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ラベルを見れば全てがわかる!?好みの日本酒を見極める3つのポイント

同じお米が原料なのに香りも味わいも全く異なる日本酒。 『買ってみたはいいけれど、好みの日本酒じゃなかった…』なんて経験、一度はあるのではないでしょうか。 なんだか複雑で難しそうな日本酒選びも、実は日本酒のラベルに書かれて …

お酒を選ぶ 日本酒
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同じお米が原料なのに香りも味わいも全く異なる日本酒。

『買ってみたはいいけれど、好みの日本酒じゃなかった…』なんて経験、一度はあるのではないでしょうか。

なんだか複雑で難しそうな日本酒選びも、実は日本酒のラベルに書かれてる内容を少しだけ理解すれば、味わいを大体把握することができるんです。

そこで今回は「自分好みの日本酒に出会うためのラベルを見る3つのポイント」をご紹介します。

※厳密には、人の味覚はそれぞれなので100%完璧!ではありません。ただ多くの方が、この見方でお酒の味わいをイメージをしています。あくまで日本酒を選ぶ1つの基準として、参考にしてみてくださいね。

①味わいと香りを調べる
~原料米と精米歩合~


ご存知の方も多いかと思いますが、日本酒は「米を主原料とした醸造酒」です。複雑な味わいではありますが、その材料はとってもシンプル。
ゆえに、原料であるお米の違いがお酒にも大きく反映します。

ここでは、「原料米」と「精米歩合」からお酒の味わいの違いについて解説していきます。

●原料米(酒米)


まずは、日本酒の原料となるお米についての表記です。

日本酒のラベルには、原料となっているお米の品種が書かれているのです。

「山田錦」「五百万石」といった品種は、お酒が好きなら1度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

これらは「酒造好適米(酒米)」と呼ばれているもので、私たちが普段食べる米とは違い、日本酒を作るための米として開発されました。

さらに、同じ酒造好適米でも、使う品種によって味わいが異なります。

例えば...

山田錦...香味が良く、きめの細かいまろやかさを持った仕上がり

五百万石...淡麗で切れ味が良い

美山錦...他の米と比べて比較的辛味が少なく、米の味がしっかりとしている

雄町...濃醇でしっかりとした味わい

代表的なものだとこんな感じです。

上の写真だと、五百万石というお米を使用しています。そのためラベルを見ただけで、淡麗で切れ味が良いお酒だと想像できますね。

酒造好適米はまだまだたくさんあるのでその特徴を覚えていくには経験値をためていくしかありませんが、「五百万石」や「山田錦」など、代表的なものを覚えておくだけで何となく味を把握することができるのです。

●精米歩合


日本酒のラベルに「精米歩合」という表示を見たことありませんか?

精米歩合とは、一言でいうと製造過程でどれくらい削られた米を使用しているかを指し示します。

精米歩合40%と精米歩合60%といった形で表記されているのですが、どちらの方が多くの米を削っていると思いますか?間違えて覚えてしまっている方も案外多いのですが、実は「精米歩合40%」の方がより多くの米を削っているんです!

つまり、精米歩合はどの程度削ったのかではなくお米がどのくらい残っているのかを示す数値なのです。

そのため、精米歩合40%とは「お米の周りを60%も削ってる!」ということになります。

一般には、精米歩合の値が小さいほど上等な日本酒だと言われています。

ちなみに精米歩合が70%以下だと本醸造酒、60%以下だと吟醸酒、50%以下だと大吟醸酒を名乗ることができるのです。

上の写真を見てみると、精米歩合60%と書かれています。
『これは40%のお米を削った吟醸酒なんだ!!』とわかりますね!!

精米歩合で覚えておきたいことは「値が小さいほど多くのお米を削って造っている」ということ。
削りを多くすることで、香り豊かなお酒になります。

上記で説明した、「精米歩合」と「酒造好適米の特徴」を覚えておくとラベルを見ただけで『このお酒は五百万石を使用して、お米を40%以上削ってる...きっと淡麗でキレのある日本酒なんだな~』と想像できるようになるというわけです



②甘口or辛口を調べる
~日本酒度と酸度~


日本酒で1番好みが分かれるポイントといっても過言ではない「甘口」と「辛口」。
そんな日本酒の甘辛を、飲まずに把握したいという方は「日本酒度」「酸度」に注目してみましょう。

●日本酒度


日本酒のラベルに「+3」など、不思議な数字の表示を見たことありませんか?
この数字、マイナスであるほど甘口となり、プラスであるほど辛口になることを表している数値なんです。

そう、この+と−のついた数字で示すものこそが「日本酒度」なんです。
日本酒度とは甘口、辛口のものさしのようなものだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、簡潔に言うと「日本酒の比重」を表しています。

ではなぜ、日本酒の重さで甘口、辛口がわかるのでしょうか?

