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2019.2.12
日本酒

「醪(もろみ)」仕込みは日本の伝統!美味しい日本酒の作り方「三段仕込み」を解説

皆さんは日本酒を造る過程で「醪(もろみ)」という段階があるのをご存知でしょうか?

「一麹、二酛、三造り(醪)」という日本酒造りの格言があるように、醪(もろみ)は酒造りにおいて最も重要な工程の一つで、この(もろみ)仕込みで美味しい日本酒が出来るかどうかが決まると言われています。

醪(もろみ)とは?

醪とは、タンクに水、蒸米、麹、酒母を加え、発酵させているものを指します。醪は「日本酒になる前の段階」を言い、この醪こそ日本酒の味を決めると言っても過言ではありません。

また、醪は一般的に3回に分けて仕込む「三段仕込み」という方法で4日間かけて行います。1日目を初添、2日目を踊り、3日目を仲添、4日目を留添と言い、2日目の踊りは何も手を加えません。

【※日本酒用語】

・蒸米とは…浸漬した米を蒸す工程。水と熱を加えて蒸すことで糊状にすること
・麹とは…日本酒や味噌などの発酵食品を造るために必要なカビなどの微生物を繁殖させたもの
・酒母とは…日本酒醸造のために蒸した米・麹・水を用いて優良な酵母を培養したもの

なぜ3回仕込むのか

日本酒造りの工程では、まずは小さなタンクに酒母を仕込みます。これはアルコール発酵に必要な酵母を増やし、酒母自体を酸性に保つことで酸に弱いアルコール発酵に不要な雑菌の増殖を抑制するためです。

酒母を立てたあと、大きい仕込みタンクに移す際、一気に米・麹・水を加えてしまうと、醪中の酸が薄まってしまいます。醪は常に外気に触れているため、酸度が低い環境下では雑菌汚染の原因になってしまうのです。

そこで、3回に分けて段階的に量を増やしながら仕込むことで醪を酸性に保ち、酵母を徐々に増やすことができるようになるのです

日本酒の醪仕込みの特徴である「三段仕込み」とは

日本酒の醪造りにおいて、なぜ三段仕込みが必要なのかはご理解頂けたかと思います。では三段仕込みの工程をご説明します。

『初添(はつぞえ)』

日本酒の三段仕込みの1番最初の工程は「初添(はつぞえ)」と言い、酒母に仕込み水、蒸米、麹を加えます。仕込みに加える仕込み水と蒸米、麹は、仕込み量全体の6分の1です。少量の仕込みからスタートし、ここから徐々に酵母を増やしていきます。

『仲添(なかぞえ)』

日本酒の三段仕込みの二度目の仕込みは「仲添(なかぞえ)」と言い、初添の際に加えられた麹、蒸米、仕込み水の2倍の量を更に加えていきます。これで、仕込み量全体の6分の3になります。ここからさらに発酵が進んでいきます。

*初添と仲添の工程の間には「踊り(おどり)」と呼ばれる、何も加えないで様子を見るだけの日があり、ここで酵母を増やしていきます。

『留添(とめぞえ)』

日本酒の三段仕込みの最終段階は「留添(とめぞえ)」と言い、仲添のさらに2倍の量の麹と蒸米と仕込み水を投入します。

この後は温度管理に気をつけながら発酵管理を行っていきます。そして3~4週間で醪が完成します。

まとめ

今回は美味しい日本酒を造る、醪仕込みの特徴である三段仕込みについてご説明しました。普段飲んでいる日本酒の作り方を知ると、いつも以上に日本酒が美味しく感じられそうですね!

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この記事を書いた人 Writer

三寺悠仁

三寺悠仁

高知県の酔鯨酒造で2年間蔵人として勤務、現在はKURANDの商品開発に関わる日本酒のプロ。日本酒の素晴らしさを世に伝えるべく、日夜活動中。

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