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「クラフトジン」って一体なに?ブームの秘密やオススメ銘柄を紹介!

近年国内で流行している「クラフトジン」。その存在を知っていても、「クラフトジンについて詳しく知っている。」という方は少ないのではないでしょうか? ということで今回は、そんなクラフトジンをピックアップ。クラフトジンの特徴や …

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近年国内で流行している「クラフトジン」。その存在を知っていても、「クラフトジンについて詳しく知っている。」という方は少ないのではないでしょうか?

ということで今回は、そんなクラフトジンをピックアップ。クラフトジンの特徴や、辿ってきた道のり、オススメの銘柄などを紹介します!

1.「クラフトジン」とは?


実は、クラフトジンに明確な定義がありません。ですので今回は、「クラフトジンとは何か?」を紐解くために、クラフトジンの先駆け的存在「ヘンドリックス」と、ブームのきっかけを起こした「シップスミス」を紹介したいと思います。

ですが、手っ取り早くクラフトジンの特徴を知りたい方は、目次の2.「クラフトジン」の特徴を押していただいても構いません(笑)

ヘンドリックス


スペイサイドモルトの代表格"グレンフィディック蒸留所"を所有するウィリアムグラント&サンズ社。

ヘンドリックス」は、同社のガーヴァン蒸留所が製造するジンなのですが、開発のきっかけは、グレンフィディックの創設者"ウィリアム・グラント"氏のひ孫"チャールス・ゴードン"氏が、オークションで歴史的な蒸留器とジンのレシピを購入したことに遡ります。

彼が購入した2つの蒸留器のうち、1つは"不十分ながらも力強く芳醇なスピリッツを造り出す"と評判の銅製のベネットスティル。もう一つは"非常に爽やかで繊細なスピリッツを造り出す"という特徴を持つカーターヘッドスティル

購入後、長らくはジンを造るクラフトマンが欠けていたのですが、1988年に後にスピリッツの天才児と言われる"レスリーグラシー"氏が招かれたことで、同社の新しいジンの発明がスタートします。

やがて同社は、この特徴の違う2つの蒸留器によるジン造りの可能性を開拓少量のプレミアムなジンを造り、女王の従兄弟"ロード・リッチ・フィルド"氏や、一般の方への販売を開始しながら、ジン製造のレベルを上げていきます。

そして1999年、遂に今までになかったプレミアムなジン「ヘンドリックス」を販売。瞬く間にその実力を世間に示すと、販売の翌年にはアメリカに進出、2003年にはサンフランシスコ・スピリッツ・コンペティションで金賞を受賞します。

今では世界70カ国で愛される「ヘンドリックス」。こうして、クラフトジンの元祖とも呼べる銘柄は誕生したのです。

ヘンドリックスから知る「クラフトジン」の特徴

ヘンドリックスは、ジュニパーベリーやコリアンダーといったボタニカルに加え、バラの花びらときゅうりのエキスで独特な風味付けをしています。

このように、普通のジンで使用するボタニカルだけでなく、独特なボタニカルが使用されていることが、クラフトジンの特徴の一つです。

また、その分、必然的に普通のジンより多くのボタニカルを使用していることが多いです。例えば、「ザ・ボタニスト」という銘柄は、普通のジンが大体5~10種ほどなのに対し、31種ものボタニカルを使用しています。

シップスミス


ヘンドリックスは、クラフトジンを切り開いた銘柄ではありますが、近年のクラフトジンブームのきっかけは、また他のブランドにあります。それは、2008年にイギリス・ロンドンで約200年ぶりに誕生したジン蒸留所「シップスミス」です。

同蒸留所は、銅製の単式蒸溜器を使用するなど、伝統的なロンドンドライジンの製法を採用していたこともあり、創業が大きな話題になりました。

これがきっかけで、イギリス国内でジンの流行がスタート小規模な蒸留所による高品質・個性的なジンが、クラフトビールに倣い「クラフト(職人・工芸)ジン」と呼ばれるようになったのも、この時期だと言われています。

着々とクラフトジンは流行していき、2008年にイギリス国内に12しかなかったジン蒸留所は2018年には450以上にも増加。世界的なウイスキーの原酒不足もあり、流行はイギリス国外にも広まったのです。

日本でも、クラフトジン専門の蒸留所の新設や、日本酒・焼酎の蔵元のジン産業の参入、クラフトジン専門店のオープンなど、その流行を肌で感じることができると思います。

実際、日本のジン輸出額は、2017年に対前年比で43倍の6億4千万円、2018年には対前年比3倍となる19億9千万円に上り、蒸留酒としては、わずか2年で焼酎を超え、ジャパニーズ・ウイスキーに次ぐ数字を叩き出しています

また、ジン輸入額も増加しており、2016年には約19億円という過去最高額を記録しました。

シップスミスから知る「クラフトジン」の特徴

シップスミス最大の特徴は、銅製の超小型の蒸溜器を使用するといった、こだわりの製法です。ロンドンで、銅製の蒸溜器が稼動したのは1820年以来になります。

また、"ワンショット蒸留"という、ボタニカルの使い回しをしない蒸留も特徴です。これらの製法と、10種の厳選ボタニカルを使用することで、シップスミスのクラフトジンは完成します。

ヘンドリックスも、2つの特徴の違う蒸留器によって開発されたという、製法上の特徴があるように、これもクラフトジンの特徴の一つです。例えば、「コーヴァル蒸留所」では、世界で4人しか専門に扱える職人がいないという蒸留器"ハイブリットスチル"で上質な酒を作り上げています

