株式会社フェアウェイソリューションズは、2025年7月31日、鹿児島県いちき串木野市に拠点を置く濱田酒造株式会社における需給調整・在庫適正化ソリューション「Φ-Pilot Series(ファイパイロットシリーズ)」の導入事例をホームページで公開しました。
濱田酒造様では、営業部門が作成する販売計画が月単位である一方、製造部門の生産計画は週単位で作成ており、この計画期間の不一致が原因で、会社全体として適正在庫の概念が十分に共有されていませんでした。また、製品の売れ行きに関わらず一定量の在庫が保持されていたため、過剰在庫が発生し、資金の無駄遣いにつながっていました。
同社は約4年前からPSI(販売、在庫、生産)管理の改善に取り組み始めました。導入前は、販売計画作成に多大な労力を要し、Excelによる集計作業だけで分以上かかるなど作業効率が悪く、担当者の負担も大きかったそうです。そんな中、フェアウェイソリューションズ主催のセミナーで「Φ-Pilot Series」の提案に触れ、「やりたいことがここにあるじゃないか!」と導入を決断されました。
導入後は、販売計画から在庫計画、そして生産計画までが「Φ-Pilot Series」によってシームレスに連携されるようになり、部門間での合意形成が容易になりました。さらに、販売画を週単位に更新し生産計画とタイムフェンスを統一したことで、生産計画の精度が大きく向上しました。在庫管理については在庫日数を指標化し、商品の売れ行きに応じた適正在庫の管理が可能となりました。
具体的な成果として、本稼働後約4ヶ月時点で全体の在庫を13%削減しました。売上構成比が75%を占めるA群商品に加え、売上比率の低いC群商品は27%、B群商品は13%の在庫減を実現しています。金額に換算すると、約6億円あった在庫が7,000万円も削減され、キャッシュフローの改善に大きく貢献しています。また、過剰在庫(1年以上在庫として保管されている商品)も、当初98アイテムから現在は19アイテムにまで減少しています。
在庫回転率も改善し、目標の0.14ポイントアップを上回る0.22ポイントアップを達成しました。これは、「Φ-Pilot Series」の異常在庫アラート機能により、欠や過剰在庫の兆候を事前に把握し、迅速かつ効率的な需給調整が可能となったためです。
現在、濱田酒造様では「Φ-Pilot Series」の第二次システムとして「生産日程」の導入を進めており、2026年1月の本稼働を目指しています。このシステムにより、需給調整から補充タイミングが生産計画にタイムリーに反映されることで、工場の生産性向上が期待されています。業務の属人化が解消され担当者の交代や引き継ぎもスムーズに行える見込みです。将来的には販売計画から物流計画まで一貫したシステムフローの実現により、業務効率化がさらに進むことを期待されています。
株式会社フェアウェイソリューションズは、「サプライチェーン業務の標準化と自動化」を掲げ、事務処理から業務改革へと取り組んでいます。今回の濱田酒造様の事例は、販売計画立案の省力化と精度向上、補助の活用による地域活性化、在庫適正化によるキャッシュフロー改善、部門間の合意形成促進など、多くの成果を示しています。