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2019.3.30
日本酒

平成生まれは知らない!?日本酒の「特撰」「上撰」「佳撰」の違いとは

本醸造や純米、吟醸や大吟醸など。やたらと、ラベルに表示されている情報が多い日本酒ですが、皆さんはそれぞれの意味を理解していますか?

今回はちょくちょく見かける「特撰」「上撰」「佳撰」という単語に注目して、これらが何を指しているのかをご説明します。今後見かけた際に、一つの指標にしてください!

「特撰」「上撰」「佳撰」とは?

一言で言うと「日本酒のランク」です。特撰>>上撰>>佳撰の順で良いとされています。

な〜んだ。簡単じゃん。美味しい日本酒が飲みたければ特撰を選べばいいんでしょ?」っと思った方。ちょっと待ってください!
実はこのランク付け、明確な基準がないのです。極端に言うと、同じ特撰でも銘柄が違えば、味もタイプもクオリティーも、全然違うという可能性すらあります!

じゃあ全く参考にならないの?」っというと、そういうわけでもありません。このランク付けを説明する為に、少し昔に遡りますね、、、

今は廃止された「級別制度」

1943年。日本酒に階級を設け、上級のものにより高い酒税を課す制度が施行されました。これが日本酒の「級別制度」です。

この階級を定めるのは、専門家を中心に構成された酒類審議会。彼らが日本酒の官能審査を行い、アルコール度数や酒質から品質の良し悪しを判断し、高いものから順に、特級、一級、二級と割り当てていったのです。

しかしこの制度。日本酒審査に関する疑問の声が、次第に上がっていきました。

級別、課税というシステムが、酒の品質の良し悪しと対応していないのでは?

強まっていく疑問の声に対応するかのように、酒類審議会への審査を通さず、大吟醸酒などの酒質の高いものを、二級酒として流通させるメーカーが増加。級別制度はその存在意義をなくしていき、1992年に廃止されました。

これ以降日本酒の酒税は、二級より高く、一級より若干安い程度、に統一されることになったのです。

当然「級別制度」廃止に戸惑う声も、、、

疑問の声があったとはいえ、日本酒のランク、その目安になっていた級別制度が廃止されると、当然それに戸惑う消費者もいました。
そこで、彼らの為に、各蔵元が独自に、特級、一級、二級、という呼称に対応させた、特撰、上撰、佳撰、という名称を付けるようになったのです。

つまりは、特撰、上撰、佳撰、とは、級別制度の名残であり、蔵元自ら選ぶ、自蔵の日本酒のランク付け、ということになります。
明確な基準はありませんが、造り手が付けるランクなら無視はできません。あなたが好きな銘柄、好きな蔵の、特撰、上撰、佳撰、の表記は、充分日本酒選びの基準になるでしょう。

また、級別制度が廃止された後も、官能審査に通し日本酒を判別し、特撰、上撰、佳撰、の名称を記載し販売する酒造メーカーも多数存在しました。
どちらにせよ、消費者の為に蔵が実施したランク付け、ということには変わりありません。

まとめ

まとめると、特撰・上撰・佳撰、とは各蔵が実施した日本酒のランク付け。特撰>>上撰>>佳撰の順に良いとされていますが、統一された基準がないので、蔵同士で比べると、同じランクでも品質に違いが出てきます。

ただ共通して言えることは、この名称は消費者の為に始まった、ということ。各蔵の商品の選考基準として、参考にする価値は充分にあるのではないでしょうか?

日本酒は、製法の違いにより実に細かく分類されていますが、インターネットが普及した現代では、消費者一人一人がそれらの分類を理解し、自分好みの日本酒を見つける際の、基準にすることも多いと思います。

例えば「無濾過生原酒が好き。」とか「本醸造酒が好き。」とか。製法の違いによる分類なので、違う銘柄同士でも、名称が同じなら味わいも必ず近しいものがあります。

基本的には、こういった明確な分類を参考に、日本酒選びをするのがオススメですが、時には日本酒のプロ、蔵元さんに身を任せ、そのランク付けを参考に選んでみるのも良いのではないでしょうか?

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この記事を書いた人 Writer

三寺悠仁

三寺悠仁

高知県の酔鯨酒造で2年間蔵人として勤務、現在はKURANDの商品開発に関わる日本酒のプロ。日本酒の素晴らしさを世に伝えるべく、日夜活動中。

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