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イタリアの伝統酒「リモンチェッロ」おすすめ銘柄や作り方を紹介

自宅で贅沢気分を味わいたい!という時に選ぶお酒として、リモンチェッロはいかがでしょうか? 南イタリアを代表する伝統酒であるリモンチェッロは、レモンの香り高く、フレッシュな甘酸っぱさと、ほど良い苦味が詰まっています。 美味 …

お酒を選ぶ リキュール
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自宅で贅沢気分を味わいたい!という時に選ぶお酒として、リモンチェッロはいかがでしょうか?

南イタリアを代表する伝統酒であるリモンチェッロは、レモンの香り高く、フレッシュな甘酸っぱさと、ほど良い苦味が詰まっています。

美味しいイタリアンを食べた後に頂けば、まるで地中海でバカンスを楽しんでいるよう…そんな雰囲気を演出してくれるお酒がリモンチェッロです。

リモンチェッロとは?

リモンチェッロ

リモンチェッロとは、レモンの皮をふんだんに使ったイタリア生まれのリキュールです。
ひとたび口に含むとレモンシロップのような強い甘みが口いっぱいに広がり、その後にレモン特有の苦みと甘酸っぱさで爽やかさを演出してくれます。

一見甘みが強すぎるようにも思えますが、後味にレモンのすっきりとした清涼感が感じられるため、甘みがしつこくなく、何杯も飲めちゃう!という方も多いようです。

ストレートやソーダ割で楽しむことがおすすすめのリモンチェッロですが、飲み物以外にも使い方は様々。
アイスクリームやシフォンケーキと合わせていただくと、いつもとはちょっと違う贅沢な「大人の味わい」も楽しむことができます。

糖度が高くて飲みやすいリモンチェッロですが、一般的に原料としてウォッカを使用していおり、度数は30度程度と高いため飲み過ぎには要注意です。

ご家庭でリモンチェッロを作る場合、アルコール度数の非常に高い「スピリタス」を使用して作ることが多いようです。

スピリタスを使用して自家製リモンチェッロをいただく際には特に注意しましょう。

その度数の高さから”世界最凶”の異名を持つ「スピリタス」については”世界最凶”の酒「スピリタス」の味と美味しい飲み方・注意事項で詳しく解説しています。

400年前から親しまれてきた伝統的なお酒

南イタリア「青の洞窟」で有名なカプリ島発祥と言われるリモンチェッロは、400年も前から愛されている伝統的なお酒です。

もともとは、南イタリア・カプリ島を含むカンパニア州周辺地域の各家庭において、家の庭で育ったレモンを使って作られていました。

各家庭で作り方や味が異なるため、自家製リモンチェッロはイタリアのマンマ(母)の味として、現在でも多くの家庭で親しまれています。

400年前はアルコール度数が70度近くあり、農家の人たちが朝働き出す前に体を温めるために飲んでいたそうです。
現在の飲み方としては、ピザやパスタなどを食べた後に消化を良くすることを目的として、食後酒としてストレートで飲むのが一般的です。

このような形で南イタリアの地元民に古くから愛されていたリモンチェッロですが、バカンスでこの地を訪れた観光客をも魅了し、イタリアからヨーロッパ全土に広められたと言われています。

今ではイタリアを代表する名産品の1つとして、世界中で知られる存在です。

本場のリモンチェッロは手に入る?

リモンチェッロ

本場のリモンチェッロは南イタリア、特にリモンチェッロ発祥の地とされているカプリ島を含むカンパーニア州で生産されたものが代表されます。

多くの場合、この地域でリモンチェッロの原料として育てられるレモンは、IGPという商標に登録されており、欧州連合が定める厳しい基準をクリアした質の高いレモンとして認められています。

リモンチェッロはレモンの皮を使用して作るお酒であるため、生産の段階で無農薬・防腐剤未使用のレモンを使用しているものが、安全性が高い上に味も良くおすすめです。

一見、本場のリモンチェッロは厳しい基準で育てられている分、入手困難で高価なようにも思えます。実は愛飲家も多いリモンチェッロは、本場で作られている物も含めインターネットで簡単に手に入れることができます。

欧州連合が定めるIGPとは

本場のリモンチェッロの原料として使われるレモンは、ほとんどの場合IGPという商標に登録されています。

IGPとはIndicazione Geografica Protettaの略称で、日本語では「保護指定地域表示」と呼びます。
IGPは欧州連合の定めた農作物及び食品に対しての商標であり、レモンなどの農作物の他に、肉や魚、加工食品であるチーズといったものにも、特定の特産品を保護することを目的として登録されます。

IGPとして認められることで、その商品は「ここの地域の特産品である」という箔を付けたものとして市場に売り出すことができます。IGPに認められるには産地・素材・製法のうち、少なくとも一つの過程で、欧州連合が定めた場所、決めた方法で行わなくてはなりません。

特に南イタリア・カンパーニア州のソレントおよびカプリで育てられるIGPレモンの栽培には、IGPレモンの品質を守ることを目的として「ソラグリ」という組合が存在しています。

この組合では200以上のレモン農家に対し、化学肥料や添加物を一切使用しない、古くからの製法や収穫後の加工までの指導、というような生産方法上の厳しい基準を設けることで高い品質を誇るIGPレモンを生産しています。

