ホーム > コラム > 知識・雑学 > 【マニアックな日本酒講座】酒造りに関わる蔵人たちの役割をまとめてみた
2019.5.15
日本酒

【マニアックな日本酒講座】酒造りに関わる蔵人たちの役割をまとめてみた

こんにちは!

みなさんは、日本酒がどんな人たちによって造られているのかご存知でしょうか。
日本酒造りに関わる人を「蔵人」と呼びますが、その中にも様々な役割があるのです。

今回はそんな蔵人たちの役割をまとめてみました!

日本酒を造る最高責任者「杜氏」

日本酒好きな方なら絶対に耳にしたことがある「杜氏」。
メディアに取り上げられることも多いので、蔵人の中で1番馴染みのある役職だと思います。

杜氏は、日本酒造りの工程の管理を担う、「酒造りの最高責任者」です。

酒を造る際の複雑な工程を丁寧に取りまとめ、酒の味わいを判断し、管理する杜氏は、まさに「酒造りのスペシャリスト」

●杜氏の仕事

酒造りの最高責任者」として、お酒造りの工程の管理を行うことが主な仕事です。

蔵の中の管理だけでなく、原料の扱いや、上層(酒搾り)、貯蔵、熟成までの全ての工程に意識を向け、蔵人に指示をしていきます。

江戸時代以降、役職として設けられていた「杜氏」は蔵の中の人間ではなく、蔵元から酒造りを依頼されて仕事を行う請負制の役職でした。

また、活躍するのは酒造り本番の冬場がほとんどでした。

●多様化する杜氏の形

主に酒造りが行われる冬に活躍する杜氏でしたが、現在では1年を通して酒造りの施設が存在するため「常任型杜氏」と呼ばれる通年酒造りの指導を行う杜氏も増加しています。

「常任型杜氏」は、大きな酒蔵に多いケースですね。

また、経営者である蔵元が杜氏(日本酒製造責任者)も兼ねる、「蔵元杜氏」という形も近年増えてきました。

これは、杜氏の数が減り、酒蔵の規模も縮小傾向にあるという背景が大きく関係していると言えそうです。

このように時代の流れによって「杜氏」という役職も少しずつ変わってきているのです。

例えば、酒造りに関するデータの管理を徹底し、杜氏を置かずに蔵人だけで酒造りを行う蔵や、男性の職というイメージの大きい中、女性の杜氏が誕生するなどその形が多様化してきていることがわかりますね。

蔵人への指導役「三役」

次に、杜氏の下で働く「三役」という役職についてご紹介します。

三役は、蔵人の役職の中にある3種類の役職のことです。

杜氏が「最高責任者」なら、三役は蔵人に具体的な指導を行う「チームリーダー」というイメージです。

それぞれの役について詳しくみていきましょう!

●頭(かしら)

「頭」は、蔵人を統括するサブリーダーです。

最高責任者である杜氏の指令を実際に蔵人に伝えて、取りまとめる役割を担っています。

現場監督のようなイメージを持っていただけると良いかもしれませんね!

●麹屋(こうじや)

「麹屋」は、お酒の味を決める麹造りの担い手です。

蒸した米に「種こうじ」と呼ばれる菌を付着させ、繁殖することによって麹を造り、米を糖化させます。

この工程でお酒の味わいが決まってくるので、質の良い麹を造ることが、酒質を左右する決定的なポイントとなるわけです。

そのため蔵の中には古くから「麹室(こうじむろ)」と呼ばれる麹造りを行うための部屋が設けられており、重要かつハードな工程のため多くの人員を割いています。

麹屋は、そんな麹造りを行う蔵人の指揮と、麹室の管理を担っています。

●酛屋(もとや)

糖をアルコール発酵させる酵母を育てる工程である、酒母造りを管理するのが「酛屋」です。

酒の母と書き、これを上手く造る事により酒造りの骨組みの良し悪しが決まります。

「酒母室(しゅぼしつ)」と呼ばれる酒母造りの場所でお酒のための酵母を管理し、蔵人へ指示を出すのが主な仕事の酛屋ですが、同時に、三役の中の「頭」と協力して、お酒の仕込みも行います。

このように三役は、日本酒造りの要となる工程を取りまとめる役職となっています。

まだまだある!蔵元の役職

ここまで、1番有名な「杜氏」から、実際に指示を出す「三役」をご紹介しましたが、日本酒造りの仕事には、まだまだ役職があるんです!

●釜屋(かまや)

釜屋」は、蒸米の管理を行う役職です。

洗米・米の量り・蒸しの管理など、蒸米に関する仕事に携わります。

酒造りの重要工程は「一麹、二酛、三造り」というように、三役が行う仕事を指す言葉があります。

しかし、釜屋の行う「蒸し」は、この3つの準備段階として重要な仕事であるとされており、蔵人の役職の中でも大きな存在となっているのです。

●炭屋(すみや)

「炭屋」とは、日本酒を造る際に行われる濾過に携わる役職です。

ここでは生酒の中に残る滓(おり)や雑味を取り除く作業を行っています。

「濾過」は、炭を利用する伝統的な方法として、「活性炭濾過」というものがあり、ここから「濾過」に関する役職が炭屋と呼ばれています。

最近では、無濾過の日本酒も高い評価を得ているなどの影響から、減少傾向にある役職です。

しかし、古くから少量の炭で効率よく濾過を行わなければならない炭屋は、経験と技量が必要とされる技術職だったとされています。

濾過についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

まとめ

いかがでしたか?

様々な役職が設けられ、各部門の職人たちが力を尽くしていることで私たちの元に美味しい日本酒が届きます。

蔵人たちがどんな想いで日本酒を作ったのか…そんなストーリーを知ることでより日本酒を楽しく深く味わうことができそうですね!

この記事をシェアしてね

この記事を書いた人 Writer

三寺悠仁

三寺悠仁

高知県の酔鯨酒造で2年間蔵人として勤務、現在はKURANDの商品開発に関わる日本酒のプロ。日本酒の素晴らしさを世に伝えるべく、日夜活動中。

関連キーワード

この記事を読んだ方にオススメ Recommendation