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修道院で作られた神聖なビール!?トラピストビールって何だろう

突然ですが、皆さんはベルギービールを飲んだことがありますか? 近年のクラフトビールブームの影響を受け、都内にもクラフトビール専門店がたくさんありますよね。 クラフトビールのお店へ行けば絶対に置いてある「ベルギービール」で …

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突然ですが、皆さんはベルギービールを飲んだことがありますか?
近年のクラフトビールブームの影響を受け、都内にもクラフトビール専門店がたくさんありますよね。

クラフトビールのお店へ行けば絶対に置いてある「ベルギービール」ですが、このベルギービールの中でもとても貴重な「トラピストビール」をご存知でしょうか。

今回は、この「トラピストビール」について詳しく見ていきましょう。

トラピストビールは神聖なビール?


ヨーロッパの修道院で昔から行われてきたビール造りですが、中でもトラピスト会修道院のもとで造られる上面発酵ビールが「トラピストビール」です。

トラピストビールという名称はトラピスト会修道院の基準を満たしたものしか名乗ることができないものになっています。

現在の基準は①トラピスト会修道院の修道士が自ら醸造、または修道士の監督の元で造られたものである②修道院の敷地内の醸造所で造られている③営利目的ではなく、利益は修道院のために使い、残りは慈善団体に寄付する、の3つです。

このような厳しい基準があるため、トラピストビールと名乗れるビールを醸造しているのは『オルヴァル修道院』、『スクールモン修道院』、『サン・レミ修道院』、『ウエストマール修道院』、『シント・シクスタス修道院』『ベネジクトゥス修道院』、『コニングスホーヴェン修道院』、『シュティフト・ エンゲルスツェル修道院』、『セントジョゼフ修道院』、『ズンデルト修道院』、『トレフォンターネ修道院』の11ヶ所のみ。過半数の6つがベルギーの修道院です。

トラピストビールの特徴は醸造する修道院によって様々な特徴を持っていますが、全体的にアルコール度数が高く濃厚な味わいのものが多いことが特徴です。また瓶の中でも発酵熟成が続いているエールビールです。

民衆を守るために造られた!?トラピストビールの歴史


トラピストビールは、昔ヨーロッパで恐れられていたペスト菌コレラ菌から、民衆を守るために生まれたものでした。
ペスト菌やコレラ菌が生水から感染することを知った聖人たちが、民衆にワインやビールを飲むことを勧めたことから始まったのだそうです。ワインやビールはアルコールを含んでいる他、ビールは一度煮沸をしてから醸造するため、生水と比べて安全性の高い飲み物だったのだとか。

修道院でのビールの醸造は、11世紀頃にベルギーのスクールモン修道院が始まりとされています。
聖人たちの教えにより、キリスト教の普及とともにトラピストビールは民衆へと広まっていきました。

また、病院の役割も果たしていた教会では、安全な水分かつ栄養価の高い飲み物、そして香薬草を使った薬として、ビールが重宝されていました。

このような状況から大きく拡大したキリスト教勢力。ですが、宗教弾圧やフランス革命の影響により多くの教会が破壊されたことや、第1次世界大戦で醸造が中断となったこともありました。しかしそのような多くの困難を乗り越え、今もトラピストビールは醸造され続けています。

また、現在でも修行のため40日間の断食をする修道僧たちも、ビールを飲むことだけは許されています
これはビールは「液体のパン」と呼ばれているほど栄養価の高いという証拠。
栄養の観点からビールを見ることはなかなかありませんが、楽しむために飲むだけでなく、昔も今も「栄養剤」として注目されています。

1度は飲んでみたい幻の「トラピストビール」

貴重なトラピストビール、知れば知るほどその味を確かめてみたくなったのではないでしょうか…?
今回は、日本にいてもポチッと買えてすぐに届く、オススメのトラピストビールをご紹介します!

■ウェストマール修道院 『ウェストマール トリプル』

ウェストマール修道院はベルギーにある、カトリックの修道院です。
始まりは1836年にマルティナス・ドム修道院長が小規模の醸造所を作ったことで、修道士のための自家用ビールが造られるようになったことから。
1870年から地元限定でビールの販売が始まりました。

1920年には本格的な醸造が始まり、現在ウェストマールはトラピストビールの生産量No.1を誇っています。
最も入手困難と言われている幻のトラピストビールウエストフレテレンと同じ酵母を使用しています。

美しい黄金色で、フルーティーさとホップの苦味がバランスよく、世界のビール通に絶賛されています
古い歴史に思いを馳せながらゆったりと味わってみてはいかがでしょうか。

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■スクールモン修道院 『シメイ ブルー』

スクールモン修道院はベルギーにある、カトリックの修道院です。
中世からビール自体の生産は行われていたものの、トラピストビールとしての生産が始まったのは、1862年からと言われています。
これは、地域の失業者を雇用するという目的もあったのでそう。

現在はシメイビール株式会社によって生産と販売が行われていますが、製造は修道院内の醸造所で行われ、院内の井戸水が使用されており、製造過程で出る麦のカスなどは家畜の飼料に利用されています。
ビン詰されたビールは3週間ほど再発酵を経て、私たちの元に届きます。

「シメイ ブルー」はシメイビールの最高峰とも言われている一品
後味のスッキリさが特徴的です。
こちらも香り豊かなビールなのでゆったりと飲むのがオススメです。

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■ウェストマール修道院 『アヘル ブラウン』

ACHEL BROWN(アヘル・ブラウン) 330ml

アヘル修道院はオランダとベルギーの国境にある修道院です。

1998年にトーマス・サス修道士が修道院内のアヘル醸造所で最初の醸造を始めました。最初に造られたアヘルビールは醸造設備の隣にあるカフェで、タンクから直接注いで飲むことができたそう。これは世界で唯一のトラピスト修道院内のパブとなっています。

瓶詰めとして発売されたのは2001年のことなのでまだ歴史の浅いビールです。

「アヘル ブラウン」は麦芽の甘い香り、フルーツの香り、醤油の香りなど、複雑な香りが特徴的な商品です。
アルコール感も強く、1杯飲んだだけで大きな幸福感に満たされます。
香りを存分に楽しみながら味わってみてくださいね!

まとめ

幻の「トラピストビール」について詳しくなれたでしょうか。

修道院で造られたビール…想像するだけでワクワクしてきます。

普段飲みではなく、少し特別な日に飲みたいビールですね!ぜひ、歴史を感じながらゆっくりと楽しんでみてください。

《まりん》

まりん

ビール好きな女子大生。女性がよりお酒を楽しめるような情報を大学生の目線でわかりやすく発信していきたいなぁと思っています。

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