2025年11月、フランス・ジロンド県ミオスに新たな清酒蔵「SAKÉ DE BORDEAUX(サケ・ド・ボルドー 日本名:水の辺酒造)」が誕生します。日本から受け継いだ醸造の知恵と、フランスが育んだテロワールが交差する革新的な取り組みとして注目されています。
フランスの地の恵みと日本の技術の融合
同酒蔵では、カマルグ米、地元ボルドーの白ワイン酵母、そしてアルカション近郊の地下水を使用し、フランスの地の恵みと日本の匠の技を融合させた清酒造りを行います。22hLタンク4基を備え、年間最大75,000本の生産能力があります。
仕込みはフランス寒造りで行い、ボルドーワインのように「ヴィンテージ」として-5℃で熟成させ、時間の記憶を瓶に封じ込める独自の製法を採用しています。
3種類の個性豊かなラインアップ
今回発表された清酒のラインアップは3種類です。
「Prestige(プレスティージュ)」は白ワイン哲学を思わせる、しなやかで包容力ある味わい。「Héritage(エリタージュ)」は日本の伝統を映し出す、清らかで奥深い酒。「Voyage(ヴォヤージュ)」はシャンパーニュ製法で生まれた、祝祭にふさわしい泡酒となっています。
記念すべき当蔵のデビューに際し、二人の巨匠より味わいの方向性について貴重な助言を賜りました。蔵元杜氏の織田智雄氏の責任で醸す酒に、彼らの知恵と経験がアッサンブラージュされ、唯一無二の調和が生まれています。
【監修者】
・日本酒ペアリングを科学的かつ詩的な境地に引き上げる革新の酒ソムリエ・千葉麻里絵氏(EUREKA! オーナー、酒サムライ)
・ボルドーの代表的シャトーの四代目でソーテルヌ・バルサックの発展と持続可能なワイン造りを牽引するジャン・ジャック デュブルデュー氏(Denis Dubourdieu Domaines)

伝統と革新が生み出す新たな清酒文化
蔵元杜氏の織田智雄氏は「この度、3年にわたる試行錯誤の末、ようやく弊蔵の清酒を皆さまにお届けできる日を迎えることができました。ここまで来られたのは、日本の伝統とボルドーの地がめぐり合い、多くの方々の温かなご支援とご協力があったからこそです」とコメント。清酒は、2024年には、麹を用いた「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、注目が一層高まっています。