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カルヴァドスとは?美味しい飲み方とおすすめ銘柄をご紹介

アイリッシュウイスキーをはじめ、産地ごとに名称や味わいが異なるお酒は世界中にたくさんあります。 その中でも「カルヴァドス」はフランスの一部の地域で作られるアップルブランデー。 日本人にはあまり馴染みのないお酒ですが、実は …

お酒を選ぶ ブランデー
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アイリッシュウイスキーをはじめ、産地ごとに名称や味わいが異なるお酒は世界中にたくさんあります。

その中でも「カルヴァドス」はフランスの一部の地域で作られるアップルブランデー。

日本人にはあまり馴染みのないお酒ですが、実はスイーツやパンを作るときに使われるものなんです。

カルヴァドスとは

リンゴからできる蒸留酒

カルヴァドスとは、フランスのノルマンディー地方で作られているリンゴを原料とした蒸留酒。

大きなくくりでいうと、アップルブランデーの一種です。
アップルブランデーは、りんごの果汁で作られた醸造酒をさらに蒸留させた蒸留酒。ブランデーがブドウを原料としている一方で、アップルブランデーはリンゴを発酵させて作られます。

ただし、アップルブランデー=カルヴァドスという訳ではありません。

ノルマンディー産限定

フランスのノルマンディー地方で作られているアップルブランデーのみがカルヴァドスになります。

ノルマンディーというと、フランスの北西部に位置しており、モンサンミッシェルがある土地として有名ですよね。リンゴの産地でもあるその土地で、名産品を使ってカルヴァドスは生産されています。

カルヴァドスは生産地が限定されていますが、その生産量は少なくはありません。
むしろカルヴァドス以外のアップルブランデーの方が少ないとされています。そのため、アップルブランデー=カルヴァドスと勘違いしている方も多いんだそう。

カルヴァドスの起源

1553年の古文書にりんごの蒸留酒が作られたという記録があり、少なくとも450年以上の歴史をもつカルヴァドス。

ヨーロッパではワインやブランデーが主流でしたが、カルヴァドスの知名度が上がったのは19世紀に起きたフィロキセラの危機がきっかけでした。フィロキセラという木を根元から腐らせてしまう寄生虫が大流行し、ワインの生産が激減したため、カルヴァドスがワインの代わりとして飲まれるようになったのです。

しかしその後、世界大戦中に戦地となったノルマンディーで、今度はカルヴァドスの生産がおぼつかなくなり、一時流通ができなくなりました。
そして戦後、企業による復興の努力もあり、日本でもカルヴァドスが楽しめるようにまで生産が回復したのです!

カルヴァドスの製法


原料

カルヴァドスに使われるのはノルマンディーで栽培されたリンゴのみで、それも定められた48種類のみが使用を認められています。48種類のリンゴには「ビター」「ビタースイート」「スイート」「サワー」の4種の風味があり、これらのリンゴをブレンドさせてカルヴァドスは作られているのです。

そしてカルヴァドスには1割~3割程度の規定量までなら、洋ナシも使用することができます。洋ナシを合わせることで、リンゴの甘味だけでなく、酸味と甘みのバランスを全体的に整えて味を引き締めてくれるのだそう。
銘柄によってこれらのブレンドや配分が異なるので、個性ある味が楽しめますよ。

製造方法

まずはブランデー同様、原料を発酵・蒸留させてリンゴの蒸留酒を作ります。
この時点では、まだ無色透明。カルヴァドスは他の蒸留酒と同じように、樽熟成をして色・香り・味わいをつけて完成となります。

カルヴァドスとして認定されるには、最低2年間の熟成が必要です。熟成させればさせるほどコクが出てまろやかな味わいになります。

瓶にリンゴが丸々入ったカルヴァドスの作り方

数あるカルヴァドスの銘柄の中でも、リンゴの実が丸々入ったものを見たことはありますか?どうやって作ったのかとっても不思議なこのお酒。
実はリンゴの実がまだ小さいうちに直接空瓶をかぶせ、木に括り付けているのです。そして実が成長したら慎重に切り離され、カルヴァドスを注ぎ入れて蓋で密閉されます。

とても手間と時間がかかる一品なのですが、天然の風味をそのまま閉じ込めるので、他では代えがたい味わいを堪能することができるのだそう。

この製法で作られたカルヴァドスは「ポム・プリゾニエール (La Pomme Prisonnière) 」(閉じ込められた林檎)と呼ばれています。なんとも素敵なネーミングですね。

