すっきりした飲み口からフルーティな甘みのあるものまで、幅広い味わいが楽しめるリンゴのお酒「シードル」。近年市場でも多く出回るようになり、ご家庭で飲まれたことのある方も多いかと思います。
今回は料理との相性も良いことから食中酒としても人気のシードルを、お酒の専門家である私がランキング形式でご紹介します。
シードルとは
シードルの定義は「リンゴに属する果実を発酵して作るアルコール飲料」となっています。そのため、一般的には「リンゴから作られるスパークリングワインまたは発泡酒」のことをさしますが、リンゴの仲間である梨で作るお酒もシードルになります。
「シードル」と言う名前はフランスでつけられた名称で、その他の国では以下のようにそれぞれ違います。
・フランス→シードル
・アメリカ→ハードサイダー
・イギリス→サイダー
・ニュージーランド→サイダー
・スペイン→シドラ
・イタリア→シドロ
・ドイツ→アプフェルヴァイン
上記の国の他にも、オーストラリアやスイス、スウェーデンで盛んに栽培されていますが、近年では日本でもリンゴの生産地として有名な北海道や青森や長野で、シードル醸造所が増えてきています。
シードルの種類と、選び方は?
「ヨーロッパタイプ」「イングリッシュタイプ」
シードルは大きく分けると「ヨーロッパタイプ」と「イングリッシュタイプ」に分かれます。ヨーロッパタイプは、フランスやスペインで作られているような、りんごの果実味を感じられるフルーティな味わいが特徴です。
一方、イングリッシュタイプは、スッキリした味わいでビールに似たような感覚で飲めることが特徴で、イギリスやニュージーランドはこちらのタイプと言えるでしょう。
どちらも食事と合わせやすいですが、ヨーロッパタイプは食前酒として、イングリッシュタイプは食中酒として楽しまれる方が多いです。
「発泡性」「非発泡性」
また、シードルというとしゅわしゅわとした泡のタイプをイメージされる方が多いと思いますが、スティルタイプ(非発泡性)のシードルもあります。
スティルタイプのシードルは見た目、味わいともに白ワインと似たようなニュアンスになりますが、アルコール度数は2~8%と低めなので、アルコールに強くない方でも、ワインより飲みやすいことから、幅広い世代から支持を受けています。
発泡性でも非発泡性でも食事とのペアリングはとてもいいので、ぜひいろいろと試してみて下さい。
シードルはクラフトビール好きにオススメ!
シードルは、近年クラフトビールが盛んに作られているアメリカの西海岸やオーストラリアでの市場が伸びています。
その理由の1つとして挙げられるのが、醸造家によって味わいやコンセプトが多種多様である点。これは造り手の思いが反映されやすいクラフトビールに通ずるものがあり、世界中のクラフトビール愛好家がシードルに注目しています。
また、甘くなく、すっきりとした飲み心地で、更にビールと違ってプリン体がほぼゼロという点も人気の理由の1つです。
健康に気を使う方々が多い昨今、クラフトビール愛好家の方はシードルも同様に愛飲することになるかもしれませんね!
人気のシードルランキングTOP10
10位:ロイックレゾン ボレ・ド・アルモリック・ブリュット
まずは、フランスでNO1のシードルメーカーである「ボレ・ド・アルモリック」のシードルをご紹介。ボレ・ド・アルモリック社は、シードルをフランス国内でいち早く市場に広めたメーカーとして有名です。
高品質の天然果汁を使ってつくるその味わいは、リンゴの酸味がしっかりと引き立っていて、食事との相性はとても良いです。よく冷やしてお楽しみください。
9位:バロークス・シードル
珍しい缶タイプのシードル「バロークス・シードル」。容量も250mlと飲みきりサイズなのが嬉しいですね。
フレッシュなアロマとクリアでドライな後味。食前にビール代わりとしてバロークス・シードルで乾杯するのもアリ!
