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2019.9.12
日本酒

500年間変わらない味の日本酒!兵庫の銘酒「剣菱」の魅力を徹底解説

次々と酒のブームが変わっていくなか、あえて「変化しない」ことを選んだにも関わらず、圧倒的な知名度と人気を保ちながら生き残ってきた日本酒が「剣菱」です。

兵庫県伊丹の地に生まれ、年の時を超えてもなお製造当初の味を保ち続け、日本の歴史のカギになる場面で登場することもしばしば。

今回はそんな「剣菱」の魅力の秘密に迫っていきたいと思います。

「剣菱」とは

「剣菱」は、兵庫県を代表する日本酒です。

日本酒としての伝統が長く、スーパーや酒屋に行けば必ずあるといっても過言ではないくらい、全国に広まっています。
「剣菱」という名前を知らなくても、剣菱のあのロゴを見たことある人は多いのではないのでしょうか?

そんな剣菱は、昔からの味を変えないことにこだわり続けています。

日本酒にも洋服やメイクと同じように時代によってトレンドがあります。
しかし、剣菱はあえて変化しない味わいを守り続けており、総じて「米の旨み」の主張が強めな日本酒を造り続けています。

「これが伝統的な日本酒か!」と感じること間違いなし。

ではなぜ剣菱はこんなにも変わらない味にこだわっているのでしょうか。
その秘密を剣菱の歴史から紐解いていきましょう。

剣菱の歴史

剣菱酒造(前:稲寺屋)は今から500年以上前の永正2年(1505年)以前に設立したといわれています。

歴史の長さ故、こんな伝説も残っています。
“昔々、土佐の山内容堂は「坂本龍馬の脱藩を許してほしい」と勝海舟から言われたとき、「これを飲んだら許してやる」と下戸であった海舟に飲ませたのが剣菱だった。海舟は頑張って飲み切ったため、山内から許しを得ることが出来た。”

そんな剣菱酒造を語るうえで欠かせないものが江戸時代の文献「二千年袖鑒(そでかがみ)」。
ここには、稲寺屋が永正2年に創業したことや、文献が出た1849年の時点ですでに345年の歴史があることなどが書かれています。
現在も使われている剣菱のロゴマークもこの文献に記されていたんだとか。

しかし、この文献の中に「剣菱」という2文字はなく、300年以上もの間、剣菱のロゴマークと共に愛されていた酒の名前は今もわかっていません。
1つ確かなことはそんなにも昔から剣菱酒造の醸す日本酒が多くの人から愛されていたということですね。

ですが、500年以上もの間生き残ってきた剣菱酒造ですが、この長い歴史の中ではいくつもの危機がありました。
例えば江戸時代に施行された「酒造統制令」。大飢饉により、日本酒造りが禁止されたのです。
他にも阪神大水害により酒造蔵が浸水してしまったり、戦争の空襲により灘の蔵が焼失してしまったり…記憶に新しい阪神・淡路大震災では7蔵が倒壊するという災害にも見舞われました。

長い歴史の中で、飢饉や明治維新、戦争や震災など様々な苦難が襲われた剣菱酒造。
そんな中でも「剣菱らしさ」を失ったことは1度もなかったのです。

「剣菱らしさ」を貫くことへの徹底ぶりが伺える、こんなエピソードがあります。

第二次世界大戦中、米不足に陥った政府は日本酒の米の量を減らし、酸味料や糖類で味を調整する「三増酒」を作るよう指導をします。
しかし当時の剣菱酒造の社長「白樫政一」は「これは日本酒ではない」と主張し製造を拒否。
政府の命で製造はするものの、他社にその酒を譲ってしまいます。

本当に良いものしか作りたくない」という製造者の心意気と覚悟が伝わりますよね。

ここまで剣菱らしさにこだわる理由は、「家訓」にありました。

●剣菱が“変わらない製造方法”を採用する理由

500年、五家におよぶバトンを継承してきた剣菱酒造には「3つの家訓」の家訓があり、そのうちに「止まった時計でいろ」というものがあります。

流行を追おうとすると、必ず最先端の流行を一歩手前で追いかけていることになる。
それでは、時計の針と自分が一致することは絶対にない。

変わらない味、止まった時計でいれば、必ず時は巡り、ピッタリと時間が合うときがくる、必ず戻ってくる、という理念です。

長い歴史の中で止まった時計でい続け、生き残ってきた剣菱自身がこの理念を証明している存在に感じられますね。

剣菱酒造の“変わらない味”へのこだわり

剣菱酒造は、「味を変えない」ために、ゴールから逆算した酒造りを徹底しています。

勘違いしてはならないのが、「昔ながらの手作りにこだわった酒」ではなく、「剣菱の味を変えないためには昔ながらの手作りを要する」という結論になること。

例えば毎年出来の変わる米から同じ味の剣菱を造るために精米歩合を少しずつ変えているため、今では少なくなった自社精米を続けていたり、お米の旨味を存分に引き出す麹にするために現在も手作業で麹造りを行っていたり、蒸米には木製の甑を使用していたり…ここでは紹介しきれないほど、剣菱の変わらない味を実現することから逆算した製造が徹底されているのです。

剣菱酒造は「止まった時計でいる」ために、凄まじい努力と進化を続けているのです。

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この記事を書いた人 Writer

といといとい

といといとい

都内の理工系大学に通ってます。研究は吸着材の材料の研究をしてます。好きなことは歌うこと飲むこと歩くこと囲碁を打つことです。特に好きなお酒はビールと日本酒。この世のまこと

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