2.「クラフトジン」の特徴

ヘンドリックスとシップスミスから紐解いた、クラフトジンの特徴をまとめるとこのようになります。

「クラフトジン」の特徴

使用するボタニカルや数(例)ヘンドリックスでは、バラの花びらときゅうりのエキスという個性的なボタニカルを使用。ボタニストでは計31種ものボタニカルを使用。
こだわりの製法(例)シップスミス蒸留所では、約200年ぶりにロンドンで銅製の蒸溜器を稼働。コーヴァル蒸留所では、世界で4人しか専門に扱える職人がいないハイブリットスチルを使用。

当たり前ですが、これらの特徴によりクラフトジンは、普通のジンと一線を画する仕上がりになっています。その多くが、ほぼカクテルに使われるだけの普通のジンと違い、ストレートやオン・ザ・ロックでも美味しく飲めてしまうほどです。

また、一概にはいえませんが、クラフトジンはその特徴のため高品質ながら少量生産になります。そしてそういったお酒は、規模の小さな蒸留所が、大手メーカーの大量生産されているジンと、差別化を図るために造ることが多いです。

ですので、クラフトジンは大手メーカーの銘柄ではなく、規模の小さな蒸留所の銘柄に対して呼称されていることがほとんどになります。そして当然ながら、それらのクラフトジンは普通のジンより価格が高く、普通のジンが一本大体1,000円台で買えるのに対し、クラフトジンは大体一本3,000~5,000円前後の価格帯です。

3.「クラフトジン」のオススメ銘柄

それでは最後に、この記事で登場したオススメのクラフトジンを紹介します!

ヘンドリックス

ヘンドリックス」の味わいは、ジュニパーベリーをベースにした複雑で奥深いものであり口の中で転がせば様々なフレーバーが顔を覗かせます

花系ならではの華やかでフローラルな香り柑橘系ならではの爽やかで清々しい香り、そして、きゅうりのツンとした青みのある香りが、心地よいアクセントとしてバランスよく取り込まれているのです。

口当たりはスムースであり受け入れやすく、余韻は長く、それでいてスッキリとした印象。雑味を感じさせない仕上がりは、万人受けする飲みやすさを演出しています。

ザ・ボタニスト

その土地の、伝統的な食文化や食材を見直す運動であるスローフードの考えのもと、材料や造りに徹底的にこだわられた「ザ・ボタニスト」は、一言で表せない複雑な味わいです。

口に含むとまず感じるのは上質で滑らかな口当たり。グラスに注いだ段階で華やいでいたアロマの香りは、口の中で更にインパクトを強めます。

そしてほぼ同時に続くのは、繊細なメンソールアップルミントジュニパーコリアンダーアニスに、レモンオレンジピールといった爽やかな香りや、蜂蜜ココナッツといった甘さを伴った香りです。

複雑で奥深い香りから連想できるように、味わいはやはり上品で芳醇。新鮮なシトラスを感じながら、溢れる香りと共に広がるのは、穏やかで暖かな贅沢なジンの旨味です。

最後に締めくくるのは、年代物のローモンド・スティルで長い時間をかけて蒸留したからこそ生まれる独特の余韻。そしてこれが、ザ・ボタニスト唯一無二のジンたらしめる大きな要因です。

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シップスミス ロンドンドライジン

ロンドンで造られた正真正銘の「ロンドンドライジン」。その名に相応しい同商品は、"良質なスピリッツに負けないように"と厳選した10種のボタニカルを、世界中から集めて造られています

様々なジンの中でも特出してドライな味わいであり、カクテルの王様"マティーニ"などでその真価を発揮。特に、普通のマティーニよりジンの割合が多い、ドライ・マティーニで最適と言われています。

2018には、IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)と、SFWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)で、銅賞を獲得。

クラフトジンブームのきっかけである蒸留所の代表銘柄であり、今尚その実力を評されているクラフトジンが「シップスミス ロンドンドライジン」なのです。

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コーヴァル ドライ・ジン 47%

2015年のSFWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)にて、パッキング(パッケージ)&スピリッツ部門のダブル金賞受賞

見た目も中身も称えられたクラフトジンが、この「コーヴァル ドライ・ジン 47%」です。

ベースとなるスピリッツは自社で造るというこだわりぶり。そして、そのスピリッツを含む原料全てがオーガニック仕様です。

グラスに注いだ瞬間に漂う華やかな香り、その中に含まれる鼻に抜けるジュニパーのニュアンスと、ワイルドフラワーの香りが心地良く広がります。

味わいは、ジンらしい微かな苦味を残しつつも弾けるようなシトラスの酸味と、穏やかで丸みのあるアロマがまとめる、総じて飲みやすいと言えるような仕上がりです。

凛とした女性を連想させるような一本。定番のジントニックや、レモンやライムの酸味をプラスして楽しむのもよいでしょう。

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まとめ

1999年に、クラフトジンの元祖とも呼べる存在「ヘンドリックス」の販売が開始。2008年には「シップスミス蒸留所」の誕生をきっかけに、イギリス国内で流行をみせたジン産業

多くのジン蒸留所が開設され、クラフトジンという言葉と同時に、そのブームはイギリス国内外に広まっていきました

日本では、2016年頃から本格的に流行りだしたクラフトジン。今ではウイスキーと同様に、世界各国の様々な蒸留所が、それぞれ個性豊かな銘柄を発表しているので、是非あなた好みのクラフトジンを見つけてみてくださいね!

《ワキヤ》

ワキヤ

日本酒を愛する元バンドマン。趣味は昼から飲むはしご酒。よく千住で一人酒してます。

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