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78度の高濃度アルコール泡盛にVtuberコラボ!?泡盛業界の常識を変える久米仙酒造の新しい試み

沖縄の伝統的なお酒・泡盛。「旅行にいくと泡盛を飲む」というファンもいますが、「泡盛は度数が高いし…」「クセが強そう」といったイメージを持っている方もいるはず。 現地ではどの居酒屋にもおいてあるほどポピュラーなこの酒ですが …

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沖縄の伝統的なお酒・泡盛。「旅行にいくと泡盛を飲む」というファンもいますが、「泡盛は度数が高いし…」「クセが強そう」といったイメージを持っている方もいるはず。

現地ではどの居酒屋にもおいてあるほどポピュラーなこの酒ですが、その他の地域ではまだまだ日常的に飲むお酒ではありません。しかし、泡盛は日本の焼酎文化の元祖とも言える存在。「泡盛の良さを全国の人にもっと伝えていきたい!」と、泡盛業界の人々は常に試行錯誤を繰り返しているのだそう。

そんな業界の中でも、古い時代から革新的な活動をし続けている会社の1つが「久米仙酒造」。2020年5月には、コロナ禍の日本に貢献すべく異例の「高濃度アルコール度数泡盛」を開発し話題となりました。今回は、そんな久米仙酒造の代表である比嘉さんに会社の取り組みや、これからの泡盛業界について詳しく語っていただきました。

コロナ禍の日本に貢献したい!久米仙酒造初の高濃度アルコール泡盛を開発


2020年の4月16日に発令された緊急事態宣言。コロナウィルスを封じ込めるために、全国的な自粛が求められる中で、消毒用アルコールの不足は社会的な問題となっていました。そんな中「お酒の業界として、この危機に何ができないものか」と考えたという久米仙酒造。

社員全体で考えた結果、これまで造ったことのなかった高濃度アルコール度数の「泡盛78度(NAHA)」「泡盛67度(MUNA)」を醸造することを決意したのだそう。アルコール度数78%の泡盛は、業界の中でもかなり異例の商品です。

この度数は、厚生労働省の特例方針に則した、医療用に代用できる商品としての基準。全国の一般消費者に「泡盛67度(MUNA)」発売を行う前に、まずは地元沖縄で頑張っていただいている医療機関へと、「泡盛78度(NAHA)」優先的に供給していったのだそう。

泡盛業界の中でも革新的な動きを続けてきた久米仙酒造

▲久米仙酒造株式会社の社長・比嘉さん

-泡盛としては、聞いたことがないほど高いアルコール度数の商品ですよね!どのような経緯で発売に至ったんですか?

比嘉さん

確かに、今回発売した高濃度アコールの泡盛は業界内でも異例の試みです。お酒を取り扱う居酒屋なども自粛しているなかで、酒造メーカーも「家飲み」を推奨するくらいのことしかできませんでした。そんな中、国の特例法で「酒造メーカーが力になれる!」ということになり、急ピッチで商品開発を行いました。

通常は新商品発売まで4ヶ月ほどの時間がかかるのですが、今回は何よりもスピード感が大切だと思いましたので、各種申請やデザインも含めて約1ヶ月で商品発売までこぎつけました。

医療向けの78度は、1回で400Lほどしか作れない上に危険物となる関係もありましたので、より多くの人に届けたいということで67度の商品も造り一般発売させていただきました。

-コロナ禍の中だからこそ生まれた商品だったんですね!

比嘉さん

そうですね。それに加えて、2020年4月1日から改正された規約も追い風になりました。この日から「アルコール度数は45%以上の物を泡盛と表記して良い」と規約が変わり、これらの高濃度商品も泡盛と表記することができるようになったんです。

また、ただ単純に消毒用のお酒というだけではなく、泡盛の可能性を広げるという中で新たなチャレンジの意味も込められているんです。特に「泡盛67度(MUNA)」は、一般の方も購入いただけるので、「飲んだ時にちゃんと美味しい泡盛に仕上げる」という部分にもこだわりましたね。


-これまで造ったことのない高濃度アルコール商品ですが、製造の際に苦労したことなどはありましたか?

