TOP / お酒を選ぶ / 日本酒 / 伝統的な手法の発酵がポイント!?京漬物とお酒の相性の良さを専門家に教えてもらった

近年、専門店が営業を開始するなど日本でもブームとなっている「発酵食品」。世界中で作られている発酵食品ですが、日本では古くから親しまれている伝統的なものとして漬物が代表的ですよね。

美味しいだけでなく、健康効果も見込めるという発酵食品。実は、お酒のおつまみにもぴったりだということを知っていましたか?

今回は、お酒の専門家の方に日本の漬物の原点とも言える「京漬物」とお酒の相性の良さについて詳しく解説していただきました。

意外に知らない人が多い!?そもそも漬物とは

そもそも、漬物とは塩・酒粕・酢といった材料とともに食材を漬け込み、食材の保存性を高めると共に熟成させた食品全体を指す言葉です。海外であれば、欧米で親しまれているピクルス、韓国の伝統料理キムチといったものが代表的なものとして挙げられます。

漬物=発酵食品という認識が強いかもしれませんが、発酵を伴わない漬物も世界にはたくさんあるのです。

京都で生まれた「京漬物」は日本の漬物文化のルーツ!?

漬物文化のルーツや発祥は正確には分かっていません。しかしながら、古くから日本ではそれぞれの地域や家庭で伝えられてきた漬物を作り、各食卓で楽しんできました。

現在でも「味噌汁・ご飯・漬物」は和食の定番として語られることが多いですが、これは昔から変わらない文化。どの家庭でも、食卓には必ずといっていいほど漬物が並んでいたのだそう。

そんな家庭の味だった漬物が、贈答品や“おもてなし”としても活用されるようになったのは、京漬物がきっかけだったと言われています。京野菜を代表する、上質な野菜が周辺でたくさんとれたこと、さらには食材を保存する技術が高かったことなどが幸いし京都では高品質な漬物のブランドが多数誕生。それまで、「家庭で作るもの」「贈答品としてはふさわしくない」と考えられていた漬物でしたが、京漬物がその地位を向上させたのだと言われています。

「京漬物」ならではの味・発酵のポイント

京漬物の中でも代表的なものが「千枚漬」「すぐき」「しば漬」の3種類。

一言で京漬物と言っても、それぞれに異なった特徴を持っています。以下では、京の三大漬物と呼ばれる代表商品3種類の特徴や歴史をご紹介します。

■千枚漬

冬の京の風物詩として広く知られる「千枚漬」。発祥は江戸時代末期の頃と言われており、宮中の料理人が旬の聖護院かぶらを薄く切り、塩や酢に漬けたことが始まりだったそう。

当時は漬物といえば長期保存が目的。この千枚漬は現代で言う浅漬に分類され、発酵はしていません。その特徴である純白で美しい姿や上品な味わいは多くの人々を魅了し、現在に至ります。

■すぐき

「すぐきかぶら」という、かぶらの一種を乳酸発酵させた漬物「すぐき」。冬に旬を迎えるこの漬物は、本漬後に室(むろ)に入れて乳酸発酵させることで、独特の酸味と深い味わいを持っています。

「すぐき」は、京都で最も古いとされる神社・上賀茂神社に仕えた社家によって栽培されていた、この土地固有の野菜でした。そのため、非常に価値が高かったのだそう。

また、「すぐき」からは植物由来の乳酸菌「ラブレ乳酸菌」が発見されたことも有名。ラブレ乳酸菌は、摂り続けることで免疫力を高める効果や、腸内環境のバランス改善効果があることも実証されています。

■しば漬

平安時代の後期に誕生したと伝えられている「しば漬」。平安時代といえば、源氏と平氏が天下をとるために争っていた時代です。そんな戦乱の世の中で、当時「大原」に隠棲していたのが、壇ノ浦の合戦で唯一生き残った平清盛の娘・建礼門院。

建礼門院は、一家の滅亡や我が子を失った悲しみにくれる中、地元住人たちはせめてものなぐさめにと紫蘇で漬けた漬物を献上したのだそう。建礼門院はこの漬物をとても気に入り、美しい赤色を見て「紫葉(しば)漬け」と名付けたという伝説が残っています。

あの美しい赤紫色を持つ「しば漬」には、意外にも物悲しいエピソードがあったのです。

京漬物はお酒のおつまみにピッタリ!?お酒×京漬物の相性を専門家に解説してもらった

日本の伝統的な発酵食品「京漬物」ですが、お酒のおつまみとしての相性は良いのでしょうか?今回は、お酒の専門家の方に京漬物を美味しく楽しめるペアリングを解説していただきました。

■専門家の紹介

山村真由美さん

プロフィール:酒匠、料理研究家。1年365日酒を呑み続ける驚胃の持ち主。酒ライターでもあり、全国各地の酒蔵を訪ね日本酒の普及に力を注いでいる。

今回お酒との相性を検証するのは京漬物の代表3品+1品

お酒との相性を検証するために用意したのは、京漬物ブランド「西利」が販売する代表商品「千枚漬」「すぐき」「しば漬」に加え、おつまみとしてアレンジしやすい「奈良漬クリームチーズ」の計4品。お酒のプロは、どのようなペアリングを提案してくれるのでしょうか?

