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どれくらいの量?「一升瓶」の豆知識と歴史を徹底解説【お酒の知識】

家に日本酒や焼酎を買って飲むお酒好きの人だけでなく、居酒屋でしかお酒を飲まない人でも馴染み深い一升瓶。しかし、いざ「一升瓶ってどれくらい入っているの?」「だいたい何杯くらい飲めるの?」と聞かれると答えに詰まってしまうこと …

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家に日本酒や焼酎を買って飲むお酒好きの人だけでなく、居酒屋でしかお酒を飲まない人でも馴染み深い一升瓶。しかし、いざ「一升瓶ってどれくらい入っているの?」「だいたい何杯くらい飲めるの?」と聞かれると答えに詰まってしまうこともあると思います。

一升瓶の容量や保存法、歴史、リユース方法に加えて他の瓶の容量などを紹介します。これを読んでもう一段お酒を楽しみましょう!

一升瓶とは


一升瓶は日本酒や焼酎の他にもウイスキーやブランデー、ジン、国産ワインを一升瓶に詰める一升瓶ワインなどに使用される容器です。
その他にも醤油やみりんなど、お酒以外にも幅広く使われています。

一升瓶の基準は日本工業規格(JIS)に規定されているので、どの酒造メーカーの瓶も形、大きさ、材質は同じです。

その規格は、高さは395±1.9ミリメートル、底部は直径05.3±2.5ミリメートル、 上部直径は30±0.3ミリメートル、最小肉厚は1.7ミリメートル、容量は1800 ±15ミリリットル、参考質量は95グラムと定められています。

一升瓶に入るお酒の量

一升瓶に入るお酒の量ですが、一合徳利なら10本分。焼酎などはだいたいシングル60杯分、ダブル30杯です。

プレゼントの際に一升瓶を風呂敷で包むと大変風情がありますが、サイズは約90×90cmの二四巾と呼ばれる大きさが最適。包み方の種類もいくつかあるので、風呂敷の模様や包み方を組み合わせて素敵なプレゼントにしましょう!

日本酒に一升瓶が使われる理由

一升瓶に日本酒を入れるのは、明治時代にできた習慣だと言われています。

明治政府が日本酒の生産に力を入れはじめ「量り売りによる水増しを防ぐため」「日本酒をより衛生的に保つことができる」という2点のメリットがあったため、日本酒の保存に一升瓶を使いはじめましたのだそう。

日本酒の一升瓶を保存する方法

実際に一升瓶でお酒を家に買った際やプレゼントするときに覚えておきたい保存方法を紹介します。

重要なポイントは日本酒は太陽光や紫外線に弱い性質があるので、冷蔵庫など日光が直接当たらない場所で保存することです。

日本酒は太陽光や紫外線に晒されると、日光臭と呼ばれる不快な臭いが発生してしまいます。少しの間日光のもとに放置しているだけでも臭いが発生してしまうので注意が必要です。

また、瓶の色によって光を遮る遮光性が異なってくるので以下で詳しく紹介します。

遮光性が高い茶色・緑色のボトル

一升瓶のボトルの色といえば昔はほとんどが茶色で、現在でも最も多い色は茶色。茶色のボトルが多い理由は光を遮って日本酒の品質の変化を防ぐことができるからです。

茶色の次に多い色が緑色で、こちらも遮光性に優れています。

遮光性が比較的低い青色や透明のボトル

青色や透明なボトルは見た目が華やかで人気がありますが、実は遮光性が低いと言われています。そのため、日本酒の質を保つためにもしっかりと遮光することが大切。

具体的には空気に接する面積を小さくするために縦にして新聞紙に包むか、冷蔵庫など日光が当たらない場所に保存することです。

もし冷蔵庫に一升瓶が入らなければ四合瓶や五合瓶などのガラスでできた密閉保存容器か匂いのついていないペットボトルに移し替えるのが良いでしょう。また、なるべく早めに飲むことを心がけてくださいね。

