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意外に知らないお酒の知識!「蒸留酒」と「醸造酒」の違いとは

お酒には大きく分けて「醸造酒」と「蒸留酒」の2つのジャンルがあります。 あまり意識していない方もいるかも知れませんが、この2つには大きな違いがあるのです。 2つの違いを理解できれば、今まで以上にお酒を楽しむことができるか …

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お酒には大きく分けて「醸造酒」と「蒸留酒」の2つのジャンルがあります。
あまり意識していない方もいるかも知れませんが、この2つには大きな違いがあるのです。

2つの違いを理解できれば、今まで以上にお酒を楽しむことができるかも!!

醸造酒とは?


醸造酒とは、酵母により原料をアルコール発酵させることで生成されるお酒のことを指します。

醸造酒として挙げられる主なお酒に
・ワイン
・日本酒
・ビール
があります。

醸造酒は基本的に、”アルコール発酵させたままの状態で飲む”という特徴があります。

お酒によって醸造方法は異なる

ワインなどの果実酒は、原料であるぶどうに糖分が合まれているので、酵母を加えるだけでアルコールへと発酵させることができます。これを単発酵といいます。

一方で、日本酒やビールの原料である麦や米にはデンプン質が含まれていますが、デンプン質単体では糖は発生しません。

ビールはデンプンを「糖化」と言われる糖に分解する工程と、糖化した糖を酵母によって「発酵」させる工程を別で行います。この方法を「単行複発酵」といいます。

日本酒は糖化と発酵を同時に行う「並行複発酵」の製法を用います。この醸造方法を用いることで、日本酒独特のまろやかな味わいを醸し出すことができるのです。

同じ醸造酒でも、それぞれのお酒に合った最適な醸造法を用いてアルコールが作られているのです。

醸造酒の歴史は古い

醸造酒の歴史を紐解くと、そのルーツは紀元前7000年頃まで遡ります。

中国の賈湖遺跡から出土した陶器片からは、米、果実、ハチミツなどを原料とする醸造酒が生成されていた痕跡が見つかっているのだとか!!
この時代から、すでにお酒が存在していたというのは驚きですね。

また、世界各国で蜂蜜酒、ワイン、シードル、プルケなどさまざまな原料からお酒が作られていました。

これらのお酒に共通するのは、”糖質”があるという点。

醸造酒の歴史は古く、その製法は昔から親しまれていたことがわかります。

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蒸留酒とは?

蒸留酒は、醸造酒に一手加えてアルコールを生成します。

蒸留酒として挙げられる主なお酒には
・焼酎
・ウイスキー
・ウォッカ
・ジン
などがあります。

製造方法

蒸留酒は、原料を発酵させてできた醸造酒をさらに蒸留させて造ったお酒のことを指します

酒を加熱してから蒸気を冷やして液体にすることで、アルコール分などの成分を液体にして集めます。そのため、蒸留酒のアルコール度数はかなり高め!

焼酎で言えば、連続式の蒸留機で蒸留しアルコール分が36度未満のものを「焼酎甲類」、単式蒸留機で蒸留し、度数45%以下のものを「焼酎乙類」とジャンル分けされています。

蒸留酒の歴史

蒸留酒の正式なルーツは明らかになっていません。

しかし、最も有力と言われる説は紀元前3000年頃に生まれたという説。

様々な文化が生まれたメソポタミアにおいて、香料をつくる蒸留が行われていたことからはじまったというもの。もともと蒸留酒の製造方法は、香水を作るために使われていたのだそうです。

お酒の蒸留を記録したのは、古代ギリシャの哲学者であるアリストテレス。アリストテレスは、様々な歴史書に登場する人物ですが、アルコール界でも歴史に名を刻んでいたのです!

そして、紀元前4世紀以降にアレクサンドリアを中心としたヘレニズム文化において、銅製の蒸留器であるアランビックが誕生します。

アランビックは今でもモルトウイスキーやコニャックを生成するときに使われて、日本ではランビキという名称で愛用されていました。

やがて蒸留酒は徐々に世界中に広まり、薬酒だけでなく嗜好品としても多くの人に愛されるようになりました。

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他にはどんな種類があるの?

お酒には醸造酒と蒸留器以外に、「混成酒」というものがあります。

「再製酒」とも呼ばれており、醸造酒や蒸留酒に少し足りない部分を補足してより味わい深さを出しているのが特徴。

醸造酒や蒸留酒に香料や糖のテイストを入れて混合し、生成して作られます。

代表的な混合酒には、梅酒、リキュール、薬酒、みりんなどがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

普段何気なく飲んでいる醸造酒や蒸留酒ですが、実は製造方法や歴史に大きな違いがあるのです。

ぜひ、お酒を飲むときはそれぞれのジャンルの違いなどを意識しながら楽しんでみてくださいね。

《鈴木 將央》

鈴木 將央

日本唯一の利酒師エンジニア。「日本酒は難しい」「お酒のウンチクは嫌だ」という方でも、楽しく読んでいただけるようなライティングを心掛けてます。

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