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【ソムリエコラム】ワインの味わいに大きく影響!?ワインと土壌の関係を解説

ワインについて詳しくなってくると、あらゆるところで土壌の話が出てきます。 実は、土壌というのはワインの味わいを左右するテロワール(土地の個性のようなもの)の要素の一つで、栽培されるブドウ品種は土壌によって変わってくるので …

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ワインについて詳しくなってくると、あらゆるところで土壌の話が出てきます。

実は、土壌というのはワインの味わいを左右するテロワール(土地の個性のようなもの)の要素の一つで、栽培されるブドウ品種は土壌によって変わってくるのです。

ワインの味を大きく左右する土壌には、ワインとどのような関係があるのでしょうか?

ワイン造りに適した土壌とは


ワインに欠かせない存在のブドウ。良いブドウを作るには良い土壌の条件を満たしていることが必須です。

痩せた土地の方が向いている!

一般的な農作物は肥沃な土地の方がよく育つイメージがありますよね。しかしブドウの場合は逆。

ワインの原料となるブドウを栽培するには、肥沃な土地よりも栄養分の少ない痩せた土地の方が適していると言われます。

肥沃な土地で栽培すると、ブドウの樹は地表から上へ上へと伸びてしまいます。こうなると、ブドウの実に十分な栄養分が行き渡らなくなってしまいます。

一方、痩せた土地で栽培するとブドウの樹は種の保存を優先するため、枝葉の成長を最小限にとどめ、良い実をつけることにエネルギーを集中します。このような実は糖度も高く、果実の凝縮感がたっぷりと感じられるワインになります。

水はけの良さも重要

ブドウを栽培する土壌には、水はけの良さも求められます。

水はけの良い土壌では、ブドウの樹は水分を吸収するため地中の奥へ奥へと根を伸ばし、地表から何メートルも深いところまで根を張るようになります。その結果、地中のミネラルや養分も一緒に吸い上げやすくなるのです。

反対に水はけの悪い土地では、ブドウが病害にかかるリスクが高まったり、実に含まれる水分量が多くなり十分な糖度が得にくくなったりします。

ワインの産地の代表的な土壌は?


一口に土壌といっても、その土地の気温や環境によって性質が異なります。

それでは、ワインの名産地にはどのようなタイプの土壌があるのでしょうか?
それぞれの特徴や、栽培に適したブドウ品種などを見ていきましょう。

砂利質土壌

川の上流から運ばれてくる石や砂利を多く含む砂利質土壌は、非常に水はけが良いことが特徴です。

フランスのボルドー地方でも、一流シャトーが連なるジロンド河左岸に多く見られる土壌で、カヴェルネ・ソーヴィニヨンの栽培に向いています。

粘土質土壌

同じボルドー地方でもジロンド河右岸の秀逸なワインを生産する、ポムロールやサンテミリオンに多く見られる土壌です。

栽培に適した品種はメルロ。保水力に優れているため、日照りにも耐えられます。保水力がありながら水はけもよく、バランスの良い水分状態が保たれます。

その他のワインの産地に多く見られる土壌

他にも、様々な土壌があります。

石灰質土壌

フランスのブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方などに多く見られる石灰質土壌。炭酸カルシウムを豊富に含んだ土壌で、水はけが良くミネラル分も豊富です。

シャルドネの栽培に向いていると言われ、石灰質土壌で育まれたブドウのワインは、エレガントな味わいに仕上がる傾向にあります。

花崗岩質土壌

山岳地帯に見られることのある花崗岩質の土壌。

ボージョレ・ヌーヴォーでお馴染みのボージョレ地区の上級畑の土壌はすべて、この花崗岩が崩れた砂地です。
栽培に向いている品種はガメイ。

水はけが良く、柔らかでバランスの取れた薫り高いワインを生み出す土壌です。

火山岩質土壌

火山岩とは、溶岩が急激に冷えることで固まり、岩状になったもののこと。

火山の多い日本では、火山岩と火山灰で構成された土壌がよく見られ、水はけもよく、様々な品種に適応します。

まとめ


ワインの育まれる土壌について知識を深めらることはできましたでしょうか?

ワインを覚えたての頃は、ブドウ品種や生産地を意識するだけでいっぱいいっぱいになってしまうかもしれませんが、慣れてきたらぜひ産地の土壌にも気をかけてみてください。

その土壌由来のテイストを感じ取ることができたら、ワインが一層楽しくなるでしょう!

《石関華子》

石関華子

埼玉県出身、高知県在住。一児の母。 ㈱三越(現:㈱三越伊勢丹)日本橋本店の洋酒担当を経て、2016年、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの資格を取得。 現在は高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけている。 2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。

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