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あの"百年の孤独"の原酒になった!?麦焼酎「中々」の魅力に迫る

今回は、焼酎好きなら知っている方も多いであろう「中々」をピックアップ。 様々な名酒を造っている黒木本店の代表銘柄。大人気の麦焼酎「百年の孤独」とも深い関係を持つ逸品です。 知らないなら知っておくべき、飲んだことがないなら …

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今回は、焼酎好きなら知っている方も多いであろう「中々」をピックアップ。

様々な名酒を造っている黒木本店の代表銘柄。大人気の麦焼酎「百年の孤独」とも深い関係を持つ逸品です。


知らないなら知っておくべき、飲んだことがないなら飲んでおくべき。そんな、麦焼酎においてのスタンダードとも呼べる存在「中々」を徹底解説します。

「中々」とは?

中々(なかなか)」とは、宮崎県の老舗焼酎蔵である黒木本店の麦焼酎。麦焼酎ブームの火つけ役「百年の孤独」の原酒としても知られる、同蔵の代表商品の一つです。

百年の孤独は、樫樽のなかで3年間貯蔵された焼酎。その原酒として採用された理由の一つには、中々のしっかりとしたコクや麦焼酎としての濃厚な味わいが、長期熟成にも耐えられるような仕上がりだったというところにあります。

熟成のため、製造するのに時間が掛かる百年の孤独と比べると入手しやすい中々。同銘柄はそういった要因もあり、中々の原酒を1年半眠らせることにより完成する陶眠 中々」と共に人気です。

では、どのようにして中々は造られていくのでしょうか。

原料

まず原料に関して。実は黒木本店は、農業生産法人「甦る大地の会」というものを運営しており、40ヘクタールに及ぶ畑で原料の自家栽培を行なっているのです。

この取り組みは、焼酎粕の有機肥料による有機栽培や新品種による焼酎の開発といったところにまで及びます。

これら自然循環農法と呼ばれる農業を実施することで、「これぞ宮崎の焼酎」と名乗るのにふさわしい逸品ができあがっていくのです。

黒木本店で使用するは、尾鈴山水脈より流れ出る小丸川の伏流水とされる地下水。豊かな自然が育んだこの軟水は濾過され、発酵や割水に適した理想的な水に仕上げられます。

焼酎造りにおいて重要な役割を果たす。農業で培った自然を意識した制麹は、人の手で丁寧に行われます。

酵母

黒木本店が発酵に用いているのは、自家培養した純粋酵母。芋、麦、米といった原料の違い、そして同じ原料の中でも品種の違いにより、数種類の酵母を使い分けています

厳しい衛生管理のもと、焼酎の種類に最適な温度で育成された酵母は、より焼酎を味わい深いものへと仕上げるのです。

木桶仕込み

外気温からの影響を受けにくく、酸素の供給が適度に行われる木桶仕込み。その本領が発揮されるのは二次仕込みの際です。

一次仕込みで丁寧に育てた酒母。これらが二次仕込みでは木桶に移され、そこで醪の発酵が行われます。

木桶には、乳酸菌などの目に見えない微生物が住み着いています。この微生物と培養された酵母の働きにより、独自の複雑な味わいが生み出されるのです。

蒸留

蒸留機の形状や熱の加減、蒸留時間、蒸留釜内の気圧、蒸気を止めるタイミングなど、さまざまな要素が絡んでくる蒸留老舗焼酎蔵である黒木本店だからできる高いレベルの蒸留は、本格焼酎の個性、風味を最大限引き出すのです。


このように、原料の自家栽培や酵母の自家培養など、黒木本店ならではの焼酎造りが中々を生み出しています。

「黒木本店」とは?


創業明治18年。宮崎県児湯郡に構える焼酎蔵が黒木本店です。

「恵まれた土地に恥じぬよう、ただひたむきに焼酎を造り続ける」といった考え方のもと、焼酎一筋で蔵を運営。その理念には、ただ焼酎を造るだけでなく、土地に根ざした伝統文化を守り、継承していくという意志があります。

そんな黒木本店が焼酎造りで最初に行うのは、「土地に根ざした」の言葉通り、農業です。土地を耕し、種を蒔き、栽培から収穫まで、全て同社の人達がその手で行う他、製造過程で生じる廃棄物は有機肥料として有効利用し自然に還すなど、徹底した理念のもと焼酎造りが開始されます。

農業を"同社の人達がその手で行う"と書きましたが、この人の手を介するというところは同社のこだわりの一つ。

どんなに合理化と効率化が進んでも、最後に焼酎の味を決めるのは人

故に同社は、原料の選別、麹造り、醪の仕込み、蒸留、熟成、そのすべての工程に人の手を介するのです。

また、これら農業から始まる焼酎造りは、「太陽と緑の国」と謡われる宮崎県の豊かな自然が必要不可欠になります。

全国有数の日照時間を誇る宮崎は、統計的に平均して年間50日が快晴です。

さらには、黒木本店が構える宮崎県児湯郡の高鍋町は、良質な湧き水の産地として古くから知られています。これら豊かな自然があるからこそ、徹底した焼酎造りが行えるのです。

南九州の文化遺産でもある、人の手による焼酎造り。黒木本店はこれからも、伝統の継承者として焼酎造りを続けていくでしょう。

「中々」の味わい

中々

手作りの麹九州産の二条大麦ニシノホシ」を使用。ニシノホシらしい香ばしさが感じられます。
その香味は、キャラメルのような風味と共に口いっぱいに広がると同時に、繊細な甘味をもたらします

飲んだ後に残るのは、僅かに漂う優しい余韻。それら味わいのバランスの良さは、どんな飲み方とも合います。

特にオススメの飲み方はオン・ザ・ロック。オン・ザ・ロックでは、中々を注いだことによる氷の溶けと冷却効果により、驚くほど軽い口当たり、優しくキレのある味わいを堪能できます。

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陶眠 中々

前述したように、中々の原酒を1年半眠らせることにより完成した麦焼酎が「陶眠 中々」。飲みやすい仕上がりの中々に対して、もう少し"重み"を感じたければ同商品が良いでしょう。

中々らしい香りを感じさせながら、その中には力強さがプラス。甘い風味とコク、しっかりと深いコクは重く満足感のある味わいです。

度数も中々より高い同商品は、オン・ザ・ロックよりも水割りがオススメ。水が味わいを柔らかく、氷がシャープにさせることにより、その奥深い味わいが引き立ち、余韻も長く広がってくれます

お湯割りでは、蒸気にたっぷりと溶け出したような麦の香りと、甘い麦の風味と深いコクのある味わいが楽しめますよ。

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まとめ

有名なお酒には、有名になるだけの理由が必ずあります。それを知りながら飲む一杯は、より深みが増し美味しくなるはずです。

たくさんのこだわりと人の手がかけられた中々をいただきながら、宮崎県の自然の豊かさを感じてみてくださいね!

《ワキヤ》

ワキヤ

日本酒を愛する元バンドマン。趣味は昼から飲むはしご酒。よく千住で一人酒してます。

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