日本ならではの尺貫法について

一升瓶の「升」とは、尺貫法と呼ばれる単位を使っていた名残です。

尺貫法とはメートル方が制定する以前に日本で使われていた単位で、長さの単位を「尺」、質量の単位を「貫」、体積の単位を「升」とするものです。

体積の単位を「升」

お酒は体積の升で量り、一升は約1.8リットルになります。日本酒や焼酎をお店で頼む際は一合などと注文することが多いと思いますが、一合は180ミリリットルです。

合はお米を量るときにも用いるのでぜひ覚えておきましょう。

また、十合で一升になり十升(18リットル)は一斗、百升(180リットル)は一石です。

長さの単位を「尺」

一尺は長さを図る時に用いる単位で、手を広げた親指から中指のそれぞれ先までの長さです。

一尺は約30.3センチメートルで、その他には「寸」「分」「厘」があります。それぞれ、一寸は約3.03センチメートルで一分は約3ミリメートル、一厘は約0.3ミリメートルです。

今でも建築業界で使われています。

質量の単位を「貫」

質量の単位は「貫」で、江戸時代以前の通貨の単位でもあります。

一貫が3.75キログラムで一匁(いちもんめ)が3.75グラムです。ちなみに現在の五円玉は3.75グラム、つまり一匁です。

一升瓶が使われなくなった理由

以前は焼酎や日本酒などのお酒はもちろん、醤油やみりんなどの調味料なども一升瓶のサイズで売られていました。

しかし、瓶よりも軽く扱いやすいペットボトルが普及したことによって一升瓶の需要は減りつつあります。

一升瓶と四合瓶


一升瓶は1800mlの一方、四合瓶の内容量は720ml。あまりお酒をたくさん飲まない人にとっては、四合瓶の方が馴染み深いのではないでしょうか?

四合瓶は一升瓶と比べて早く飲み切れることや保存スペースが小さく済むなどのメリットはありますが、基本的に瓶が小さくなっていくごとに価格が割り増しになるデメリットもあります。

五合瓶が一般的ではない理由

そもそも、何故半分のサイズではなく四合瓶が一般的になったのか。

五合瓶は900ミリリットルですが、五合瓶よりも四合瓶がメジャーな理由としては、「盃」という日本の液体の単位が四合に相当しているからだと言われています。

ちなみに、現在でもよく耳にする「一杯いこう」の杯は盃を指しているといいます。

最近では人気の少量サイズ瓶など様々なサイズで販売されているのでお好みの大きさで楽しみましょう!

一升瓶は環境に優しい「活き瓶」?

一升瓶は一般的に6~7回リユースすることができる「活き瓶」という種類のため、環境に優しいです。しかし、若い世代ではリユースできることを知らない人が多く、回収率が減少しているという問題があります。

また、そのほかにもリユースすることができる瓶があるので紹介します。

その他の活き瓶

実は、多くの便が活き瓶として回収されています。例えばビール瓶や、意外にもジュースの瓶もリユースされています。

特にビール瓶は中でも地球環境に優しく、アルミ缶に比べてCO2の排出量約4分の1も少ないです。多くの自治体で、一升瓶は酒屋さんや販売店に返してくださいとPRしているので、積極的に瓶をリサイクルしましょう。

まとめ


家に日本酒や焼酎を買って飲むお酒好きの人だけでなく、居酒屋でしかお酒は飲まない人でも馴染み深い一升瓶ですが、意外にも初めて知ったことが多いのではないでしょうか?

一升瓶や四合瓶の容量や保存方法、リユースの効果などよりお酒が楽しめること間違いなし!

《ハタヤマ シンノスケ》

ハタヤマ シンノスケ

専門学校を卒業後、銀座の有名料亭で修行。複数の飲食店を経て、現在はフリーランスの料理人として調理以外にも執筆も行なう。各種料理免許の他、利酒師の資格も保有。日本酒、ビール、焼酎、泡盛......なんでも大好き!!

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