それは「日本酒の甘さを決定付けるブドウ糖濃度が日本酒の重さで分かる」から。

ブドウ糖は水よりも質量が重いため、日本酒度がマイナス(重い)であればあるほど、その日本酒には多くのブドウ糖が含まれているということになるのです。

目安としては、

+6.0以上 大辛口
+3.5~+5.9 辛口
+1.5~+3.4 やや辛口
-1.4~+1.4 普通
-1.5~-3.4 やや甘口
-3.5~-5.9 甘口
-6.0以上 大甘口

といった感じです。

●酸度


残念ながら日本酒の甘口、辛口は日本酒度だけでは判断がつきません。

もう1つ、大事な指標となってくるのが日本酒の「酸度」という数字です。

酸度というと日本酒の酸味を表しているのかと思ってしまいますが、実はお酒に含まれる「コハク酸、リンゴ酸、乳酸などの酸の量」を示しています。これらは私たちが想像する酸のように酸っぱいものではありません。

実は、酸度という名前ながら、多いと辛く感じ、少なければ甘く感じる数値なんです!

こちらは酸度単体ではなく、日本酒度と酸度を照らし合わせると、おおまかな味わいがわかります。

淡麗辛口・・・酸味と糖分が少なく、さっぱりしてキレのある酒
淡麗甘口・・・酸味と糖分が少なく、さっぱりしてまろやかな酒
濃醇辛口・・・酸味と糖分が多く、コクとキレがある酒
濃醇甘口・・・酸味と糖分が多く、コクがありまろやかな酒

といった感じで覚えておくと、便利ですよ!

③日本酒の鮮度を見る

~製造年月~


日本酒の鮮度を知りたい場合は、製造年月をチェックしてください。

これはどのお酒にもいえることですが、時間の経過によって味わいは良くも悪くも変化していきます。
日本酒に関しては、時間が経つと味わいにまろみが帯びてきます。逆に出来立てはフレッシュで若々しい味わいを感じるのです

しかしながら、基本的に日本酒のラベルには賞味期限が書かれていません。
これはアルコール飲料全般にいえることですが、雑菌が繁殖しにくいという特性があるためです。

日本酒のラベルに記載されている「製造年月」は、賞味期限ではなく蔵元が瓶詰めをした年月を示したもの。

例えば、10年間熟成させた古酒を瓶詰めしたとしても、製造日は瓶詰めをした日となるのです。

ちなみに保存状況にもよりますが、美味しく飲める期間は製造年月からだいたい1年ほどといわれています。

そのため、製造時期からあまりにも長い期間が経過している日本酒は品質が劣化している可能性が高いです。

中には、あえて長期保存させることで玄人好みの味わいを生み出しているものもありますが、そのような日本酒は長期熟成酒として扱われることが一般的。

日本酒を買うときには、なるべく製造年月が新しいものを選ぶ方が無難といえるでしょう。

まとめ

人の味覚は複雑で、その日の気温や体調や気分でも大きく変化します。
自らのコンディション次第では「辛口のお酒が少し甘く感じる」といったことも、多々あることでしょう。

また、農産物であるお米は、地域や年によって出来が変わるため味わいがいつも一緒とは限りません

今回ご紹介した方法で100%判断できるという訳ではありませんが、この記事で少しでも皆さんの日本酒を選ぶ「基準」のようなものができたら嬉しいです。

普段はあまり意識してみることのないラベルですが、実はその日本酒の情報がたっぷりと詰まっています!!

日本酒を選ぶときはもちろん、お店などで日本酒を飲む時にも、ラベルに注目してみてはいかがでしょうか。

《三寺悠仁》

三寺悠仁

高知県の酔鯨酒造で2年間蔵人として勤務、現在はKURANDの商品開発に関わる日本酒のプロ。日本酒の素晴らしさを世に伝えるべく、日夜活動中。

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