アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジ、コカ・コーラボトラーズジャパン、サントリー食品インターナショナルの清涼飲料5社は、昨年11月に「社会課題対応研究会」を正式に発足させ、物流効率化に向けた取り組みを本格化させています。
物流2024年問題を背景とした厳しい物流環境の中、各社は共通課題として議論を重ね、先行して改善に取り組んできました。その結果、2024年3月から2025年2月までの1年間で、トラックドライバーの待機時間(主に1時間以上の件数)を5社計で平均約40%削減し、荷役作業発生件数も平均約30%削減するという大きな成果を上げています。
各社は物流の効率化およびGHG排出量削減に向けて、同業他社や異業種企業との共同配送や往復輸送などの取り組みを強化しています。具体的には、2024年7月から伊藤園と日清食品、サントリーグループとダイキン工業による往復輸送を開始。8月にはコカ・コーラボトラーズジャパンと伊藤園の共同配送、10月にはコカ・コーラボトラーズジャパンと湖池屋の共同輸送を実施しています。
11月以降も、アサヒ飲料と伊藤園、サントリーグループとサッポログループ、伊藤園と全農グループによる往復輸送を開始し、2025年2月にはキリンビバレッジと花王の共同配送もスタートしています。
・2024年7月~伊藤園×日清食品:往復輸送
・2024年7月~サントリーグループ×ダイキン工業:往復輸送
・2024年8月~コカ・コーラ ボトラーズジャパン×伊藤園:共同配送
・2024年10月~コカ・コーラ ボトラーズジャパン×湖池屋:共同輸送
・2024年11月~アサヒ飲料×伊藤園:往復輸送
・2024年11月~サントリーグループ×サッポログループ:往復輸送
・2024年11月~伊藤園×全農グループ:往復輸送
・2025年2月~キリンビバレッジ×花王:共同配送
研究会では、省庁や異業種の物流研究会との情報交換や協議の場を設けるなど、個社単位では解決が難しい社会課題を各方面と協働することで改善につなげる活動を続けています。今後も待機時間や荷役作業時間以外の物流課題の共通認識や対応の検討を行うほか、飲料容器を中心とした資材観点で社会課題の改善につながる領域の探索など、広く社会課題に対応していくための議論・研究を行っていく予定です。
5社は今後も消費者のニーズに応え、環境への配慮を怠らず社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現に向けた事業活動を継続していくとしています。