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【日本酒プロの主張】純米酒しか飲まないなんて人生の半分以上損をしているぞ!

みなさんこんにちは。 数年前に流行っていた、某テレビ番組で「青春の主張」というものがありましたよね。 伝えたいことを屋上から叫ぶ企画…筆者もよく観てました。 そんな感じで今、屋上から叫びたいことといえばこれ。 「純米酒し …

お酒を選ぶ 日本酒
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みなさんこんにちは。

数年前に流行っていた、某テレビ番組で「青春の主張」というものがありましたよね。
伝えたいことを屋上から叫ぶ企画…筆者もよく観てました。

そんな感じで今、屋上から叫びたいことといえばこれ。

「純米酒しか飲まないなんて人生の半分以上損をしているぞ!」

ということで今回はアルコール添加酒の魅力をお話ししたいと思います。

純米酒と醸造アルコール添加酒について



日本酒は同じ銘柄でも「純米」とついているものと、ついていないものがありますよね。

日本酒はざっくりと分けると「米・米麹で造られているもの」と「米・米麹に醸造アルコールを加えて作ったもの」の2つのタイプがあります。「純米」とついているのは前者のタイプで、「純米酒」というくくりにまとめることができます。

日本酒好きの中には「純米酒こそ至高、純米酒でなければ日本酒じゃない!」といった純米酒主義の方もいらっしゃいますが、純米酒ではない、いわゆる醸造アルコールが添加された日本酒(通称:アル添酒)にも良い酒はたくさんあるんです!

ここからは「アル添酒」に関するあれこれをご紹介していきます。

日本酒にアルコール添加を行う理由


アルコール添加は単に日本酒をかさ増しするだけ、コストカットするためのものだと考えている方もいらっしゃるかもしれません。

これは誤解!!!

日本酒にアルコール添加を行うのは、酒質の向上においてプラスになる面の方が多いからなのです。

目的を詳しく見ていきましょう。

①防腐

日本酒の衛生管理が確立されていなかったころは、日本酒が雑菌やカビなどに汚染されてしまうことがありました。

その際に人工的にアルコールを加えることで、酒が劣化しにくくなる効果があったのです。

この方法は酒の品質管理が難しかった江戸時代から行われていました。
当時は現在のような醸造アルコールではなく、酒粕からつくられ粕取焼酎や、本格焼酎が使用されていたそうです。

②吟醸香を際立たせる

日本酒と言えばフルーティーで華やかな吟醸香を思い浮かべますね。

実は、この香り成分は水分よりもアルコールに良く溶ける性質を持つのです。

つまり、米と水だけで造った純米酒よりも、アルコール添加された日本酒の方が香りをより感じやすくなります。

そのため鑑評会用の日本酒では、純米大吟醸よりもアルコール添加された大吟醸酒の方が用いられることも多いんですよ!。

③キレのある軽快な味わいを生み出す

酒造りをする際に添加するアルコールのことを「醸造アルコール」と言いますが、醸造アルコールには軽快な味わいを生み出す効果もあります。

これは、日本酒に含まれる糖分や酸によって生まれる雑味の部分を、アルコールが抑えてくれるからです。

さらに醸造アルコールによって、酒に含まれる糖の比重も下がり、キレのある辛口の酒に仕上がるのです。

④酵母の発酵を止める

日本酒を造るためには酵母菌による発酵が必要ですが、発酵させすぎてしまっても酒の品質が悪くなってしまいます。

醪内のアルコール度数が高くなると酵母は死んでしまうので、酵母によるアルコール発酵を止めたい場合に醸造アルコールを添加し、醪内のアルコール度数を高めることでちょうど良い段階で発酵をストップさせることができます。

アル添酒は悪酔いする噂はウソ!


「アルコール添加されたお酒は悪酔いしやすい」、そんな話を耳にしたことはありませんか?

もちろんこれも真っ赤なウソ!!

アルコール添加されたお酒の方が、そうでないお酒よりも酔いやすいという科学的な根拠はありません

基本的には、アル添されたお酒もそうでないお酒もどちらも同じアルコール成分なので、酔いやすさに違いが出るとは考えにくいですよね。

おそらく、アル添酒は純米酒よりもさっぱりとしていて飲みやすいことからついつい飲みすぎてしまうことが多いためにこのような噂が出てしまったのではないでしょうか?

飲みやすくても適量飲酒を心がけましょうね!

「アル添酒=三倍増醸酒」ではない


アル添酒が悪酔いするというイメージをもたれている理由として、戦後の米不足の時代に生まれた「三倍増醸酒(三増酒)」の存在も挙げられます。

三倍増醸酒とは米から生成されるアルコールの約2倍の醸造アルコールを加えて、結果的に3倍に水増しされて造られた日本酒のこと。

美味しく飲むためのものではなく、まさに酔うための日本酒が当時はあったのです。

現在、法改正によって三倍増醸酒は製造ができなくなりました。

今は醸造アルコールの使用量は白米1トンあたり280リットル以下に制限されていて、ここまでアルコール添加した清酒は、「二倍増醸酒(二増酒)」と呼ばれます。

アル添酒でも美味しいお酒はたくさんある!

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アルコールを添加するのにはしっかりとした目的があることがお分かりいただけましたか?

日本酒は米と水だけで造っているから美味しい!アルコールを添加しているからまずい!なんて単純なものではなのです。

例えばこの「黒松剣菱」の特徴でもある濃厚な香りと存在感のある旨みでまろやかさがありながら、鮮やかなキレも楽しめる飲み口は醸造アルコールがあってこそ生み出せる味!!

実際のところアルコール添加されているお酒は偽物なんかではなく、むしろ新しい楽しみ方を広げてくれる日本酒と言えますね!

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まとめ

日本酒に限らず、最近は「無添加」を良いとする風潮がありますよね。
その影響も、アルコール“添加”にあまり良くないイメージをもたらす原因なのかもしれません。

しかし今回ご説明した通り、醸造アルコールは悪者ではありません!

飲まず嫌いするのではなく、ぜひ1度自分で飲んで確かめてみてくださいね。

お酒の情報サイト「NOMOOO(ノモー)」は「今日の飲みたいを見つける」をコンセプトに、お酒に関する情報を更新しています。

《三寺悠仁》

三寺悠仁

高知県の酔鯨酒造で2年間蔵人として勤務、現在はKURANDの商品開発に関わる日本酒のプロ。日本酒の素晴らしさを世に伝えるべく、日夜活動中。

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