比嘉さん

通常、製品として50度前後で仕上げる泡盛を再蒸留することで、高濃度を実現しています。高度数のアルコールに更に熱を加えるということで、安全面にはかなり気を遣いました。後は、度数のコントロールも計算しながら開発したため苦労しましたね。酒類に関しては、67度前後で危険物扱いになる中で、ギリギリの67.3%に仕上げたのは私達としても非常にチャレンジングな経験でした。

また、美味しい製品を造りたいという想いもありながら、消毒用としても使っていただくことが根底にあります。香りを出しすぎない“バランス感”も試行錯誤しました。

久米仙酒造の工場内写真▲久米仙酒造の工場内で真剣に作業するスタッフ

-実際に商品を購入したお客様からは、どんな声が届きましたか?

比嘉さん

当初は、消毒用での用途がメインで購入いただいたのかなと思っていたのですが、「2本買って1本は消毒用に、もう1本は飲みました」という声も多くて、味に関しても好評をいただけているようで嬉しい限りです。

-どのような飲み方で楽しまれる方が多かったんですか?

比嘉さん

弊社の女性社員が、「キャップ1杯分程度の高濃度泡盛をジュースで割ると美味しい!」と飲み方を提案してくれたのですが、発売の際にHPやパンフレットなど発信してた結果、この飲み方で楽しんでくれた方が多かったみたいです。これくらいのバランスで作ることで、泡盛独特の甘みが加わって美味しいカクテルになるんですよね。

普段は泡盛を飲んでいなかった方が、美味しさを知ってくれたことも嬉しいですし、“泡盛の新しい可能性”としてこういったジャンルの製品もアリなんだなと気付かされましたね。

若い世代にも泡盛を知ってもらいたい!「泡盛業界の入り口」になるべく久米仙酒造が行なってきた様々な活動

ではじめ古酒

▲久米仙酒造の新商品「てはじめ古酒」

高濃度アルコール製品「泡盛78度(NAHA)」「泡盛67度(MUNA)」も、新しい試みとして注目された久米仙酒造ですが、過去にもその時代に合わせた新たな活動を行なってきたのだそう。

その中でも泡盛のイメージを変えたという、代表的な3つの活動について教えていただきました。

1.グリーンボトルの発売

▲久米仙のロングセラー商品「グリーンボトル」

比嘉さん

現在では久米仙酒造のお馴染みとなっているグリーンボトルですが、発売当時はかなり異例の商品でした。それまでビール瓶に詰めて売られていた泡盛に、専用のボトルを作って売り出したんです。これが、沖縄に進出した居酒屋に導入されたことをきっかけに、爆発的に売れるようになり、泡盛の新しいカタチを提示することができました。

ボトルを目新しくしたところもそうですが、実はそれにあわせて蒸留方法も変更したんです。当時の泡盛からすると、かなりすっきりとした味わいに仕上げた点も、1つのチャレンジでしたね。

2.モンゴルでの泡盛醸造

日本泡盛

▲内モンゴルで培った技術を活かした「日本泡盛」

比嘉さん

日本(ジャポニカ)米は、タイ米よりも水分管理・麹(こうじ)づくりが難しく、一般的に泡盛は沖縄の気候に適しているタイ米が使われています。 ジャポニカ米を原料とした泡盛製造は、既に業界初の海外製造拠点「内モンゴル工場」で成功させていました 。このノウハウを活かし、より本格的に熊本産ヒノヒカリを原料とした泡盛製造にチャレンジしたのがこの時でした。

試行錯誤の連続でしたが、おかげで日本米の優しい甘さとフルーティーな味わいの新しい泡盛を実現することができました。

「日本泡盛」は熊本産ヒノヒカリを原料としましたが、ゆくゆくは全国各地の美味しいお米を使った泡盛にも挑戦していきたいと考えています。

3.業界初!「泡盛珈琲」の商品化

▲コーヒーにキャラメルテイストが加わった甘いリキュール「泡盛珈琲」

比嘉さん

久米仙酒造としては、「これまでの常識にとらわれない、新しい飲み方の提案もしよう」という想いのもと、泡盛で造ったリキュールなどの開発にも取り組んでいます。その中で生まれた商品の1つが、「泡盛珈琲」でした。せっかく作るのであれば、沖縄の素材や文化を活かした製品にしようということで、沖縄のバーテンダー協会に相談しながら様々な試作品を造りました。ゴーヤを使ったり、パイナップルを使ったりと試行錯誤した結果、コーヒーとの相性が抜群だったんです。

