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日本酒には飲む順番があった!?日本酒のプロが教える「日本酒をおいしく飲み比べる方法」

皆さん、こんにちは! 皆さんは「日本酒を飲む順番」って気にしたことはありますか? 味の濃いものを先に食べてしまうと、後からあっさりしたものを食べてもあまりおいしく感じられないということもあり、食事の時には「食べる順番」を …

お酒を選ぶ 日本酒
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皆さん、こんにちは!

皆さんは「日本酒を飲む順番」って気にしたことはありますか?

味の濃いものを先に食べてしまうと、後からあっさりしたものを食べてもあまりおいしく感じられないということもあり、食事の時には「食べる順番」を意識する方が多いかと思います。

日本酒もこうした味わいの違いがあるのですが、「飲む順番」まで気にしている方は少ないかもしれませんね。

そこで今回は、飲み比べをする際に実践してほしい「日本酒を飲む順番」についてお話していきます。

※必ずこの順番で飲むべきというわけではありません。

まずは基本!一般的に「飲む順番」


例えばお寿司を食べる場合には、味の薄い卵から入って、白身、赤身、最後に味の濃い穴子で〆る、というセオリーがありますよね。

これは先程もお話しましたが、味の濃いものを先に食べてしまうと、後から食べた淡い味わいのもののおいしさを感じにくくなってしまうためです。

では日本酒もこのようなセオリーに従って飲めばいいのでしょうか?

…みなさん、お気づきですか?
日本酒はお酒、つまり後半になればなるほど酔っ払っている状態。

後半に飲むお酒は酔っていて味わいがしっかりわからなかったり、これ以上飲めないなんてこともありえます。

なので、自分の好みをすでに把握されている方、また「お酒に強い!」と自負のある方は、次のように飲んでみてください!

●自分の好みを把握している方

自分が好きなタイプのお酒を把握している方は、1杯目か2杯目に好きなタイプの日本酒を飲むことをおすすめします。
筆者も好きなものは最後まで残しておく派ですが、お酒は別!

おいしく飲めるうちに好きなものを飲んでしまいましょうね!

もし自分の好みが味の濃いお酒であったとしても、たくさん水を飲んで口の中をリフレッシュしてから次のお酒にいけばいいので、全く問題ありません!

●「お酒に強い」という自負のある方

「結構飲めるし、味の淡いものから濃いものへと順番に飲んでいきたい」という方もいらっしゃるかもしれませんが、せっかくなら「高いお酒から飲む」ということを覚えておくといいかもしれません。

「高いお酒=おいしいお酒」とは限りませんが、一般的には大吟醸や純米大吟醸など、手間暇をかけて値段も高いお酒であればあるほど、繊細な香りと旨味があるお酒になる傾向があります。

そのため、高いお酒から飲んでいくことで、繊細な香りのお酒から濃厚なお酒へと順番に味わうことができます。

値段がわかる場合には高いものから、値段がわからないものは『大吟醸や純米大吟醸→吟醸や純米吟醸→特別純米や特別本醸造→純米や本醸造→普通酒』という順番で。

もちろん例外もありますが、吟醸とついている強そうな名前のお酒から飲むということは、頭の片隅に入れておくといいと思いますよ。

●上記に当てはまらない方

日本酒初心者さん、お酒は好きだけど量はあまり飲めない方!

ここからはそんな皆さんにおすすめの「日本酒の飲み比べ方」を伝授します!

特定名称別に飲み比べてみる


出典:KURAND

特定名称酒とは、8種類に分類された清酒のことを指します。
これらは原料や製造方法などの違いから、酒税法によって分類されています。

分かりにくいと思うので具体例を出すと、日本酒のラベルに書かれている「純米大吟醸」「特別本醸造酒」といった区分が特定名称酒です。

ここでおすすめしたいのは「特定名称酒」を元に飲み比べる方法です。

●2種類を飲み比べる場合

2種類の日本酒を飲む際には、「本醸造系から純米酒系へ」、「吟醸酒系から純米酒系へ」と飲んでいくのがおすすめです。

共通しているのは「純米酒」を後にもってくるということ。

純米酒は「水」と「米」のみで造られた日本酒であるため、旨味が強く、濃厚な味わいであることが魅力です。
純米酒を後に飲むことで、薄口→濃口の順番でのみくらべることができ、それぞれの味わいをしっかりと感じることができますよ。

●3種類以上を飲み比べる場合

3種類以上日本酒を飲み比べる際には、特定名称酒ごとの区分を参考にしながら、軽い味のものからしっかりした味のものへと、飲み進めていくようにします。

具体的には、「大吟醸系・スパークリング系」→「吟醸系・本醸造系」→「純米吟醸系」→「純米系」→「山廃・生酛(きもと)系」→「熟成酒系」という順番がおすすめ!