このような高い基準をクリアしたソレントおよびカプリのIGPレモンは、その芳香の香り高さと酸味と甘みの釣り合いが取れた至高の一品であり、本場のリモンチェッロ作りに必要不可欠な存在と言えます。

本場のおすすめリモンチェッロ3選

リモンチェッロ

今回は、インターネットショッピングで手に入る本場のリモンチェッロをいくつかご紹介します。

アマルフィ リモンチェロ (レモンチェロ) 700ml

アマルフィ リモンチェロ (レモンチェロ) 32度 700ml

古くから家庭消費用のリモンチェロ製造を行ってきたマンスィ家が本格的な生産を初めて生まれた一品。
南イタリアの代表的な都市、ナポリの温暖な気候に恵まれたIGP認定済のレモンは清々しいレモンの香りと心地よい苦味と甘みが特徴です。

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リモンチェッロ・ディ・カプリ 500ml

リモンチェッロ・ディ・カプリ 500ml

リモンチェッロ作りの本場として知られるカンパーニア州で作られた一品。
IGP認定済のソレント産のフェミネッロ種レモンを使用しており、エッセンスオイルが豊富で酸味も少なく、高品質のリモンチェッロに仕上がっています。

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カプリピゥ社 リモンチェッロ

リモンチェッロ発祥の地で400年以上製造してきたカプリピゥ社こだわりの一品。

IGP認定済みのカプリ島のレモンは、芳醇な香りとエッセンスが豊富な仕上がりで、上質なリモンチェッロ作りに最適です。
上記の2つと比べると少量にはなってしまいますが、現地の絵付師によって装飾されたボトルは見た目も美しく、贈り物としても喜ばれる一品です。

家庭でも楽しめるリモンチェッロの作り方

リモンチェッロ

リモンチェッロはご家庭で作ることができますが、美味しいリモンチェッロの作り方にはちょっとしたコツがあります。簡単にできることなので、ぜひ参考にして美味しいリモンチェッロを作ってみてくださいね。

材料を用意

レモン(無農薬、ワックス不使用のもの)・・・3~6個
スピリタス(アルコール度数96度)・・・500ml
グラニュー糖・・・250g
水・・・500ml

作り方

1.レモンをよく洗う

リモンチェッロにはレモンの皮のみを使用するため、周りに汚れがないかチェックしつつ、綺麗に洗いましょう。塩で擦りながら洗うと、目に見えない汚れも綺麗に落とせます。

2.レモンの皮をむく

ピーラーや包丁で皮をむきます。
皮の内側の白い部分には苦味が含まれるため、黄色い部分のみをむくようにしましょう。

3.レモンの皮とスピリタスを混ぜる

清潔なガラス容器に、レモンの皮とスピリタスウォッカを入れて密閉し、レモンの色がスピリタスにうつるまで冷暗所で一週間程度漬け込みます。

4.シロップ作り

鍋に水とグラニュー糖を入れて加熱し、シロップを作ります。

⒌スピリタスとシロップを混ぜる

スピリタスウォッカからレモンの皮を取り除き、シロップと混ぜ合わせて常温で1週間ほど寝かせます。

完成

清潔な瓶に詰め替え、完成。アルコール度数が高いため、冷蔵庫に入れても凍りません。

キンキンに冷やしていただくのがおすすめです!

リモンチェッロを作るときの注意点

ご家庭でも簡単に作れるリモンチェッロには、美味しく作るための注意点と酒税法に関する注意点があります。

特に酒税法は違反してしまうことがないようにしっかりと意識して作りましょう。

美味しいレモンの選び方

レモンの皮ごと使用するリモンチェッロは無農薬・ノーワックスのものを使用するのが安全性が高くて良いですが、美味しいレモンを使うことも重要です。
果皮にハリとツヤがあり、鮮やかな黄色のレモンは鮮度が高く、スピリタスウォッカと付け合わせたときに香りが高く、鮮やかな色に仕上がります。

リモンチェッロ作りで気をつけたい「酒税法」について

個人でリモンチェッロのような果実酒を作る際、特に気をつけておきたい点として、「酒税法」が挙げられます。
「酒税法」は「アルコールを精製する場合には税金を払ってくださいね」という内容を定めた法律ですが、果実酒を個人で作る場合にも、この法律に抵触してしまいます。

しかし、規定の果実や使用するアルコールの度数に気をつけてれば例外が認められますのでルールを守って、果実酒作りを楽しみましょう。

酒税法についての条件は、ホワイトリカーとは?果実酒造りの豆知識と違法にならないための3条件でより詳しく説明しているので、ぜひこちらを参考にしてみてください。

まとめ

リモンチェッロ

色鮮やかな街並みと、青い海。日の当たる南イタリアでバカンス気分…そんな地中海の雰囲気を演出してくれるリモンチェッロはご家庭でも手軽に楽しめます。

リモンチェッロのグラスを片手に、至福のひとときを感じてみてはいかがでしょうか。

《ハタヤマ シンノスケ》

ハタヤマ シンノスケ

専門学校を卒業後、銀座の有名料亭で修行。複数の飲食店を経て、現在はフリーランスの料理人として調理以外にも執筆も行なう。各種料理免許の他、利酒師の資格も保有。日本酒、ビール、焼酎、泡盛......なんでも大好き!!

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