ウイスキーの代名詞的な存在でもあるスコッチ。ウイスキーの玄人になればなるほどスコッチに魅了され、マニアになっていく人も多数います。
しかしながら、ブランドも様々なものがあり自分好みの1本を選ぶのにも一苦労なのがスコッチです。特に初心者の人は、その違いがわからずに購入をためらってしまうこともあるのではないでしょうか?
今回は、大のスコッチ好きであり「ウィスキーエキスパート」の資格を保有している私が、本気でおすすめしたい10本の珠玉の品をご紹介します。
スコッチとは?
スコッチとは、イギリス北部のスコットランド及び周辺の島で作られているウイスキーのこと。世界5大ウイスキーにも数えられるほど、由緒正しい世界的に人気のウイスキーです。スコッチの中でも、大麦麦芽を原料としてつくられる「モルトウイスキー」、大麦麦芽に加え穀物を使用した「グレーンウイスキー」、そして、これら2つをブレンドした「ブレンデッドウイスキー」の3種類があります。
熟成を行う樽としては、すでに使用された古樽を使うのが一般的。バーボン樽やシェリー樽に加え、ビールやワインを醸造した後の樽なども使われることがあります。
スコッチの味の特徴
スコッチを生産しているエリアには、スペイサイド・ハイランド・ローランド・アイラ・キャンベルタウン・アイランズという6つの地域があり、それぞれ全く違った特徴を持っています。
そのため、「スコッチ」という大きなくくりで特徴を言い表すのは難しい側面もあります。しかし、スコッチの味を語る時に絶対に出てくるのが、原料となる大麦を乾燥させる際に使用される「ピート(泥炭)」。この燃料から出る、スモーキーな香りが独特な風味となります。人によっては“正露丸“と表現するような、強烈なピート香は好き嫌いが分かれるところですが、ハマってしまうととことんハマる。中毒性のある香りです。
専門家が厳選!おすすめのスコッチ10本
Royal Household
世界で最も高貴なブレンデッドウィスキーとの評価もある「Royal Household」。イギリス王室の勅命により、特別に仕立てられたこのウィスキーは、世界でも日本のみが市販が許可された貴重な1本です。
カモミールや蜂蜜といった気品高い香りは、春の陽気にもピッタリ。美しく洗練された、滑らかな口当たりが特徴的なのでストレートやロックで楽しむのがおすすめです。
これまでウイスキーに興味がなかった人も、この特別な1杯を体感することでウイスキーに魅了されるてしまうかもしれませんよ。
Famous Grouse
「Royal Household」と同様「Famous Grouse」も、かつて英国王室御用達である“*ロイヤルワラント”を授かっていた定番中の定番ウィスキー。
マッカラン等のシェリー樽で熟成させる甘やかなモルトをブレンド。ブレンド後、更に新しいシェリー樽で寝かせることでできる濃厚でコクのある、バランスの取れた風味が特徴的な1本です。
爽やかにハイボールで楽しむのがおすすめ!オススメはサンダーバード・ハイボール!
※ロイヤルワラント:王室御用達の意味
Syndicate 58/6
ウィスキーには男心を擽るエピソードが数多くあります。
6人の男が結集し、幻のクラシックブレンドを復活させるべく作り上げたという「Syndicate 58/6」も、そんな素敵なエピソードがある1本。
モルトウイスキー65%、グレーンウイスキー35%という現代では考えられない配合のこのウイスキーは、クセが少なく飲みやすいのが特徴。花のような華やかな香りとともに、楽しんでみてください。
バーカウンターや部屋で独りの時間を渋く楽しむのもウイスキーの魅力の1つですし、憧れのシチュエーションではありますが、このウィスキーのエピソードのように、気心の知れた仲間と共にぜひ楽しんでほしいです。
Balvenie 12y Double Wood
筆者の私がウィスキーを勉強し始めた当初、スペイサイドの魅力を教えてくれた1本が「Balvenie 12y Double Wood」。このウイスキーを飲んで以来、すっかりスペイサイドの虜になってしまいました。
手間隙を惜しまず丁寧に創られた「Balvenie 12y Double Wood」は、甘く芳醇な香りが特徴的。ダブルウッドの織りなす香りの重奏と、ほのかに香るシトラスや蜂蜜のテイストがたまりません。
ほっと一息つきたい時、疲れた身体に沁み渡る優しいウィスキーです。
GM/Balblair 21y
名門ボトラーズの技量を体感!
