年末の恒例行事として親しまれてきた「職場の忘年会」。仕事納めの時期に同僚や上司とお酒を飲み、一年を振り返る場として、多くの職場で行われてきました。
一方でコロナ禍をきっかけにリモートワークが普及し、働き方や人との距離感が変わってきたという方も多いのではないでしょうか。
Job総研が実施した「2025年 忘年会意識調査」をもとに、職場の忘年会や“飲みの場”に対する意識の変化を見ていきます。
※全国の20~50代の約400人の男女を対象に、2025年10月29日~11月4日の期間でインターネット調査にて実施
忘年会の開催率は約7割、参加意欲も過半数

2025年の職場忘年会の実施率は69.1%。そして職場忘年会へ「参加したい」と回答した人は全体の60.1%と、過半数が前向きな姿勢を示しているようでした。

年代別では20代の参加意欲が71.0%と最も高く、30代が57.8%、40代が55.1%、50代が48.3%という結果になっています。
参加理由の1位は「メンバーとの関係構築」

忘年会に「参加したい」と回答した人に理由を聞いたところ、最も多かったのは「メンバーとの関係構築」(47.0%)でした。次いで、「仕事以外の話をしたい」「飲みの席だけの話を聞きたい」がいずれも33.6%と続いています。
年代別に見ると、20代・40代・50代では「メンバーとの関係構築」が最多だった一方、30代では「仕事以外の話をしたい」が最も多い結果となりました。日常業務では生まれにくいコミュニケーションを、飲みの場に求めている様子が見えてきます。
不参加理由は「プライベート優先」「飲み会のノリが苦手」

一方で、「参加したくない」と回答した人も少なくありません。その理由として最も多かったのは「プライベートを優先したい」(56.5%)。次いで「飲み会のノリについていけない」(38.7%)、「上下関係が面倒・疲れる」(38.1%)といった声が挙げられました。
参加したくない理由は全年代で「プライベートを優先したい」が最多となっており、仕事と私生活の線引きを重視する価値観が広がっていることがうかがえます。
忘年会文化は「必要」と考える人も半数以上

職場の忘年会文化の必要性については、「必要だと思う派」が54.0%と過半数を占めました。その理由としては、「対面交流の重要性を感じる」(55.5%)、「普段関わらない人と交流できる」(44.1%)、「仕事以外の話ができる」(35.2%)などが挙げられています。
また、忘年会は出世のチャンスだと思うかという質問では、「チャンスだと思う派」が60.5%と、依然として飲みの場を評価や関係構築の機会と捉える人も多い結果となりました。
形を変えながら続く「職場の飲みの場」

今回の調査結果からは、忘年会そのものが否定されているというよりも、参加の自由度や関わり方に対する意識が変化している様子が浮かび上がります。リモートワークの普及により、日常的な対面交流が減ったからこそ、限られた機会としての「飲みの場」に価値を見出す人がいる一方、プライベートとのバランスを重視する声も強まっています。
義務的な行事としての忘年会から、個人の選択を尊重した交流の場へ。職場の忘年会は、時代に合わせてその形を変えながら、今後も続いていくのかもしれませんね。







