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純米大吟醸のスペシャリスト!日本酒『楯野川』の美味しさを徹底解説

"純米大吟醸酒"しか作らない酒蔵・楯の川酒造。 ただひたむきに良い酒を造り、品質だけで勝負していく。そんな思いを込めて、楯の川酒造は平成22酒造年度から、全量純米大吟醸の製造に切り替えました。 つまり「楯野川」は、全てが …

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"純米大吟醸酒"しか作らない酒蔵・楯の川酒造。
ただひたむきに良い酒を造り、品質だけで勝負していく。そんな思いを込めて、楯の川酒造は平成22酒造年度から、全量純米大吟醸の製造に切り替えました。

つまり「楯野川」は、全てが「特定名称酒」の中でも最上級と言われる、純米大吟醸酒にあたります。
純米大吟醸製造への集中、そして「香りと旨みがあり、綺麗な日本酒」を造るという明確なビジョン。一筋通った楯の川酒造のお酒には、こだわり抜かれたたおいしさがあるんです。

今回は楯の川酒造の「楯野川」について、魅力をご紹介します。

盾の川酒造について


楯の川酒造は、山形県酒田市に位置する、天保3年(1832年)創業の180年以上の老舗酒蔵。

蔵の位置する山形県は名水の宝庫で、鳥海、朝日、月山など山系ごとに水質が異なり、できあがるお酒もそれぞれの個性がいきています。吟醸酒の出荷割合が高いのも、山形の特徴です。

楯の川酒造が置かれるのは、日本海側の庄内地方。有名な穀倉地帯であることはもちろんですが、冬でも氷点下になることが少なく、もろみの管理に適した環境だと言われています

さぞ昔から人気のあったお酒なのかと思いきや、実はこれといった特徴がなかった「楯野川」。
そんな楯野川に、100年後、200年後でも通じる強いコンセプトを打ち立てたのが、六代目蔵元の佐藤氏だったんです。

「日本酒の複雑なカテゴリ分けを除くことで、飲む人に分かりやすくなる」「良いものを飲みたいという人の欲求を満たすことができる」
様々なことを視野にいれ、たどりついたのが「全量純米大吟醸」でした。

精米歩合、酒米の品種、火入れの有無、加水の有無などで変化をつけ、純米大吟醸だけでも様々な違いや季節感を楽しめるラインナップにし、気軽に飲めるよう手頃な主力商品と、高価格帯の商品を揃えていこう。

現在の方針を打ち出し、ぼやけていた「楯野川」の輪郭がはっきりとしたのは、六代目の尽力が大きかったのですね。

楯野川ってどんなお酒?おいしさの秘訣は?


楯野川に共通する味わいの特徴は、香りと旨みがあり、綺麗な日本酒」だということ。
ブランドに一貫するおいしさは、どのように実現されているのでしょうか。

地元の「出羽燦々」と「美山錦」を使用

日本酒製造量の8割以上で、山形県産の「出羽燦々」「美山錦」を使用しています。山形県産の酒米を使うことで、山形の風景が思い浮かぶような地酒を作りたいという思いがあるそう。どちらの品種も比較的寒さに強いため、東北地方での栽培に適したお米です。盾野川の味は、米による地域性が表れているのかもしれませんね。

庄内平野の水質の恩恵

約80%が水で構成されている日本酒にとって、水質が味わいに与える影響は多大なものがあります。山に囲まれた庄内地方では、地表に降った雨や雪が、地中のフィルターをとおして濾過されます。上質で綺麗な伏流水で作られた「楯野川」は、庄内平野の自然の恩恵を受けているお酒なのです。

使用する酵母を限定

酵母は、お酒の香りに大きく影響する重要な要素。楯野川は山形県らしさを追求するため、基本、「山形酵母KA」単体または「協会酵母1801号」との組み合わせのみを使用しているのだそうです。「山形酵母KA」は、山形県の酒の品質向上を目指し、山形県工業技術センターが9号系酵母から採取した酵母。まさに楯野川の香りは、山形発の香りとも言えるでしょう。

