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良い酒は"良い水"から!日本酒造りに欠かせない全国の「名水」まとめ

日本酒造りにおいて、米と同等に重要な役割を担っているのが「水」です。使用する水によって、日本酒の仕上がりには大きく差がでてきます。 故に、造り手達はこの水、所謂「仕込み水」を非常にこだわります。地元の「名水」を使用して日 …

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日本酒造りにおいて、米と同等に重要な役割を担っているのが「」です。使用する水によって、日本酒の仕上がりには大きく差がでてきます。
故に、造り手達はこの水、所謂「仕込み水」を非常にこだわります。地元の「名水」を使用して日本酒を醸している蔵も非常に多いです。

ということで今回は、日本酒造りに欠かせない全国の「名水」をご紹介します。

姫川源流湧水【長野】

最初にご紹介するのは、長野県北安曇郡白馬村の山あい、小さな平坦部から湧き出ている清冽な水「姫川源流湧水」です。姫川源流の名の通り、この湧水を源として姫川が始まっています。

この北アルプスの伏流水を使用している蔵には大雪渓酒造が名を連ね、その清冽な水を活かした飲み飽きしない味わい深い名酒「大雪渓」を醸しています。

ちなみに、この姫川の由来は、古事記に記された、糸魚川市付近を治めていた豪族の娘"奴奈川姫"に大国主命が出雲から求婚しに来たという神話から来ているのだとか。日本酒の造り手、そして飲み手に求め続けられている姫川にピッタリの名前ですね!

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大雪渓
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静岡県富士宮市の湧き水【静岡】

自然に恵まれている静岡は、全国でも有数の名水どころとして有名です。
特に富士山南麓に位置する富士宮市の湧き水は、富士山から時間をかけてゆっくりと湧き出た良質な水質が特徴で、日本酒造りにおいても重宝されています。

富士山の柔らかい湧水を活かした、牧野酒造が醸す日本酒「富士山」などの銘柄を飲めば、この湧き水のクオリティーを感じることができるでしょう。
日本一の山として恥じない、その良質な一滴を堪能してみてください!

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牧野酒造
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白山伏流水群の湧き水【石川】

石川県白山市美川付近で湧き出る、白山伏流水群の湧き水は、石川の名水として有名です。
水源は霊山白山連峰。手取川扇状地の地下を、数十年以上の長い年月をかけて流れ、その先である美川地域に流れ出ています。

石川の老舗蔵、小堀酒造店もこの名水を使用。代表銘柄「萬歳楽」は地元の人を中心に愛され続けています。
こだわりの水で醸される同商品を味わえば、脈々と受け継がれて来ている日本酒の良さを感じることができるでしょう。

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小堀酒造店
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吉野郡の湧き水【奈良】

環境庁指定の「日本名水百選」、国土庁指定の「水の郷34選」、奈良県指定「やまとの水」。3つの分野から名水として指定されている、天川村洞川の「ごろごろ水」をはじめ、奈良県吉野郡周辺はいくつかの湧き水に恵まれています。

この水に恵まれた地域は、当然日本酒造りにおいても存分に力を発揮。奈良県吉野郡下市町下市に蔵を構える藤村酒造は、この名水を活かし日本酒を醸しています。

日本酒「万代老松」を飲めば、この名水の良さを感じることができるでしょう。また藤村酒造は、日本酒造りの技術と経験を活かし、特選酒粕に新鮮な瓜を2年間漬け込んだ、最高級の奈良漬や、地元吉野産のフルーツを使ったリキュールなども手がけているので、同蔵の商品を堪能すれば、名水だけでなく奈良の良さを味わうこともできるはずです!

御香水【京都】

日本を代表する酒どころである京都は伏見。「御香水」は、この伏見の伏流水のことで、その歴史は長く、平安時代から香りのよい良水が湧いたと言われています。

現在でも良質な伏流水が豊富な地として知られ、桃山丘陵をくぐった清冽な水が、長い時間をかけて山麓近くで湧き水となってあらわれるという天然のサイクルは、多くの日本酒造りに貢献しています。

月桂冠」をはじめとし、実に多くの蔵が活躍している伏見。御香水はこれらの蔵に欠かせない名水として有名です。

宮水【兵庫】

酒米の王様"山田錦"の産地。日本酒業界において、重要な地域である兵庫県の名水として「宮水」は名を連ねています。
西宮市の西宮神社の、南東側一帯から湧出するこの名水は、江戸時代後期から既に名水として知られており、日本酒造りに使用されてきました。

硬度が高く、リン成分が一般的な酒造りに使用される水と比べて10倍含まれており、カリウム、カルシウムも多いのが特徴。リンとカリウムの、酵母増殖を促す働きはとても優秀で、この名水を酒造りに最適の水とまで言わしめるほどです。

日本一の酒造業地帯であり、この地域で造られる日本酒は灘酒と呼ばれ、業界でも名を馳せています。「菊正宗」もこの灘酒であり、その安定した酒質は、宮水のクオリティーを証明していると言っても良いのではないでしょうか?

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阿蘇郡の湧き水【熊本】

熊本県阿蘇郡の阿蘇山の豊かな自然は全国にも知れ渡っていますが、この阿蘇郡の湧き水は、飲用の他に、醸造に適した清冽な伏流水としても古くから使用されています。

広大なカルデラを持つ阿蘇山は、火の神と、開拓に燃える農耕の神とが、渾然一体となって宿っていると古くから考えられおり、霊山と呼ばれていることでも知られています。

この地域の日本酒としてピッタリな名酒として、山村酒造の「れいざん」があります。雄大な自然の恩恵を存分に受けているこの名酒を味わえば、阿蘇郡の湧き水の実力を知ることができるでしょう。

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両子山系の伏流水【大分】

大分県国東市の、国東半島に位置する標高720mの山。両子山は国東半島に聳える、火山群の峰々の一つです。
日本海側からの寒気を受け、冬場の冷え込みが激しく、雪も多いこの地域の厳しい環境は、ゆっくりと長い時間をかけて良質な伏流水を育んでいます。

矢野酒造場の日本酒「松乃露」は、この名水を使用しています。手作りで丁寧に醸される同商品は、素材の良さを引き出しているので、一口飲んだ瞬間にこの名水の良さを感じることができるはずです!

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まだまだ名水はいっぱいある!

「名水百選」に選出されたものをはじめ、全国にはまだまだたくさん名水が存在しており、今の日本酒造りを支えています。ぜひ、水にも注目して日本酒を楽しんでみてください。

好きな日本酒が、どういった水で造られているのかを知ると、よりその味わいを理解することにも繋がりますよ!この記事が、あなたの日本酒ライフをより豊かに彩れば幸いです。

《三寺悠仁》

三寺悠仁

高知県の酔鯨酒造で2年間蔵人として勤務、現在はKURANDの商品開発に関わる日本酒のプロ。日本酒の素晴らしさを世に伝えるべく、日夜活動中。

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