世界で最もオーダーが多いカクテルと言われている「キューバリブレ」。バーなどで頼んだ事がある人も多いのではないでしょうか?
今回はそんな人気のカクテル「キューバリブレ」の歴史や作り方、キューバリブレを作る際におすすめのラム酒を紹介しています。「ラムコーク」と「ウィッチドクター」の作り方も紹介しているので、少し気分を変えたい時に作ってみてはいかがでしょう。
キューバリブレとは?
「キューバリブレ」は、ラム酒の持つカラメルのような甘さとほろ苦さに、コーラとライムの爽やかさの加わった、甘めでボリュームのあるカクテルです。
別名「キューバリバー」「クバリブレ」とも呼ばれます。カクテル言葉は「貪欲にいこう」。
世界で最も注文の多いカクテルの1つで、世界中で毎秒約70杯飲まれているとも言われています。
キューバリブレの発祥・名前の由来
キューバリブレは、1898年にキューバ独立戦争後にアメリカ兵が持ち込んだコカ・コーラとキューバ産のラム酒、ライムを組み合わせたものが始まりと言われています。
名前の由来は、アメリカ大佐の乾杯の音頭「ポル・キューバ・リブレ(自由なキューバのために)」から取られていると考えられています。
つまり、キューバリブレはキューバの独立を祝ったカクテルというわけですね
また、当時使用されたラム酒は「バルカティ」、コーラは「コカ・コーラ」であると言われていて、その材料を使ったキューバリブレは「バカルディ・コーク」とも呼ばれています。
バカルディ・ラムは現在でもプエルトリコとメキシコで作られていますが、1862年当初にブレンドされた時の味を保つように作られているため、当時のキューバリブレを再現することが可能ではないでしょうか。
キューバリブレに使用されている4大スピリッツの1つ「ラム」とは?
ラム酒は「ジン」「ウォッカ」「テキーラ」と並ぶ、世界4大スピリッツ(蒸留酒)と言われ、世界中で愛されています。
サトウキビを原料として作られる蒸留酒で、サトウキビの絞り汁を砂糖に精製する際にできるモラセスという液体を使用して作られます。
ラム酒の発祥は17世紀のカリブ海の島で、海賊たちが好んで飲んでいたことで有名です。映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』でもラム酒が出てくるので、イメージがつきやすいですね!
ラムの味わいについて
種類や製法によってテイストの差はありますが、ラム酒はカラメルを焦がしたようなほろ苦くて甘い味わいで、アルコール度数は平均40度~50度と比較的高いです。
日本には黒糖を使用した「黒糖焼酎」があるので、日本人にとってラム酒は飲みやすく馴染みやすいアルコールだと言えるでしょう。
製造法の違いから「ホワイトラム」「ゴールドラム」「ダークラム」に分かれています。
ホワイトラム
ホワイトラムは活性炭で濾過された無色透明のラム酒で、サトウキビや糖蜜本来の味が味わうことができます。癖が少ないため、カクテルによく使われています。
ゴールドラム
樽で熟成して作られるゴールドラム。カラメルのような甘さと香りのバランスが良く、お菓子作りの香り付けに使われることが多いラム酒は、このゴールドラムです。
ダークラム
蒸留した原酒を内面を焦がした樽で3年以上貯蔵されて造られます。樽からの独特の香味成分が出て濃い褐色をしていて、ホワイトラムとゴールドラムと比べて、風味が強いのが特徴です。
キューバリブレ誕生秘話
キューバリブレは1900年にキューバのハバナで誕生したと言われています。
1898年に終戦を迎えたキューバ独立戦争では、多くのアメリカ人がキューバに渡っていました。
当時のキューバでは、キューバに渡っていたアメリカ人の持ち込んだ「コカ・コーラ」がキューバで人気の飲料になったそうです。
ある日、ハバナのアメリカンバーでキューバの勝利を祝っていた米国通信隊の大尉が、注文したキューバのバカルディ・ラムにコカ・コーラとフラッシュライムを一絞り入れました。
そのカクテルは偶然の産物だったのですが、「爽やかで美味しい!」と話題になり、すぐに人気のカクテルになったようです。
その大尉が「ポル・クーバ・リブレ!(自由なキューバのために)」と乾杯の音頭を叫んだことから、そのカクテルはキューバリブレと名付けられたと言われています。
この言葉はキューバの革命家や米国兵士が戦争中に頻繁に叫んだ言葉で、この名前は人々の心を捉えて定着したと考えられています。
国によって名前が違うカクテル
キューバリブレという言葉は日本で呼ばれている名前で、「キューバ」は英語、「リブレ」はスペイン語です。スペイン語だと「クバ・リブレ」英語だと「キューバ・リバー」と呼びます。
独立戦争の時にキューバを後押ししたのはアメリカです。キューバのラム、アメリカのコーラで作られたキューバリブレは2国のつながりを表していると言えます。
キューバリブレの基本のレシピ
キューバリブレは材料を揃えれば、簡単に作ることができます。
作られた当初のレシピに寄せたい場合は、コーラは瓶入りの「コカ・コーラ」、ラム酒は「バカルディ」のもので作ってみましょう。さらにグラスとラム酒は冷凍し、コーラはしっかり冷やしておくと、より美味しく仕上がりますよ。
ラム酒を始め、アルコール度数が高い蒸留酒は冷凍庫に入れても凍ることはありません。ストレートで飲むと、少しトロッとしたような感覚を楽しむことができます。
材料
ラム酒・・・45ml
ライム ・・・1/2個
ライムスライス・・・1枚
コーラ・・・90ml程度
氷・・・適量
作り方
1:グラスにたっぷりの氷を入れます。
2:ライムを絞り、そのままグラスに落とします。
3:ラム酒をグラスに注ぎ、その上にコーラを注ぎます。
4:ゆっくりかき混ぜて、ライムスライスを飾れば完成です
ラムコークとの違いは?