■千枚漬×純米吟醸の原酒、ビール

山村:ペアリングのポイントとしては「同じような味わいの物同士を合わせる」「足りない部分を補う」というのが基本になってきます。「千枚漬」は、やはりその独特の甘酸っぱい味わいが特徴的です。今回試食させていただいた、西利さんの「千枚漬」は昆布が一緒に入っていて、トロミが非常に効いているのが印象的でした。

「千枚漬」の甘い部分にフォーカスしたペアリングとして、一番わかりやすいのが純米吟醸の原酒との組み合わせ。アルコール度数が高く、トロミがあるため「千枚漬」の味わいにもピッタリ。

その他、アルコール添加させたタイプの吟醸酒もおすすめです。キレが良くすっきりしているので、「千枚漬」の甘みをほどよく口の中で抑え「千枚漬」に使われている京野菜の聖護院かぶら本来の上品さがより際立ち、美味しく味わえると思いますよ!

その他、ビールとのペアリングもおすすめ!「千枚漬」にない、“苦味“の部分をビールが補ってくれるため口の中で非常にバランスのとれた味わいに変わるはず!のどごし爽やかなピルスナータイプの他、IPAなどの苦味が際立つビールなどとも試してみてはいかがでしょうか?

■すぐき×熟成生酒、山廃・生酛造りの日本酒

山村:「すぐき」は、ヨーグルトやカッテージチーズにも形容できるような独特な発酵感があります。また、水分がしっかりと抜けているので旨味が凝縮されていたのに加え、歯ごたえも楽しめました。ペアリングに関して言えば、やはり“酸味”ポイントになると思います。味わいの観点から言えば白ワインなども合うとは思うのですが、発酵具合を加味すると一番のおすすめは日本酒ですね。

中でも、生酒を熟成させたものは口当たりがなめらかで、「すぐき」の酸を穏やかにしてくれるのでおすすめ。「すぐき」同様、熟成させているためテイストも近く、ベストマッチなペアリングになってくれるでしょう。

また、「生酛造り」の日本酒や「山廃」の日本酒もおすすめ。これらの日本酒は、天然の乳酸菌を用いて発酵させているため通常の日本酒よりも複雑な酸を感じるのが特徴。「すぐき」の酸味を心地良く増幅させてくれるため、個性的な酸味を存分に感じられるペアリングになります。

特に、低アルコールの日本酒が合わせやすいと思いますね。

■しば漬×樽酒、芋焼酎

山村さん:赤しその風味が特徴的な「しば漬」。軽やかな味わいのお酒でももちろん美味しく楽しめるのですが、漬物としての個性が非常に強いので、お酒もクセがあったり味が強いものを選ぶのがおすすめです。

例えば、「樽酒」。日本酒の芳醇さに加え、樽由来の木の香りが付与されている「樽酒」は赤しその風味にも負けることなく、口の中を包み込んでくれます。紫蘇に似通った、木の香りが加わることで「しば漬」の味わいをより引き立ててくれるでしょう。

また、焼酎もおすすめ!中でも、芋焼酎は個性が強いものが多く「しば漬」の味わいや香りにも負けることがありません。本来「しば漬」ではあまり際立つことのない“甘み“の部分ですが、芋由来の独特の甘さが加わることで素敵な口内調味となります!

■奈良漬クリームチーズ×白ワイン、貴醸酒

山村さん:ねっとりとしたチーズの食感と、細かく刻まれた奈良漬の歯ごたえが面白い、まさにお酒のおつまみにぴったりな商品ですね!奈良漬由来の酒粕の香りもしっかりと残っていて、甘しょっぱい醤油のようなテイストも楽しめます。

「奈良漬クリームチーズ」とのペアリングのポイントは、ずばり“甘さ”です。一番おすすめしたいのが、甘口の白ワイン。甘口と言っても、ワインの場合はしっかりと酸味も感じられるので、甘さを感じつつもすっきりとした味わいが楽しめます。しっかりとした味付けの「奈良漬クリームチーズ」と合わせれば、濃厚さを感じながらもワインの酸やフルーティー感で口の中をさっぱりリフレッシュさせてくれますよ!

日本酒で言えば、甘酸っぱい「貴醸酒」がおすすめ!通常、水で仕込むところをお酒を使って仕込むことで、独特のとろみとコク深い甘さが楽しめるのが「貴醸酒」最大の特徴。濃厚な甘さに加え、ほどよい酸味も感じられるため、酒粕由来の甘やかな香りやチーズの酸どちらともしっかりと寄り添ってくれるペアリングになります。

京漬物は日本酒だけではなく様々なお酒と相性が良い万能おつまみだった!

今回、専門家の方に様々なペアリングを検証していただいた結果、京漬物は日本の国酒日本酒はもちろん、ビールやワインなど様々なお酒と相性が良いことがわかりました。

美味しさに加え、乳酸菌由来の健康イメージも強いためお酒を飲むシーンでも罪悪感なく、おつまみとして存分に楽しめそうですよね!

ご紹介した4商品の他にも、西利の京漬物シリーズは豊富なラインナップを揃えています。今回の記事を参考に、ご自身の好みに合ったお酒とのペアリングを見つけ出して楽しんでみてはいかがでしょうか?

※記事内で紹介している「千枚漬」は通常6月いっぱいまでの販売となりますが、毎年「祇園祭」の際に限定販売している「夏の千枚漬」が2020年に限り7〜8月の2ヶ月間、特別に販売されます。

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※提供:西利