カクテル「雪国」は、日本生の真っ白い雪のような綺麗なカクテルです。見た目はさることながら、爽やかさと甘さが楽しめるカクテルとして人気を博しています。
この記事では、カクテル「雪国」の美味しい飲み方や作り方、誕生秘話、カクテル言葉など、魅力を余すことなくご紹介いたします。
カクテル「雪国」とは
雪国ってどんなカクテル?
雪国はウォッカベースのショートカクテルです。おしゃれなカクテルはカットフルーツが浮かんでいるものが多いですが、雪国はグラスの底にフルーツが沈んでいるのが特徴です。
雪をイメージしたカクテルは、グラスのふちに塩がついているスノースタイルが有名ですが、雪国のスノースタイルには塩ではなく、砂糖を使います。
雪国の味の特徴
ウォッカベースのカクテルですが、砂糖が使用されるなど甘いテイストが入っているため女性でも飲みやすいのが特徴です。ライムジュースも入るため、甘さの中にすっきりとした酸味も感じられます。
底に沈んだチェリーを最後に食べるので、食後のデザートとしてBARやレストランで注文する人もいます。
雪国のアルコール度数とは
レシピにもよりますが、雪国のアルコール度数は25%以上であることがほとんど。酸味のある甘さで女性でもグイグイ飲めてしまいますが、アルコール度数は高いので気を付けてくださいね。
雪国のような短時間で飲むショートカクテルは、基本的にアルコール度数が高いことを覚えておきましょう。
雪国の名前の由来
カクテルの雪国は、川端康成の小説「雪国」に由来しています。カクテルとしては珍しく、日本生まれなのが特徴です。
底に沈んだフルーツと白い見た目が、積もった雪の隙間から地面の草が見えているような日本らしい情緒のあるカクテルです。
小説の「雪国」は温泉街でひたむきに生きる女性たちの姿に感銘を受けた男性の心の揺れ動きを、美しい文章でつづった作品です。カクテルも小説のロマンチックな雰囲気そのままを表現しています。
雪国の歴史について
カクテルとしては珍しく、1959年に山形県酒田市の喫茶店で誕生しました。カクテルはBARで生まれることが多いのですが、レストランや喫茶店などの飲食店でも考案されることがあります。酒田市の喫茶店・kern(ケルン)の経営者である井山計一さんが考えました。
川端康成の「雪国」は日本をはじめとするアジアだけではなく、世界中で愛されている作品なのでカクテルの雪国も世界中の人に飲まれています。
雪国のカクテル言葉
雪国のカクテル言葉は「恋を占う」です。
小説に登場する島村と駒子の繊細で、ひたむきな恋模様を思わせます。意中の人と飲んだり、恋人と飲んだりすると距離が縮まるかもしれません。
雪国のカロリーとは
甘口のカクテルはカロリーが気になりますが、雪国のカロリーは214kcalです。ビールをジョッキで飲むとだいたい200kcalなので、かなりの高カロリーですね。砂糖を使ったスノースタイル、底にチェリーを沈めるスタイルが、カロリーが高い原因です。
この2つは雪国の基本スタイルなので、カロリーが心配な場合は注意が必要ですね。
高カロリーと聞くとデメリットに感じるかもしれませんが、その分、雪国には栄養素が豊富です。約8gの炭水化物、カリウム、リン、ビタミンEなどが含まれます。
雪国はこう飲む!美味しい飲み方解説
雪国をはじめとするスノースタイルのカクテルは、ふちについた砂糖や塩をカクテルと一緒に飲むのが基本です。飲むたびにグラスを少しずつ回して、一口一口砂糖とカクテルを一緒に味わいましょう。
専門家の一言メモ
雪国に似たウォッカベースのカクテルにバラライカがあります。バラライカは、ライムジュースではなくレモンジュースを使ったカクテルです。仕上げにカットレモンを浮かべます。
美味しい雪国の作り方・レシピ
雪国の作り方
レシピ
・ウォッカ 40ml
・ホワイト キュラソー 10ml
・ライムジュース(ライム コーディアル) 10ml
・マラスキーノ チェリー 1個
・レモン果汁、砂糖 適量
レモン果汁と砂糖でグラスをスノースタイルにします。次に、シェイカーにすべての材料を入れてシェイクします。90mlでいっぱいになるカクテルグラスに黄緑のマラスキーノ チェリーを入れ、そこにシェイクしたカクテルを注ぐと、見た目が綺麗に仕上がります。
グラスをスノースタイルにする方法は、お皿にレモン果汁を入れてグラスを伏せて浸し、砂糖を別のお皿に入れてグラスを伏せてふちにつけます。スノースタイルにしてから、材料をシェイクしてそそぎましょう。
雪国の材料について
甘口のカクテルが少し苦手という場合は、ライムジュースを加糖ではないものにするのがおすすめです。雪国に使うライムジュースはグリーンよりも透明に近いものにすると、雪国らしい透明感のある乳白色になります。
またウォッカをよく冷やしておくことも大切ですし、カクテルグラスをよく冷やしておくのも忘れないようにしてください。
専門家の一言メモ
マラスキーノ チェリーは緑色のものを選びましょう。もし見つからない場合は、ライム チェリーで代用できますよ。
雪国のお酒はどのように選ぶ?