「ラムコーク」はラムをコーラで割ったもので、キューバリブレと良く似ています。しかし、ラムコークの場合はライムを絞るのは好み次第。
キューバリブレと比較すると、ラムコークの方が自由度が高いと言えます。また、ラムコークに使われるラム酒は、「ホワイトラム」だけでなく、「ダークラム」でも作れます。
ラムコークの作り方
「コーク」は「コカ・コーラ」の愛称なので、ここで使用するコーラはコカ・コーラに限定します。
材料
ラム酒・・・45ml
コカ・コーラ・・・適量
作り方
1:氷を入れたグラスにホワイトラムを入れます
2:グラスを満たす程度のコーラを注ぎます。
3:軽くかき混ぜたら完成です。
あまり知られていない類似レシピ
キューバリブレはコーラを使用して作るカクテルですが、よく似たレシピでコーラの代わりに「ドクターペッパー」を使ったカクテル「ウィッチドクター」というものがあります。
ウィッチドクターの作り方
材料
ラム酒・・50ml
ドクターペッパー・・・100ml
くし形に切ったライム・・・1個
作り方
1:グラスを氷で満たします
2:グラスにダークラムを注ぎ、その上にドクターペッパーを注ぎます
3:ライムを添えれば完成です
ラムとコーラで作る古典的なキューバリブレよりもドクターペッパーの独特な風味が効いていて、気分を変えるのにも良いでしょう。
キューバリブレにおすすめのラム
ここでは、キューバリブレと相性の良いラム酒を紹介します。
ベースにはホワイトラムを使用することが多いですが、そのほかにも相性の良いラム酒を選んだので、ぜひ作ってみてくださいね。
バカルディ ゴールド
バカルディのラム酒で、キューバリブレ誕生当初に使われたラム酒はこのバカルディ・ゴールドだと言われています。
原産国はプエルトリコ。
アルコール濃度は40度。
オーク樽で3年程度じっくりと熟成した原酒をブレンドしたゴールドラムは、熟成によるリッチで厚みがあるテイストが特徴です。
このバカルディ・ゴールドは通常のダークラムの近いコクと香りを持ち、スムースな後味があるラム酒です。
キューバリブレ発祥当初の味を楽しむことができるかもしれません。
ディプロマティコ・リゼルヴァ・エクスクルーシヴァ・ラム
スムースな口当たりとコクのある甘味が特徴で、華やかさがあり、重すぎず洗練された味わいのラム酒です。
ベネズエラ産プレミアムラムで、アルコール濃度は40度。
原料は糖蜜とサトウキビジュースを煮詰めたシュガーケインハニーを使用しています。
オレンジピール、メープルシロップ、リコリス、トフィーファッジが広がる芳醇で複雑な味わいがあり、深い金色がかったブラウンの色調です。
リッチなバニラの風味と焦がしたキャラメルのバランスが良く、そのまま飲んでも美味しいです。
パイレートラム XOリザーブ
パイレートの「パトロン」が手がけるプレミアムラム酒で、琥珀色で豊かな風味と香り
のある、上品で滑らかな味わいのラム酒です。
原産国はガイアナで、アルコール度数は40度。
最初はフランスのリムーザン産オーク樽で熟成させ、甘い香りをもたらすように内面を焦がしたアメリカンオーク樽で再熟成しています。
極めて柔らかく、まろやかな口当たりで飲みやすいのが特徴です。
まとめ
キューバリブレは世界で最も注文の多いカクテルの1つですが、その誕生にはキューバとアメリカの歴史が深く関わっていました。そんな2国間の歴史を知ってから飲むと、さらにキューバリブレを楽しむことができるのではないでしょうか?
キューバリブレを注文する際、一緒に飲む方に歴史を話してみると、喜んでもらえるかもしれませんね!