8位:マグナーズ・オリジナル・サイダー
お次は、アイルランド産のシードルをご紹介。「マグナーズ・オリジナル・サイダー」は、17種類のリンゴをブレンドして2年熟成された後に出荷される、爽やかな口当たりで非常に飲みやすい一本です。
アイルランド国内はもちろんのこと、ヨーロッパ近隣諸国やアメリカ、そして日本でも徐々に知名度をあげてきています。都内のバーやパブにもよく置かれるようになりました。グラスに移さずに、そのまま瓶でぐいっといくのが本場スタイル!
7位:ストロングボウ・ゴールドアップル
私がバーテンダーをやっていた時にも出していたシードル「ストロングボウ・ゴールドアップル」。カジュアルに楽しめる親しみやすい味わいで、ビールが苦手な方にオススメしていました。
そのまま飲むのもいいですが、大きめの氷をいれたロックグラスに入れてカクテルのように楽しむのが◎。アルコール度数は5%でりんごの甘みをほのかに感じられるので、女性にオススメです。
6位:ジョーカーズ・ファームハウス・サイダー
自家栽培の有機リンゴを100%使用し、添加物、保存料を一切使用していない本格派のオーガニックシードル「ジョーカーズ・ファームハウス・サイダー」。
アップルジュースのようなジューシーな果実味と、さわやかな酸味が特徴的。リンゴのありのままの味わいを忠実に再現した一本です。
5位:ヒルズ・サイダー アップルシードル
オーストラリア生まれの本格シードル「ヒルズ・サイダー アップルシードル」。まるでリンゴをそのままかじったかのような、果実味たっぷりのシードルです。爽やかな甘みを感じますが、料理の味を邪魔しない心地よい飲み口のため、食中酒としても最高。
ジューシーなソーセージやアクアパッツァ、ローストポークなど、メインのお料理とも幅広くマッチします。
4位:シードル・ヴァルドランス・ブリュット
フランス産のオーガニックシードル「シードル・ヴァルドランス・ブリュット」は、青りんごのような爽やかさが際立ち、飲み口はあっさりドライ。スパークリングワインと同じように、食前、または前菜にあわせて楽しんでいただきたい1本です。
微発泡なので、泡自体はとても優しめ。ソフトな口当たりなので「強炭酸が苦手!」という人にもおすすめ。
3位:りんご屋まち子の アップルシードル
「りんご屋まち子の アップルシードル」は国産・日本生まれのシードルです。日本人にとって昔から親しみのある「ふじ」を100%使用。岩手の大船渡で、樹齢が高いリンゴの木と樹齢の若いリンゴをブレンドして作っています。
味わいはフルーティで、果実味のある辛口。幅広いお食事と上手にマッチします。
ラベルも可愛らしいので、贈呈品としてもバッチリです!
2位:マエロック
チャーミングなおじさんが印象的なエチケット(ラベル)のシードル「マエロック」。スペインで最大のリンゴ産地であるガリシア地方で栽培されたリンゴを100%使っています。
マイルドな飲み口で、後味に少し甘みを感じる味わい。氷を入れてロックスタイルで飲むのがオススメ!
1位:サミエルアダムス アングリー・オーチャード・ハードサイダー
今回1位に選出したのは、アメリカで圧倒的な知名度を誇るクラフトビール「サミュエル・アダムス」のボストンビール社がリリースするハードサイダー「アングリー・オーチャード・ハードサイダー」です。
リーズナブルな価格で、フルーティな味わい。スパークリングワインのような繊細なリンゴのアロマを感じます。カルパッチョや生ハム、チーズの盛り合わせといった前菜にあわせて、ぐいぐい飲めてしまう親しみやすいシードルです。
ビール代わりに!カジュアルにシードルを楽しもう!
シードルは肩肘張らずに、カジュアルに楽しむのが一番。瓶のまま直接飲んでも、グラスにうつしてロックスタイルで飲んでもOKです!
甘口から辛口まで幅広くあるので、ご自身に合ったシードルを見つけてみてください。これから夏本番、シードルで乾いた喉を潤してみてはいかがでしょうか。