実は、沖縄では泡盛をコーヒーで割って楽しむ飲み方がけっこうポピュラーなんですが、商品としてはどのメーカーも出してなかったんですよね。若い人達にも泡盛に触れてほしかったので、キャラメルテイストも入れた比較的甘い作りのリキュールに仕上げたのですが、想像以上に好評をいただけまして、今でも人気の商品になっています!

これからも新しい活動を続ける久米仙酒造!Vtuberコラボや新商品も続々

久米仙酒造の商品

今後も、新たな試みを多数考えているという久米仙酒造。最後に、泡盛業界が抱えている課題や今後のビジョンについてお話を伺いました。

-「若者のお酒離れ」が叫ばれていますが、泡盛業界としても同様の課題があるのでしょうか?

比嘉さん

そうですね、実際に県内・県外どちらの消費も4%ずつ下がっているのが泡盛の現状です。確かに「若者のお酒離れ」なんて言葉もよく聞きますけど、それ以上に“お酒の飲み方が変わってきている”んですよね。

居酒屋でも、「1本のボトルを購入してグラスに氷を入れて飲む」といった昔からの飲み方をしているのは、やはり年齢の高い人ばかりなんです。若い人たちは、泡盛を飲む時でもボトルでは頼まずにグラス(単品)で注文しますからね。そういった、時代の流れに泡盛業界があまりついていけていないのが、現状の課題としてあります。

後は、やはり認知度が低いですね。泡盛は「度数が高いお酒」「香りが強いお酒」といったイメージを持たれる方が多いとは思うのですが、「なぜ泡盛は度数が高いのか?」という根本的な情報がうまく伝わっていないんです。「熟成させて古酒として美味しく楽しむには、ある程度の高い度数で造ったほうが良い」といった背景を知っていただくと、またイメージも違うと思うんですよ。

飲み方に関しても「ストレートやロックで飲む」といった昔ながらの提案が、独り歩きしてしまっている気がします。色んな飲み方で楽しめるはずなのですが、沖縄での飲み方と、それ以外の地域の方々が想像している飲み方とのギャップが大きいというのが難しいポイントですよね。

そういった意味でも久米仙酒造としてだけではなく、業界として正しい情報発信をしないといけないなと思っています。

-なるほど、泡盛の良さを伝えるためには正しい情報発信が不可欠なんですね......。それでは最後に、今後どういった商品を発売していくのかや新たな試みとして考えている活動の内容を教えて下さい!

比嘉さん

今回発売した高濃度アルコール製品「泡盛67度(MUNA)」が、お客様から非常に好評だったことで泡盛の新しい可能性を感じました。コロナ以降も、通常の商品としてこの技術を活かした製品を造っていきたいと思います。

また、沖縄の良さ・楽しさを全国の方々に伝えるのは、泡盛の魅力を知ってもらう上で必要不可欠。そういった点で、製品を造る以外の観点からも久米仙酒造として様々な活動を行なっていく予定なんです。例えば、Vtuber『根間うい』さんとのコラボもその1つ!

比嘉さん

お互いに沖縄の魅力を伝えたいという部分で同じビジョンがありましたので、工場見学をしていただいた様子を発信するといった取り組みも行なってきました。

7月にはコラボ商品としてチョコレートを使った泡盛リキュールを発売する予定ですので楽しみにしててください!

その時代ごとに、新たな取り組みで泡盛の素晴らしさを伝え続けている久米仙酒造。泡盛の伝統性を守りながらも、常に一歩先を行き“泡盛の未来”を模索している姿勢を伺っていると、なんだか無性に泡盛が飲みたくなってきました。

新たな商品だけでなく、泡盛のすばらしさを全国に届けるメディアやSNS等での発信にも注目していきたいですね!

※提供:久米仙酒造株式会社

《久米仙酒造》

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