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若き8代目が醸す!”福岡”が産んだ新たなブランド「田中六五」の魅力

田中六五(たなかろくじゅうご)という日本酒をご存知でしょうか。

田中六五は、福岡県糸島市・白糸酒造のお酒。九州というと焼酎のイメージが強いかもしれませんが、実はここ糸島市は、知る人ぞ知る山田錦の産地です。

地元の米を使い、昔ながらのハネ木搾りという方法で田中六五を醸すのは、白糸酒造の若き8代目。九州はきっと全国有数の酒どころになれると、熱い思いを持って酒造りに取り組んでいます。

今回はそんな田中六五についてご紹介します!

田中六五ってどんなお酒?

出典:白糸酒造フェイスブック

若き蔵元が造った新ブランド

白糸酒造は従来から「白糸」などの銘柄で酒造りを行ってきた蔵元。一方の「田中六五」は、8代目の田中克典氏が蔵に戻ってきた後に立ち上げた、新しいブランドです。

田中氏は、2007年に東京農業大学醸造科学科を卒業。酒類総合研究所を経て、「東一」を誇る佐賀県の五町田酒造で酒造りを学び、2009年夏に蔵へ戻りました。

五町田酒造の勝木氏のもと、1年の修行を経験しましたが、実際やろうとすると分からないことばかり。勝木氏とほぼ毎日電話をして、指導を受けながら酒造りを進めたそうです。

そんな田中氏が、好きだった東一の純米生酒に負けないお酒を造りたいとの想いで、ついに立ち上げたブランドが「田中六五」でした。

名前の由来は?

銘柄の「田中六五」という名前には、蔵元の苗字が田中なことだけでなく、山田錦の“田”んぼの“中”から生まれたお酒という意味があります。六五というのは、精米歩合が65%ということ。田中六五は、65%精米の純米酒のみで、しかも生と火入れの2種類だけしかありません。まさに名が体を表しているお酒ですね。

地元の原料へのこだわり

白糸酒造が醸すお酒の原料には、全量福岡県産の山田錦と夢一献が使用されています(田中六五の原料は山田錦)。将来的には全て糸島産の山田錦でできれば、と考えているそうです。

また、仕込み水には、福岡県・佐賀県境の背振山(せふりさん)にある、白糸の滝からの中硬水の伏流水を使用しています。中硬水には、ミネラルが適度に含まれるのが特徴です。

地元の米と水で作られたお酒は、まさに九州・福岡に根差した味といえるでしょう。

ハネ木搾りでやさしくしぼった酒

白糸酒造では、ハネ木搾りという方法で、やさしくお酒を絞っています。

昔ながらの搾り方で、今では全量ハネ木搾りでお酒を作っている蔵はわずかです。その方法はというと、酒袋につめたもろみを、槽(ふね)という大きな枠の中に敷き並べます。その上から蓋をし、天井から吊るした巨大な木(ハネ木)の重みとテコの原理で、少しずつ重石を乗せていきながら搾っていくというものです。

実際の写真を見てみるとわかると思いますが、かなり大がかりで原始的な仕組みの設備です。自働の圧搾機を使う蔵が多い中、あえて手間や時間のかかる方法で搾るところに、酒造のこだわりを感じますね。

白糸酒造ってどんなところ?

出典:白糸酒造フェイスブック

白糸酒造の歴史

福岡県の山田錦の産地、白糸氏に位置する白糸酒造は、安政2年(1855年)の創業。現在7代続く酒蔵です。地元の山田錦を使った酒造りを行っています。

酒造好適米である山田錦が誕生した当時、全国各地の県で試験栽培が行われました。糸島でも試験栽培が行われた結果、品質の良い米が収穫できた事から、この地で山田錦の栽培が行われるようになったそうです。

醤油業を営んでいた初代の勘三郎氏は、地の利を活かし酒造業に参入しようとしますが、病で倒れ断念。続く喜蔵氏が再度、酒造りを始めることになります。創業150周年として立ち上げられた銘柄「喜蔵」は、この蔵元の名前に由来します。

このような経緯を持つ蔵で、8代目となる田中克典氏が新たに生み出したのが「田中六五」。まだまだ新しい銘柄ではありますが、このお酒が白糸酒造や、福岡の日本酒界の将来を担うお酒であることは、間違いないでしょう。

伝統と最新の技術の共存

酒蔵といえば、昔ながらの日本建築を創造するのではないでしょうか。

一方、白糸酒造はコンクリート作りの酒蔵で、現代的な雰囲気の外観をしています。あえてモダンな酒蔵にすることで、日本建築の素晴らしさを知ってほしいとの理由からなんだとか。

前述のハネ木搾りなど昔ながらの技法を残しつつ、外観はモダン。さらには、最新の技術を導入し、味の数値化や醸造過程のデータ化なども行っています。

白糸酒造は伝統に執着することなく、「おいしいお酒の味をぶらさないために、利用できる技術はフル活用していく」という、柔軟な姿勢で酒造りに取り組んでいます。

福岡を代表する酒へ

田中氏は、福岡には日本酒の大手が不在であると考えているのだそう。福岡を代表する日本酒を聞かれたら、明確にこの酒といえる存在がないと考えているのです。

そんな中、田中氏は単品で飲んでも食中酒として飲んでもよい、福岡の定番的存在となるようなお酒を目指して田中六五を造っているのだそうです。

いつか、「福岡といえば田中六五だよね」と言われる日がくるかもしれませんね。

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