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2019.2.2
日本酒

3つに分類される醸造酒の発酵方法「単発酵」「単行複発酵」「並行複発酵」の違いを解説

醸造酒はm発酵方法によって「単発酵酒」と「複発酵酒」の2つに分けられます。さらに複発酵酒には「単行複発酵酒」と「並行複発酵酒」の2つにわけることができるのです。

今回は、お酒好きならぜひとも知っておきたい、醸造酒造りにおける3つの発酵方法の違いをご紹介します。

お酒の分類「醸造酒・蒸留酒・混成酒」とは?

お酒は製造方法により「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」と3つに分類されます。

・醸造酒とは

醸造酒とは、原料を酵母によりアルコール発酵させたままの状態で飲まれるお酒のことを指します。

代表的な醸造酒としては、大麦を主な原料とするビール、ブドウを原料とするワイン、白米を原料とする日本酒など。

また、アルコール度数は比較的低いとされています。

蒸留酒とは

蒸留酒とは、原料を発酵させた醸造酒をさらに蒸留して造るお酒で、スキー、ブランデー、米焼酎などが蒸留酒の代表的なものです。

・混成酒とは

醸造酒や蒸留酒に、果実や香料、糖分などを加えた再製酒のことを混成酒といいます。代表的な混成酒は梅酒、リキュール、みりんなどが挙げられます。

醸造酒における3つの発酵方法「単発酵・単行複発酵・並行複発酵」とは?

ビールや日本酒などの醸造酒造りの過程で重要な「発酵」は、「単発酵」「単行複発酵」「並行複発酵」の3つの方法に分類されます。

・単発酵とは

単発酵は、もともと糖分を含む果実などの原料を使うため、デンプン原料を糖化する必要がありません。糖分を含む原料に酵母を加えるだけで、酵母の働きによって糖分をアルコールに分解することができます。

例えば、糖分が多く含まれたブドウが原料の「ワイン」は単発酵酒として有名です。
他にも果実酒や動物の乳を原料とする乳酒、樹液酒なども単発酵酒です。

・単行複発酵とは

単行複発酵とは、原料に含まれる糖分をそのまま発酵させる単発酵とは異なり、原料に含まれるデンプンを糖分に分解してから、酵母を加えてアルコール発酵させる方法を指します。

代表的な単行複発酵酒には「ビール」があります。ビールの原料である麦は糖分が不十分であるため、麦芽の酵素でデンプンを糖化させます。麦に含まれるデンプンを糖化したものが「麦汁」と呼ばれ、麦汁を発酵させてビールを作ります。

このように「糖化」と「発酵」の2つの工程が必要な発酵方法であることから単行複発酵と呼ばれるのです。

・並行複発酵とは

並行複発酵は、単発酵酒や単行複発酵酒とは異なり、少し複雑な発酵方法です。

並行複発酵酒として代表的なものは日本酒ですが、日本酒の原料である米には十分な糖分が含まれていないため、単行複発酵と同じように米に含まれるデンプンを分解して糖を作る「糖化」が必要になります。

並行複発酵が単行複発酵と異なる点は、「糖化」と「発酵」2つの工程を1つの容器の中で同時に行うことができるところ麹を使ってデンプンを糖分に分解する工程と、酵母が糖を分解しアルコール発酵する工程で同時並行して進行させる発酵方法であることから、並行複発酵と呼ばれています。

さらに、並行複発酵の大きな特徴は、20度近い高濃度のアルコールを造ることができるということ。麹を使って糖化されたブドウ糖に対して、同時に酵母が働きかけ、すぐさま糖を分解してアルコール発酵させるため、効率よくアルコール度数を高めることができるのです。

最後に

今回は、醸造酒における3つの発酵方法である「単発酵」「単行複発酵」「並行複発酵」についてご紹介しました。

ビールやワイン、日本酒など、私たちが普段からよく飲むアルコールは、それぞれ異なる発酵方法で造られています。

普段は意識しない発酵方法ですが、こうやって違いを知るとまた別の角度からお酒の魅力を発見できるかもしれませんね!

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この記事を書いた人 Writer

三寺悠仁

三寺悠仁

高知県の酔鯨酒造で2年間蔵人として勤務、現在はKURANDの商品開発に関わる日本酒のプロ。日本酒の素晴らしさを世に伝えるべく、日夜活動中。

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