雪国にはどんなお酒を使えばいいのでしょうか?ここからは雪国に合うお酒の選び方を紹介していきましょう。
雪国におすすめのお酒(銘柄名)
・世界中で愛される雑味がないウォッカ「スミノフレッド」
・安価でカクテルに最適な「ギルビーウォッカ」
・オレンジをはじめとする柑橘類の透明キュラソー「トリプルセック」
・自社農園で栽培された2種類のオレンジを使ったリキュール「コアントロー」
「専門家の一言メモ」
雪国に使うライムジュースは、スピリッツと相性のいい「サントリー カクテルライム」がおすすめです。手ごろな値段ですし、日本産なので日本生まれのカクテルとよく合います。
雪国が題材のドキュメンタリー映画がある
雪国が誕生してから60年を記念して、2019年にドキュメンタリー映画『YUKIGUNI』が公開されました。考案者であり、最長老・現役バーテンダーである井山計一さんが出演しています。
ナレーションは俳優の小林薫さんが担当していて、監督は『よみがえりのレシピ』『おだやかな革命』で知られる山形県在住の渡辺智史さんです。
雪国以外のウォッカを使ったカクテル 5選
◯コーヒーリキュールを使った「ブラックルシアン」
材料
・ウォッカ 40ml
・コーヒーリキュール 20ml
・氷 適量
作り方
氷を入れたグラスに、ウォッカとコーヒーリキュールを注いでよく混ぜれば完成です。
溶けにくい純氷を使用すると、氷がとけて味が薄くなるのを防げます。エスプレッソリキュールを使用すると、より味に深みが増します。
ブラックルシアンは、コーヒーの香りと甘い風味が特徴のカクテルで、もともとは食事の後の飲み物として考案されました。甘口なので飲みやすいですが、アルコール度数がだいたい30度~35度と高めなので飲み過ぎには注意しましょう。
クリームを乗せれば、デザート系のカクテル・ホワイトルシアンにアレンジすることも可能です。
◯ブルーキュラソーを使った「ブルーラグーン」
材料
・ウォッカ 30ml
・ブルーキュラソー 10ml
・レモンジュース 20ml
・ソーダ 適量
作り方
ウォッカ ・ブルーキュラソー・レモンジュースをシェイクしてグラスに注いでオレンジ・レモン・チェリーなどを飾りつけて完成です。
ブルーラグーンは南国の海をイメージしたカクテルで、「ラグーン」は波が穏やかな湾のことを指しています。アルコール度数はだいたい24度前後で、ロングスタイルになると度数がもっと低くなるため、お酒が弱い人でも楽しめます。
また、ブルーラグーンはショートカクテルとしてだけでなく、ロングカクテルとしても楽しめます。
◯赤い雪国のような見た目「ブリザード」
材料
・ウオッカ 35 ml
・ピーチ・リキュール 10 ml
・カンパリ(ハーブリキュール) 5 ml
・グレープフルーツジュース 35 ml
・レモンジュース 5 ml
作り方
シェイカーにウオッカとピーチ・リキュール、カンパリとグレープフルーツ・ジュースを入れ、シェイクします。チェリーやミントを飾って完成です。
ブリザードは、フルーティーな味わいですが、ハーブリキュールの1つ・カンパリを使用しているので、深いコクもあります。
ウォッカの有名銘柄の1つフィンランディアが開催した第1回カクテルコンペ世界大会で準優勝したカクテルです。
◯女性に人気の「スクリュードライバー」
材料
・ウォッカ 45ml
・オレンジジュース 適量
作り方
氷を入れたグラスに、オレンジジュースとウォッカを入れ、氷を持ち上げるようにして混ぜます。グラスの縁にスライスオレンジを飾り付けて完成です。
スクリュードライバーはネジまわしという意味のカクテルで、油田で働いていたアメリカ人が、オレンジジュースとウォッカを混ぜる際に、マドラー代わりにネジまわしを使用したことが名前の由来となっています。
オレンジジュースを使用した飲みやすいカクテルですが、アルコール度数は40度とかなり高めで、「レディ・キラー」の異名を持ちます。
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◯トマトジュースを使った「ブラッディ・マリー」
材料
・ウォッカ30ml
・レモンジュース 5ml
・トマトジュース 適量
作り方
氷の入ったグラスにウォッカ・レモンジュース・トマトジュースを入れ、軽くかき混ぜれば完成です。グラスの縁にレモンを飾ると華やかになります。
お好みで塩や胡椒、タバスコを加えるのもおすすめです。
ブラッディ・マリーは、ウォッカを使っていますが、トマトジュースで割っているので度数はだいたい12度前後と低めで、お酒が弱い方でも楽しめるカクテルです。
16世紀大勢のプロテスタントを処刑し「血まみれのメアリー(Bloody Mary)」と呼ばれたイングランド女王・メアリ1世がカクテル名の由来となっています。
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■まとめ
雪国は世界中で飲まれているカクテルです。高カロリーなことと、アルコール度数が高いことが初心者にはハードルが高いですが、甘口の強いカクテルが好きな人には最高の1杯ですね!