スタッフ教育によるビジョンの共有

良い素材を使うことも重要ですが、造り手である「人」がよくないと、いいお酒は造れません。楯の川酒造では、社の哲学や社風をフィロソフィーとよび、この醸成に力を入れています。毎日朝礼の時間に、経営理念やミッションなど、フィロソフィーを明記したカードを、スタッフ全員で唱和しているそうです。ブランドに一貫したおいしさは、造り手一人一人に、ビジョンが浸透しているからなんですね。

オススメの銘柄をご紹介

純米大吟醸だけでも豊富なラインナップの楯野川。その中でもおすすめの銘柄をいくつかご紹介します。

楯野川 純米大吟醸 主流

楯野川の「主流」といえるこちらのお酒。これぞ吟醸といえる奇麗な味わいと華やかな香りが特徴です。香りの華やかさだけでなく、米の旨みも感じられる、バランスのよい吟醸酒といえるでしょう。

香気性の高い酵母を使し、米は山田錦を使うことで、この味わいが実現されています。初めて「楯野川」を飲む方にもオススメです。

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楯野川 純米大吟醸 出羽燦々 中取り

山形県オリジナルの酒造好適「出羽燦々」を使用し。さらに、醪を搾って出てくるお酒の中で、もっとも香味のバランスがよい「中取り」を使っています。

“やわらかく幅がある”酒質を目指し開発されたお米だという、出羽燦々のおかげでしょうか。丸味やまろやかさが感じられるお酒です。リンゴや洋梨、サクランボといった果実が控え目に香り、ほのかな甘味と、調和のとれた酸味が特徴です。

楯野川 純米大吟醸 本流辛口

お食事にはこれがおすすめ。米の旨味とキレの良い後味が特徴の、辛口のお酒。
出羽燦々を使用し、日本酒度+8の辛口になるまで長期完全醗酵させています。ただ辛いだけでなく、やさしい旨味や穏やかな香りも感じられる、バランスのよい一本です。

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Nature-H ~Barrel~

次は一風変わった楯野川です。「自然の素材や自然環境の・時間の形成する美しさ」と、「伝統の手づくりの美しさ」の融合を目指したNature-H(ナチュルフ)シリーズ。
この「Nature-H Barrel」は、楯の川酒造が創業した当時の酒質を再現しています。当時と同様に、仕込みの際に使用する水の割合を減らし、お酒を濃醇に仕上げました。さらに「杉樽」に貯蔵することで、「杉」の爽やかで心地よい香りが感じられる一品になっています。

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純米大吟醸 たてにゃん vol.5

「楯野川」と入っていませんが、こちらも楯の川酒造の純米大吟醸酒。酒造のオリジナルキャラクター「たてにゃん」がプリントされたボトルは、女性への贈り物にもぴったり。
もちろん見た目だけでなく、純米大吟醸ならではのフルーティで綺麗な香りや、優しい甘味と酸味を感じられる、本格的な一本です。
ちなみに味わいは「たてにゃん」をイメージしているとのこと。”飲んじゃいたいくらい可愛い”たてにゃん、ぜひ味わってみては。

まとめ

純米大吟醸の生産のみにしぼることで、強いコンセプトを打ち出した楯野川。
とはいえ、インパクトのあるコンセプトだけでは成功しなかったことでしょう。

高品質な純米大吟醸を造り、しかもその中での差別化がはかれなければ、今の地位は築けなかったはずです。
楯野川の味わいは、まさに酒造のプロ意識から造り出された味わいなんですね!

現在では、インターネットでも手軽に購入できるので、その味わいをぜひとも楽しんでみてください♪

《なっさん》

なっさん

元公務員の駆け出しライター。飲むとベラベラ喋るらしいが、本人は覚えていない。飲み会よりも一人で立ち飲みに行くのが好き。

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