地域ごとの種類

先ほど、カルヴァドスはフランスのノルマンディーで作られたアップルブランデーと紹介しました。
実はそのノルマンディーの中でも、さらに3つの地域に分けられています。

3つの地域それぞれで製法や原料に関する厳しい規定があり、それらを満たしたものだけが各地域の名前を製品名に含めることができます。

こうした地域別のブランドを守る規制をAOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)と呼び、それぞれの商品の品質を守っているのです。

そしてこれらはカルヴァドスを選ぶ際のポイントにもなります。

カルヴァドス・ペイ・ドージュ

ここで作られるカルヴァドスはまさに最高級。3つの地域の中でもリンゴを多く使用している製造法で、カルヴァドスの王様と言われています。

最高級なだけあり条件も厳しく定められています。単式蒸留器で2回蒸留させなければならなかったり、原料では洋梨の含有量を3割以下に抑えなければならなかったり。

しかし、多くの時間と手間をかけてこその味わいが楽しめます。値段も少々張りますが、一度は飲んでみたいですよね。

カルヴァドス・ドンフロンテ

生産量は3つの地域の中で最も生産量は少ないですが、日本で人気の銘柄を製造している地域です。

こちらはカルヴァドス・ペイ・ドージュとは対照的に、洋ナシを3割以上使用しなければならない規定があります。
そのため、リンゴと洋梨のバランスとまろやかな味わいが楽しめます。

カルヴァドス

カルヴァドスは上記2つのペイ・ドージュとドンフロンテ以外のカルヴァドス製造を認められた地域を言います。

カルヴァドスは上記2つに比べて規制は緩め。さらにリーズナブルな価格で購入できます。

初めてカルヴァドスを試してみたい方にはおすすめ。

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カルヴァドスの様々な楽しみ方

リンゴの甘味と風味を楽しむ

カルヴァドスの度数は最低40度と高めですが、ウィスキーやブランデーより甘味があり飲みやすいアルコールです。食後酒として楽しむのが主流で、チーズやシガーとの相性が良いのが特徴。

熟成させるほどまろやかになり美味しいので、お店で選ぶ際は熟成年数に注目してみましょう。熟成年数が6~15年のものは、香りとアルコールのバランスがいいのでブランデーにあまり慣れていない方におすすめです。

飲み方としてはシングルモルトのように、ストレートやロックでリンゴの風味や甘味をダイレクトに楽しみましょう。

リンゴから出来ているお酒ならではの楽しみ方

カルヴァドスはリンゴから出来たお酒なので、簡単なカクテルやスイーツに使用するのがおすすめ。その場合は熟成年数の少ない、お手頃な若いカルヴァドスを使いましょう。

簡単カクテル

トニックウォーターで割ってスライスレモンやライムを乗せるだけで「ブラートニック」というカクテルに。カルヴァドスを使った有名なカクテルです。
さらにトニックの代わりにジンジャーエールで割り、同じようにレモンやライムを乗せるだけでカクテルの「ブラーバック」の出来上がり。どちらも割合はお好みで!

さらにカルヴァドスをリンゴジュースで割って飲む方法も一度お試しください。原材料が一緒なので相性◎。お酒があまり飲めない方にもおすすめです。カルヴァドス:リンゴジュースが1:2の割合が良いでしょう。

ちなみにノルマンディー現地では、朝のコーヒーに加えて「カフェ・カルヴァ」を楽しむのだとか。

スイーツにも大活躍

カルヴァドスはリンゴからできた蒸留酒なので、スイーツ作りによく使われています。パン屋やケーキ屋で用いられていて、カルヴァドスを使うと風味が良くなり、芳醇な味わいをプラスしてくれます。

一般的にはアップルパイやドライフルーツの漬け込みに使用されるそうです。

まとめ

実はとても厳しい規定を乗り越えて、私たちに届いていたカルヴァドス。

産地や銘柄ごとに異なるカルヴァドスの味わいを、フランス・ノルマンディーの土地に思いをはせながらぜひ堪能してみてくださいね。

《haruka》

haruka

食べるのも呑むのも大好き。旅行にいくと新しい食の発見に興奮し、その食欲は更にスパークする傾向がある。「毎晩自宅で手酌酒」が合言葉。好きが高じて【港区に復活した酒蔵】にて販売スタッフのお手伝いもしています。

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