皆さんは“ワイン”と聞いて何を思い浮かべますか?
きっと多くの人が「ワインと言えばブドウ!」「ワインと言えばフランス!」と思ったはず。
でも実は、ブドウでもない、フランスでもないワインが存在するんです。
今日はぜひ多くの方に飲んで欲しい「バーレイワイン」についてご紹介します。
バーレーイワインってなんだろう
結論からいうと、「バーレイワイン」とは長期熟成させたビールです。
バーレイ”ワイン”と呼ばれていますが、原料はブドウではなく麦。
「バーレイ=大麦」、「ワイン=酒」の意味ですが、この名が広まったのは20世紀に入ってから。
それまでは「オールドエール」「ストロングエール」「ストックエール」などと呼ばれていたそうです。
バーレーワインは、使用する麦芽の量や、種類も通常のビールより多くなるため、濃厚で複雑な味わいに仕上がることが多いと言われています。
さらに時間をかけて樽熟成させるので、力強いボディと香りも楽しめます。
フルーティーな香りとほのかなカラメル香は、ウイスキーやブランデーとも少し似ていますね!
熟成させる樽ごとに香りや味わいも変わってくるという特別感も感じられますよ。
炭酸は弱め、アルコール度数も7〜14%と高め、芳醇な香りとまったりとした味わいが特長的。
いつものビールのようにゴクゴクと飲むのではなく、ワインのように香りを楽しみながらゆったりと飲んでほしい特別なビールです。
ワインへの嫉妬から生まれた!?バーレーワイン誕生秘話
バーレーワインは、ビール大国イギリス発祥のビールのスタイル。
生まれたきっかけは、なんと“ワインへの嫉妬”だったのだとか!!
19世紀頃、気候が寒いせいでブドウの栽培ができず、ワインが作れなかったイギリス。
当時大人気だったフランスのワインに嫉妬し造ったのがバーレイワインだったそうです。
ワインに対抗しているため、特長もワインと似ています。
まず、ビールであるにもかかわらず、ワイン並にアルコール度数が高い、そしてワイン並に長い年月をかけて熟成していくことです。
また、バーレイワインは熟成期間が通常のビールの6倍以上。強いボディに負けないようにホップも麦芽もたっぷり使用するため、たくさんの原料も必要となります。
さらに熟成に用いるタンクの占有期間が長く、維持管理コストも高いため、作っているメーカーは非常に少なく、とっても貴重なスタイルなんです。
熟成期間が長いほど、価値が高くなっていくのもワインに似た部分だと言えるかもしれませんね。
シャンパンと同じ○○製法
たっぷりと原料を使い、長時間の熟成を経たバーレイワイン。
実はもう1点、通常のビールでは行わない特別な製法があります。
それが「瓶内二次発酵」です。
これは瓶内で2回目の発酵をさせる工程で、シャンパンで用いられているもの。
瓶詰めした後も、酵母の活動しやすい温度で数週間保管し、発酵させます。
酵母が糖を分解するときに出てくる二酸化炭素は密閉された瓶の中で充満し、ゆっくり時間をかけて液中に溶け込んでいくのです。
通常のビールは発酵させた後に二酸化炭素を添加しますが、バーレイワインの炭酸はすべて酵母の発酵由来。
このおかげて強すぎない、柔らかく繊細なシュワシュワ感が生み出されています。