2種類の時に比べて3種類あると順番をどうすればいいのか迷ってしまうかもしれませんが、特定名称酒をしっかりと見れば、そんなに難しいことはありませんよ!

都道府県別に飲み比べる


そのお酒が造られた都道府県に注目して順番を決めるという方法もあります。

日本酒は、寒い地方のお酒ほどさっぱりとした味わいのものが多く、南へ下るにつれて味わいがしっかりとしたものが多くなってくると言われています。

つまり、日本地図を思い浮かべて、北から南に向かうように飲んでいけば味わいが次第に濃いものへと飲み比べができるというわけです!

具体的には「東北のお酒(寒い地域のお酒)」→「関東甲信越のお酒」→「近畿・中部地方のお酒」→「関西のお酒」→「九州のお酒」といった感じです。

もちろん例外もありますが、味わいの淡いものから濃いものへと飲む順番を決める際の参考になります。

日本酒が置いてあるお店には、造られた蔵の都道府県が記載されていることがあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!



味わい別に飲み比べる


お店のメニューなどでよく目にする「端麗」などといった「味や香りに対する表現」にも具体的に飲み比べる順番を決める際に役立つ言葉があります。

●香りのシンプルなもの→複雑なもの

香りがシンプルなものから飲み、だんだん複雑なものを選んでいくのも1つの方法です。

フルーティーなものから、徐々に芳醇なものへと飲み比べていくことで、香りとともに味わいの変化を楽しむことができます。

●味の淡麗なもの→濃醇なもの

お店のメニューなどに「淡麗」「濃醇」といった区分が記載されていることがありますよね。
この区分を参考にして、味の淡いものから濃いものへと飲み進めてみても良いでしょう。

●辛口のもの→旨味の強いタイプ

日本酒をお店で飲むときに1番使える方法が「辛口」から「旨味の強い日本酒」へと移行することです。

どの日本酒が辛口でどの日本酒が旨味が強いのか分からない時には思い切ってお店の人に聞いてしまいましょう!

●酸味の勝るもの→甘味の勝るもの

「辛口」「旨味が強い」といった表現と同じく、日本酒の「酸味」や「甘味」もよく用いられる表現ですね。

実は、酸味の高い日本酒は比較的さっぱりとして味わいのものが多く、甘みの勝るものは濃厚で旨味の強い味わいのものが多いのです。

そのため、「酸味のある日本酒」から「甘みのある日本酒」の順で味わうことがおすすめです。

●冷たくして味わうもの→常温で味わうもの→熱燗で味わうもの

日本酒の「温度」も指針となります。

一般的に「冷や」と呼ばれる常温の状態がだいたい20℃程度であるのに対し、5℃程度の「雪冷え」や、10℃の「花冷え」といった温度で出される日本酒は、冷たい分香りや味わいが控えめになっています。

よく冷やして味わう日本酒から、常温、熱燗へと移行するようにして飲むと、味わいの差を感じ取りやすくなります。

●新鮮な味わいのもの→熟したタイプ

新鮮でフレッシュなタイプの日本酒から、より味わいの熟成した日本酒へと移行していくこともおすすめです。

フレッシュなタイプの日本酒はさっぱりと、熟成した日本酒は複雑な味わいである場合が多いため、意識してみるといいと思いますよ。

まとめ

日本酒は気候や保存状態、体調によっても味わいが変わるものです。
また、人の味覚には、個人差もあります。

日本酒によっては、濃い味わいだとされるものが淡く感じたり、その逆もあったりと味わいの感じ方は人それぞれです。

実際に飲んでみないと自分の好みや指標も分からないと思うので、まずはこの記事を参考に、飲み比べを楽しんでいただければと思います。

また、飲む順番はもちろん、合わせる料理や日本酒の温度などいろいろな視点でお酒ライフを満喫してくださいね!

お酒の情報サイト「NOMOOO(ノモー)」は「今日の飲みたいを見つける」をコンセプトに、お酒に関する情報を更新しています。

《三寺悠仁》

三寺悠仁

高知県の酔鯨酒造で2年間蔵人として勤務、現在はKURANDの商品開発に関わる日本酒のプロ。日本酒の素晴らしさを世に伝えるべく、日夜活動中。

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