数ある有名ボトラーズの中でも、筆頭格と言えるゴードン&マクファイル社(GM社)。彼らの手にかかれば、少し個性的な味わいの銘柄「バルブレア」も、厳選した樽と熟成により、フルーティーで華やかに変身します。
オフィシャル物を凌駕する圧倒的な仕上がりを体感するためにも、ぜひ両方購入し飲み比べてみてほしいです。
ボトルごとの個性的な味や香りがより感じられる、魅惑のボトラーズの世界にハマるきっかけにもなり得る1本です。
ウイスキー好きなら知っておきたい!「オフィシャルボトル」と「ボトラーズボトル」の違い
BW/Laphloaig 14y Batch2
ひと目見ただけでわかる、某映画をパロったラベルが印象的な1本ですよね!笑
インディペンデントボトラー「ブティックウイスキーカンパニー」が手掛けた、アイラの名門ラフロイグの14年。時を超え、現代に顕現したこのウィスキーが我々に問いかけるのは「本質を見極める力」と「飲むに値する人間か」なんだとか。
薬品やBBQの煙、海藻、トーストといった表現で例えられる独特な香りが特徴的!肉の旨味にも例えられる濃厚な味わいに、フィニッシュで感じるカラメルのような風味。
海などで行うBBQパーティーなどに持っていきたい、少し豪勢にブティックウィスキーを持って行ってみては?
DL/Big Peat
ピートフリーク達のデイリーユース的なウイスキー「Big Peat」。
世界中のマニアたち垂涎の、伝説と言える様な蒸留所の中1つである「Port Ellen」のモルトをブレンドした贅沢な一本。
アードベグ、カリラ、ボウモアと言ったアイラ島の熟成原酒が使用されています。目の覚める様なピート香と、旨味の爆弾をぜひ味わってみてください。
EDR ハイランドパーク Full Volume
ロックミュージックとウィスキーは切っても切り離せない関係だということを、改めて思い出させてくれる1本
ブリティッシュアンプの代名詞と言えば、やはり「Marshall」。「Full Volume」は、まさにマーシャルをイメージしているかのような箱のデザインをしており、音楽好きの心をくすぐります。箱に描かれたアンプの各種ツマミは、ウィスキーの要素を表しており、ウィスキーも音楽も繊細なバランスが大切であると説いているのだそう。
ハイランドパークの代名詞でもあるシェリー樽ではなく、バーボンの空き樽を使用したことによりトロピカルフルーツやバニラのような香りを実現。ほどよいスモーキー加減と濃厚なバニラのような味わいが口の中に広がります。
ぜひとも、お気に入りの音楽と共にロックで楽しんでみてください。
Talisker 10y
アイラではなくアイランズ!ミストアイランドと呼ばれるスカイ島。伝説のクラシックモルトに選出された「タリスカー10年」。
東映の映画の始まりに出てくる“アレ”を想起させる、荒々しい波と岩礁のパッケージが印象的。
見た目通りに、しっかりとした塩味を感じるウィスキーは癖になってしまう人も多いのでは?濃いめのハイボールと共に、岩塩と黒胡椒で味付けした塊の赤身肉を頬張れば昇天必至!
コンパスボックス ピートモンスター(Peat Monster)
ウィスキー界の鬼才が描き出す唯一無二の芸術作「コンパスボックス ピートモンスター」。
コンパスボックスの名を知っているだけでも、ウィスキー偏差値は途端に上がる。
ブランドの創設者であるジョン・グレイサーは、ウイスキーのブレンディングを全て一人で手掛けているまさに鬼才。数々の賞レースを総なめにし、賛否両論の嵐を巻き起こしたことで知られています。
彼のブレンデッドの技術を存分に堪能できる、スモーキーでフルーティーな味わいのバランスをぜひご堪能あれ!
ウイスキー好きへの第一歩?美味しいスコッチに出会うことで世界観が変わる
ブランドやブレンダーによって、大きく個性が異なってくるスコッチ。
その魅力に気づくためには、まず「自分が美味しいと思える1本」に出会うことが一番大切です。この記事を参考に、自身が気に入る1本に出会えたら、同じ系統のスコッチを飲んでみたり、真逆のテイストをもつスコッチを飲んでみたりと、バリエーションの幅を広げてみてください。
様々なスコッチを飲み比べているうちに、きっとあなたも奥深きスコッチの世界にどっぷりとハマってしまことでしょう。