全国的な銘柄に対して、新潟の越乃寒梅や宮城の浦霞、愛媛の梅錦などをはじめとする、地方の銘柄が人気となります。

ちなみに越乃寒梅を「幻の酒」と言い出したのは、地酒ブ-ムの先鞭をつけた人物、雑誌『酒』の編集長だった佐々木久子氏です。昭和38年の「週刊朝日」に、彼女のその愛好ぶりが掲載されて評判になりました。

越乃寒梅は入手困難になり、一時は通常の何倍もの値段で流通していました。今では一般に流通していますが、もしまだ通常の何倍もの価格で売っている店があれば、気をつけるべきでしょう。

越乃寒梅のふるさと

越乃寒梅のふるさとは、新潟市のほぼ中央に位置する亀田郷。阿賀野川を水系とする豊富な良水と、冬の雪に恵まれた低温環境がそろった、酒造りに適した土地です。

この地は梅の名産地でもあり、初春には、寒さに堪え凛とした美しさを放つ「藤五郎梅」という梅が可憐に咲き誇ります。この梅の花が、越乃寒梅の名の由来です。

酒造りに適した美しい里で醸される越乃寒梅。このお酒の味わいからは、亀田郷の美しい水系や、厳しい冬の雪景色、初春に咲く可憐な梅の花が想起されることでしょう。

石本酒造について

明治40年、「農作業に励む亀田の人々に喜んでもらえる酒を造る」という想いで始まった石本酒造。蔵は一歩一歩成長し、数々の品評会で注目されるようになりました。

しかし昭和に入り、戦争の影響で一時日本酒の製造ができなくなるほどの苦難の日々に。終戦後も米不足から、精米歩合に制限が設けられるなど、過酷な状況が続きます。

それでも、「どうせ少量しか造れないなら、喜ばれる酒を造りたい。」と、白く白く米を磨きました。

やがて高度経済成長期に入り、日本酒は大量生産の時代へ。甘口が好まれ、造れば売れる時代でしたが、石本酒造は「キレのある飲み口の良い酒」を貫き、蔵の規模に見合った量を造り続けました。

そして訪れたのが、前述した地酒ブームです。越乃寒梅はブームを代表する酒になりますが、旨い酒を造り、あくまで「越乃寒梅」であり続けるため、身の丈にあった生産量を貫きとおします。

その姿勢は現在に至るまで変わっていません。石本酒造はおいしい酒を造るため、着実に一歩一歩邁進しているのです。

米・人・技にこだわる酒造り

石本酒造が目指すのは、さわりなく飲めて、米本来の旨さを感じられる酒

”米”には吟味を重ね、こだわりの兵庫県三木市志染町産の山田錦新潟県阿賀北産五百万石等を使用しています。
産地に対する感謝の気持ちと「絶対に旨い酒を造る」という意気込みで、米を磨き、じっくり醸す。そして米の旨さが最大限引き出されるまで熟成させることで、越乃寒梅が出来上がります。

石本酒造では、”人”同士のつながりも大切にされています。お昼は、厨房で用意された食事を皆で食べ、蔵の味や酒造りへの想いの共有に努めています。蔵元、蔵人のほか、瓶詰め・出荷の担当者、事務や営業、専属の庭師、厨房の賄いさんなど、酒造りに関わる一人一人が心を一つにし、「和」の下に越乃寒梅は造られるのです。

また、石本酒造の酒造りの”技”は、「大胆、且つ細心、周到」という言葉で表されます。最高と認めた材料、最高の状態に整えた環境を揃え、作り手が最善を尽くす。石本酒造は、全神経を研ぎ澄まして酒造りに臨んでいます。

オススメの銘柄をご紹介

越乃寒梅は昔からある有名な銘柄ですが、まだまだ進化を続けています。定番商品から越乃寒梅の「今」を知れる商品まで、いくつかご紹介します。

越乃寒梅 白ラベル

最も身近で飲みごたえのあるお酒はこちら。普通酒とは言え、吟醸造りの技術を基本に、低温で長期間じっくりと発酵させて丁寧に仕込まれたお酒です。

晩酌のためのお酒で、飽きのこない、次の日に残らないお酒を目指して作られています。力強く、抜群のキレ味を持っているお酒です。

特定名称種別 普通酒
原料米 五百万石(新潟県産)他
精米歩合 58%
アルコール度数 15度
日本酒度 +6
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越乃寒梅 純米大吟醸 金無垢

山田錦を精米歩合35%までに磨いて作った、ほのかな吟醸香と、深く繊細な飲み口が特徴の純米大吟醸酒です。

熟成が進むほど味がのるという「山田錦らしさ」を最も実感できるお酒になっています。低温で充分に熟成させており、ぬる燗で飲むと、香りと味の広がりが楽しめるそう。

特定名称種別 純米大吟醸
原料米 山田錦(兵庫県三木市志染町産)
精米歩合 35%
アルコール度数 16度
日本酒度 +3
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越乃寒梅 純米吟醸 灑(さい)

石本酒造が45年ぶりに送り出した新商品がこちら。透き通った印象のこのお酒は、米の旨味を感じやすい純米酒でありながら、ライトで飲みやすく、飽きの来ない味わいです。

10度前後で飲むのがおすすめとのこと。日本酒初心者でも楽しめるお酒なので、越乃寒梅初めの一本にいかがでしょう。

特定名称種別 純米吟醸
原料米 五百万石(新潟県)
山田錦(兵庫県三木市志染町産)
精米歩合 55%
アルコール度数 15度
日本酒度 +2
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越乃寒梅 純米大吟醸 無垢

越乃寒梅の純米大吟醸酒です。山田錦を精米歩合48%に磨いて作られています。

米本来の旨味がしっかりと出ており、ふくよかな奥行を感じる、リッチで厚みのある味わいが特徴です。とろりとした滑らかさと香りも魅力で、ゆっくりと味わうのにぴったりなお酒です。

特定名称種別 純米大吟醸
原料米 山田錦(兵庫県三木市志染町産)
精米歩合 48%
アルコール度数 16度
日本酒度 +4
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越乃寒梅 吟醸 特撰

ほのかな吟醸香と、軽く滑らかな口当たりが特徴の吟醸酒。飲み口が良く、後味に旨味が拡がる、ふくらみのある上品な味に仕上がっています。酸味と甘みのバランスが良いのも特徴です。

常温でもぬる燗でも、さまざまな温度帯で楽しめる便利な一本です。

特定名称種別 吟醸
原料米 山田錦(兵庫県三木市志染町産)
精米歩合 50%
アルコール度数 16度
日本酒度 +8
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最後に

「幻の酒」越乃寒梅。幻と言われる所以やその歴史について、少し知っていただけたでしょうか。

最近流行りの日本酒ももちろん美味しいですが、たまには日本酒の歴史に思いをはせ、昔からある銘柄を飲んでみるのもいいと思います。

きっと美味しいと感じるお酒の幅が広がって、日本酒がもっと好きになることでしょう!