みなさんはウイスキーの「ボトラーズブランド」って知っていますか?
聞いたことがない、という方も多いかもしれませんね。
シングルモルトとかピートとかただでさえ難しい言葉がたくさんある上に種類も多いウイスキー。
自分で勉強するのは大変です。
そんなみなさんのためにあるのがNOMOOOの“お酒の教科書”。
知識があれば、今よりもっとお酒を楽しめるはず！
ということで、今回はウイスキーに関する豆知識「ボトラーズブランド」について一緒に学んでいきましょう!!
シングルモルトウイスキーってなんだろう
「ボトラーズブランド」を知るには、まず「シングルモルトウイスキー」について詳しくなる必要があります。
シングルモルトウイスキーの「シングル」は、「単一の蒸留所の原酒を瓶詰めしたもの」という意味があります。
「モルト」とは原料の「大麦麦芽」を指しています。
つまりシングルモルトウイスキーとは「大麦麦芽を原料とし、1つの蒸留所で生産された原酒を瓶詰めしたウイスキー」ということなんです。蒸留所ごとの特徴が、ダイレクトに現れたウイスキーと言われています。
実はこのシングルモルトウイスキーには2種類あります。
1つは「オフィシャルボトル（ディスティラリーボトル）」。
こちらは原酒を生産した蒸留所が、瓶詰めまで行ったもの。安定した品質を楽しむことができます。
もう1つのシングルモルトウイスキーが今回ご紹介する「ボトラーズブランドのウイスキー」です。
ボトラーズブランドとは?
日本ではなかなか聞きなれないボトラーズブランドとは一体なんでしょう。
ボトラーズブランドというのは、簡単に言うと「蒸留所から樽ごと原酒を購入し、独自の熟成を行って瓶詰めし販売しているもの」です。
原酒を原料とした加工業者のようなイメージでしょうか。
日本のウイスキーは1つの生産から販売まで一貫して行っていることがほとんどです。しかし、海外では日本のように一貫して行なっている蒸留所って実はなかなかないんです。
理由はいくつもありますが、原因としてよくあげられるのは“蒸留所に資金が足りていない”から。
自分たちで生産したものを販売まで行うのは実はかなりお金のかかることなんですよ。
そこで生まれたのがボトラーズブランドという形態です。
瓶詰めや販売をボトラーズブランドに任せることができれば、蒸留所はウイスキーの生産だけに集中することができますよね。
逆にボトラーズブランドは原酒を購入すれば自社のラベルでウイスキーを販売することができる。
WIN-WINの関係だと思いませんか?
熟成方法1つで大きく味の異なるウイスキーのがウイスキーのポイント。
つまり、ボトラーズブランドの商品ではオフィシャルブランドでは味わえないウイスキーや、同じ原酒を使用していたとしてもボトラーズブランドごとに違った味わいを楽しむことができるんです!!
ボトラーズブランドを味わってみよう
ボトラーズブランドの1番の魅力は少量生産であるため、まったく同じ味のウイスキーには2度と出会えないということ。
一期一会なウイスキーなんですね!!
大量生産ではないので当たり外れがあるところもボトラーズブレンドならでは。
こういった部分も楽しみ方の1つにしてみてくださいね!!
今回は代表的なボトラーズブランドのウイスキーを紹介していきます。
ケイデンヘッド社
最初にご紹介するのは1842年創業したスコットランド最古のボトラーズブランドである「ケイデンヘッド社」です。
チルフィルター（冷却濾過）やカラーリング（着色）を行わない自然な状態のウイスキーを提供しています。
170年以上の歴史によって築かれた蒸留所とのつながりと品質の良いウイスキーを選び抜く力は群を抜いています。
なるべく多くの方に味わってもらいたいという思いからなるべく低価格でウイスキーを販売しているとのこと。
そのためパッケージはかなりシンプルですが、味は格別!!
大量生産ではないので、1度であっても次に出会えるかは分かりません。
見つけたら即購入が鉄則!?なウイスキーです。
●ゴードン&マクファイル社
「ゴードン&マクファイル社」も、ボトラーズブランドとして有名な会社。
ウイスキーが好きな方なら、1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか？世界的にも『ボトラーズといえばここ!』というくらいよく知られています。
実は1895年に創業されており、かなりの歴史を有しているんです。
膨大な数の古酒のストックしており、有名なものから無名なものまで、様々な蒸留所の原酒を独自に熟成し、ボトリングしています。
なんと既に閉鎖されてしまった蒸留所の原酒も保有しているんだとか。
また当たり外れのあるボトラーズウイスキーの中では安定した品質を保っており、信頼度の高いブランドです。
ボトラーズブランドを買うのは初めて、という方なら味が安定しているゴードン＆マクファイルがおすすめですよ。
キングスバリー社
最後にご紹介するのは「キングスバリー」。
スコットランド・アバディーンに創業し、1989年よりシングルモルトのボトリングを開始しました。
その後はロンドンに事務所を置き、数々の伝説的なウイスキーを販売し続けています。
先程ご紹介したゴードン＆マクファイル社やケイデンヘッド社がだんだん有名になってきた時代から樽の選定やシングルカスクという概念、ノンチルフィルタレーションなど独自のこだわりを持っていました。
特にチルフィルタレーションは当時流行していたものなので、それをあえてしない!というところに強い意志を感じますよね。
それもすべて「シングルモルトウイスキーの魅力を存分に引き出すため」。
キングスバリー社は年代ごとに変わるシングルモルトの味わいを活かす熟成をポリシーとしています。
そのためあまり冒険はせず、ボトラーズブランドの中ではかなり正統派。
安いものは3000円から、高いものはウン十万円までかなり幅広い価格帯が揃っていますよ。
まずは手の出しやすい価格から試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ボトラーズブランドは自分たちで原酒を蒸留していない分、「熟成」という部分に強いこだわりを持っているんです!!
少量生産で貴重なものが多いので、ビビッときたら即購入しないと後悔してしまうかも…??
ウイスキー好きな方はぜひ1度味わってみてくださいね。
