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【ソムリエコラム】意外に知らないワイン用語「キュヴェ(Cuvée)」ってどういう意味?

ワインやシャンパンのラベルには「キュヴェ(Cuvée)」という言葉が書かれているものがあります。 ワインをよく購入される方なら、一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。 「キュヴェ(Cuvée)」という言葉がワイン …

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ワインやシャンパンのラベルには「キュヴェ(Cuvée)」という言葉が書かれているものがあります。
ワインをよく購入される方なら、一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。

「キュヴェ(Cuvée)」という言葉がワインの銘柄の一部になっていることもよくありますね。
では、この言葉には、一体どのような意味があるのでしょうか。

キュヴェってどういう意味??


「キュヴェ(Cuvée)」という言葉は、もともとワインの醸造で使われる「発酵槽(キューヴ)」という言葉から派生したと言われています。

キュヴェの意味は、ワインとシャンパンで少し変わってきます。以下、それぞれの意味を見ていきましょう。

どんなワインがキュヴェにあたるの?

「キュヴェ」という言葉がワインで使われる場合は、もともとは発酵槽の中にあるワインを指していましたが、現在では幅広い意味合いで使われます。

具体的には、生産者が特定の区画で栽培したブドウから造ったワインであったり、他のワインとは違う特定の発酵槽で醸造したワインであったり、独自に選別して樽詰めや瓶詰めを行ったワインなどを表しています。

基本的には良い意味で使われる!

このように、ワインの「キュヴェ」という言葉には、「このようなときに使わなければならない」「このような場合にしか使えない」といった細かい決まり事はなく、生産者の判断により様々な意味合いで使用することができるのです。

それでも、生産者が自分で造るワインの中でも特別な想いを抱いているワインにキュヴェを使うなど、おおむね良い意味合いで使われているケースが多いようですね。

シャンパンにおけるキュヴェ


ワインのキュヴェは特に明確な決まりはなく、生産者の判断によって使用されていることがわかりました。

次にシャンパンにおけるキュヴェの意味について解説していきます。

どんなシャンパンがキュヴェにあたるの?

シャンパンにおける「キュヴェ」には、2つの意味があります。

1つ目は、アッサンブラージュが行われている、ということ。
アッサンブラージュという言葉は、あまり聞き馴染みがないかもしれませんね。

シャンパン(正式にはシャンパーニュ)を造る際に使用できるブドウ品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種類と定められています。そのため、シャンパンを造るときは、これらの中の1種類で造るか、複数種類をブレンドして造ることになります。このブレンドすることをアッサンブラージュと呼ぶのです。

そのため、「キュヴェ」という言葉があると、単一品種ではなく複数のブドウ品種をブレンドしたシャンパンということになります。

プレステージ・キュヴェ

シャンパンの中には、「プレステージ・キュヴェ」と呼ばれるものがあります。「プレステージ」という言葉には、「威信」という意味があります。
「プレステージ・キュヴェ」とはその名が示すように、生産者が威信をかけて生み出した、一番搾りの果汁を使用したシャンパンのこと。

シャンパンを造るときはワインと同様、まずはブドウの果粒をプレスして果汁を絞ります。このとき最初に出てくる果汁、つまり一番搾りの果汁を使用して造られたシャンパンも「キュヴェ」というわけですね。

「プレステージ・キュヴェ」は超高級シャンパンとして知られています。確かにこの言葉を冠しているシャンパンは、クリュッグ・グラン・キュヴェ、ラ・グラン・ダネといった名門中の名門、高級な銘柄ばかり。ワイン愛好家なら一度は味わってみたいですね。

まとめ


このように、「キュヴェ」という言葉は実に様々な意味で使用されているため、とらえどころが無いように感じられるかもしれません。
しかし、生産者の特別な想いが込められているものが多いというのには間違いなさそうです。

記念日や誕生日などの特別な日には、「キュヴェ」という文字の書かれたワインやシャンパンで乾杯してみるのもいいかもしれないですね!

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《石関華子》

石関華子

埼玉県出身、高知県在住。一児の母。 ㈱三越(現:㈱三越伊勢丹)日本橋本店の洋酒担当を経て、2016年、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの資格を取得。 現在は高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけている。 2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。

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