イタリアで生まれたリキュール「ガリアーノ」。知名度は比較的高いので、名前を聞いたことがある方は多いかもしれませんね。
しかし、いったいどのように生まれ、広まっていったのか、その実態は意外と知られていません。
今回はそんな「ガリアーノ」の基礎知識やおいしい飲み方までご紹介!これを読めばガリアーノを最大限楽しめるはずです。
イタリアの香草リキュール「ガリアーノ」
知名度のわりに、意外とその実態を知られていないガリアーノ。
ここではガリアーノに関する基礎知識をご紹介します!
⚫︎ガリアーノとは
ガリアーノとはアニス、ラベンダー、ペパーミント、バニラなど、30種類以上のハーブやスパイスを配合して作られているイタリア産の香草リキュールです。
作り方は完全には公開されていませんが、ベースとなるスピリッツに上記のようなハーブやスパイスを浸漬するのだそう。
アルコール度数は40度以上と高めです。
さらっとした甘みとアニスがほんのりと香る味わい、高アルコールが特徴のガリアーノはカクテルベースとして使われていることが多く、そのまま飲むことは実はあまりありません。
また、バニラ風味のリキュールというイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、レシピの変更が行われたそうで、今はあまり感じないようになりました。
⚫︎ガリアーノの誕生
ガリアーノが誕生したのは1896年。
リキュールの輸入業を行う傍ら、自ら蒸留会社を経営していたアルトゥーロ・ヴァッカリが生み出したものです。
30種類のハーブとスパイスを使用しているガリアーノは“健康に良い”とされ、当時のイタリア国王やローマ法王レオ13世への献上品としても重宝され、イタリア国内での評判を高めていきます。
また、当時はゴールドラッシュ真っ只中。
アメリカ中西部には、多くのイタリア移民が流れ込んでいました。
過酷な労働が続く中、イタリア移民の健康を支える強壮酒とされていたのもこの「ガリアーノ」でした。
ガリアーノの美しい金色に輝く色合いは、アメリカのゴールドラッシュを賞賛して作られたのではないか?という説もあるんだとか。
ちなみに「ガリアーノ」という名前は、イタリア・エチオピア戦争などで活躍したマッジョーレ・ガリアーノ将軍が由来となっています。
⚫︎バーテンダーを困らせる?大きすぎるビン
ガリアーノといえば、ボトルデザインも独特。
なんと高さは約50cm…
500mlペットボトルの2倍近い高さです。
なぜこんなに収納しにくいデザインなのか。
これはイタリア・ローマ建築における柱(column)をモチーフとしたデザインであるからです。
“味わいという建築を長きに渡りしっかりと支える”、という信念が込められているんだそうです。
この話を聞いてしまうと収納しにくいなんて言えなくなってしまいますね(笑)
独特なボトルデザインも「ガリアーノ」の魅力のひとつなんです。
●本場イタリアでの飲まれ方
先ほど、“そのまま飲むことはあまりない”とお話ししましたが、実はガリアーノの本場、イタリア・ミラノではストレートやオンザロックで楽しまれています。
イタリアではアニスやバニラを使用しているからか、お菓子の材料として使われているのです。
その影響もあってなのか、お菓子屋さんに併設されているカフェでは、ガリアーノとスイーツと一緒に合わせていただくことも多いんだとか!
甘いリキュールなので、スイートワインのような感覚で飲まれているそうですよ。
また、薬草が30種以上入っていて、消化を助けるという意味で食後酒として楽しまれている文化もあるそう。
日本にいるとあまり馴染みのない味わい方ですが、イタリアのスイーツと共にガリアーノを飲んでみては?
ガリアーノの魅力
もちろん、イタリアのようにストレートで飲んだり、ソーダで割ってシンプルにも楽しめますが、ガリアーノの魅力が発揮されるのは“本格的なカクテルを作るとき”だと言われています。
というのもガリアーノは、いろいろな材料と違和感なく馴染み、さらにその香り高い風味はカクテルに「奥深さ」をプラスしてくれるからです。
ガリアーノの代表格として知られる「ゴールデン・キャデラック」は1951年、「ハーヴェイ・ウォールバンガー」は1952年にアメリカのカリフォルニア州で生まれました。
70年近くも前に生まれたカクテルですが、その人気は健在。
発祥の地・カリフォルニアがあるアメリカ西海岸を中心に、現在も高い人気を誇るガリアーノは、カクテルとは切っても切れない関係があるのです。
ガリアーノを使ったカクテルレシピをご紹介
カクテルを制する者がガリアーノを制す…と言っても過言ではありません(笑)
最後に自宅でも作れるカクテルレシピをご紹介します!
●ハーヴェイ・ウォールバンガー
【材料】
・ガリアーノ 30ml
・ウォッカ 10ml
・オレンジジュース 80ml
【作り方】
①氷を入れたグラスにウォッカ、オレンジジュースを注ぎ、軽く混ぜる
②ガリアーノをフロートさせ、完成♪
ガリアーノの定番カクテルです。
ガリアーノを手に入れたらまずはこちらを作っていただきたい…。
オレンジジュースの程よい酸味や苦味と、ガリアーノ特有のハーブ香と甘みが相性バッチリです!!
⚫︎ゴールデン・キャデラック
【材料】
・クレーム・ド・カカオ ホワイト 20ml
・ガリアーノ 20ml
・生クリーム 20ml
【作り方】
①全ての材料をシェイクする
②カクテルグラスに入れて完成♪
まろやかな味わいが特徴的なゴールデン・キャデラック。
濃いめ・甘口カクテルなのでスイーツ女子、スイーツ男子男子の心を鷲掴みするのでは…!?
食後のデザートにオススメです!!
⚫︎ゴールデン・ドリーム
【材料】
・コアントロー 15ml
・ガリアーノ 15ml
・生クリーム 15ml
・オレンジジュース 15ml
【作り方】
①全ての材料をシェイクする
②カクテルグラスに入れて完成♪
こちらもゴールデン・ギャラック同様、クリーム系の甘いカクテル。
しかし、コアントローとオレンジジュースが加わることで少しさっぱりと飲みやすくなります。
ガリアーノのクリーム系カクテルといえばゴールデン・ギャラックの方が有名かと思いますが、ゴールデンドリームの方が好み!!なんて方が意外とたくさんいらっしゃいます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
そのままではなく、カクテルにすることでさらにおいしさがアップする「ガリアーノ」をご紹介しました。
外飲みはもちろん、たまにはお家でまったりと味わうカクテルもオススメです。