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2019.3.7
ワイン

【ソムリエコラム】シャンパン製造に使われる“門出のリキュール”?「ドサージュ」について徹底解説

シャンパーニュに加えられる「門出のリキュール」というものをご存知でしょうか?

実は、これこそが「シャンパーニュが新たな門出を祝うのにふさわしいお酒」と言われる由縁にもなっているのです。

ここでは、その「門出のリキュール」をシャンパーニュに添加する「ドサージュ」という工程について解説します。

シャンパーニュの製法について

ドサージュの前提知識として、まずは基本的なシャンパーニュの製法を把握しておきましょう。

醸造〜瓶内二次発酵

スパークリングワインの製法は数通りありますが、シャンパーニュの場合、その中で最も手間暇かかる「トラディショナル方式」という製法で造られます。

この製法では、まずは通常の白ワインを醸造します。そこへさらに糖分と酵母を加えて瓶詰めし、栓をして密閉。すると、酵母が糖分を二酸化炭素とアルコールへと分解していきます。
このときに生じる二酸化炭素こそ、あのシャンパーニュの泡の正体なのです。

最初に白ワインを醸造するときのアルコール発酵が一次発酵であることから、この瓶の中で起こる発酵のことを「瓶内二次発酵」といいます。

ルミアージュ〜澱引き(デゴルジュマン)

瓶内二次発酵が終わると、二次発酵でワインに加えた酵母が澱となって沈殿します。これを取り除くため、熟成期間中に毎日少しずつ瓶を回しながら垂直に立てていく「ルミアージュ」という作業を行い、澱を瓶の口の方へと集めていきます。

こうして瓶の口に集まった澱の部分を一気に凍らせると、瓶の栓をはずしたときに凍った澱だけが勢い良く飛び出すのです。こうして澱を取り除く作業を「澱引き(デゴルジュマン)」といいます。

ドサージュと「門出のリキュール」

 それでは、本題の「ドサージュ」について見ていきましょう。

澱引き後に行われるドサージュ

澱引きで澱を取り除くと、どうしてもワインの容量は目減りしてしまいますよね。
この減った分を補うため、一般的に澱引きをした後に糖分入りのワインが添加されます。

これが「ドサージュ(補糖)」と呼ばれる工程なのです。

門出のリキュール

ドサージュの工程で添加される糖分入りのワインは、「門出のリキュール」と呼ばれています。

この名前は、「ドサージュ」がシャンパーニュの出荷の前に行われる工程であり、その出荷を門出に見立てたことが由来になっているんだとか。

実は、「門出のリキュール」に含まれる糖分の量というのも、個々のシャンパーニュの味わいに大きく影響しているのです。

ドサージュしないシャンパーニュもあるの?

昨今の辛口ブームや健康志向に伴い、ドサージュされないシャンパーニュも新たなトレンドとなっています。

ドサージュ・ゼロ

近年、ドサージュが行われないシャンパーニュが増加傾向にあります。

このようなシャンパーニュは、「ドサージュ・ゼロ」あるいは「ノン・ドサージュ」などと呼ばれています。

一般的にドサージュで添加されるリキュールには糖分が含まれているため、ドサージュによってシャンパーニュの味わいに甘味が加わるのですが、「ドサージュ・ゼロ」のものは、ドライでシャープな飲み口の極辛口になります。

極辛口が好まれる理由とは

ドサージュ・ゼロのような極辛口のシャンパーニュは、食前酒として楽しむだけにとどまらず、あらゆる食事と合わせやすいということがその人気の大きな要因になっています。

また、残糖量が少ないという理由で、糖質が気になる方やダイエット中の方にも好まれています。

まとめ

シャンパーニュの出荷前に、最後のひと仕上げとして加えられる「門出のリキュール」。

自分用に買うならドサージュ・ゼロのものも良いですが、もし就職や結婚、昇進など、誰かの新たな門出をお祝いするときにシャンパーニュを贈るときは、ドサージュで「門出のリキュール」が加えられているものを選ぶと良いでしょう!

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この記事を書いた人 Writer

石関華子

石関華子

埼玉県出身、高知県在住の一児の母。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。日本ソムリエ協会香川・徳島・高知支部所属。日本橋三越のワイン担当を経て、現在は高知県の井上ワイナリーの広報アドバイザーや、ワインの講師などを務めています。少しでも多くの方と、ワインの楽しさを分かち合えれば嬉しいです!

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