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定番カクテル「モスコーミュール」とは?美味しい飲み方や作り方徹底解説

カクテルの中で最も人気があり、かつ有名な「モスコーミュール」。 飲んだことはあっても、どのような材料が使われているのか、またどのような作り方がされているか、までは知らない方が多いかもしれません。 今回はモスコーミュールに …

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カクテルの中で最も人気があり、かつ有名な「モスコーミュール」。

飲んだことはあっても、どのような材料が使われているのか、またどのような作り方がされているか、までは知らない方が多いかもしれません。

今回はモスコーミュールについてのあれこれや作り方などをご紹介します。

「モスコーミュール」とは

モスコミュール

モスコーミュールってどんなお酒?

モスコーミュールは、基本ウォッカをジンジャーエールで割ったカクテルです。そこにライムジュースを加えたり、ライムが添えてあったりします。

モスコーミュールの味の特徴について

癖のない無味のウォッカに、炭酸飲料のジンジャーエールの爽快感とライムのスッキリとした味わいが加わり、爽やかさと飲みやすさをもち合わせているカクテルです。

味はほぼジンジャーエールで、ライムの香りと柑橘系の酸味が少し合わさったような感じです。ウォッカは味のないお酒ですが、アルコール度数は40度あるので口に入れる辛い感じがします。そのため、モスコーミュールの味は、キリッとした辛口のライム味のジンジャーエールをイメージするとわかりやすいかもしれません。

モスコーミュールのアルコール度数

ウォッカは銘柄によってアルコール度数が異なりますが、平均的には40度ほどです。モスコーミュールはウォッカベースのカクテルなので度数が高そうですが、15%前後のものが一般的です。ジンジャーエールで割っているので、想像よりは度数が低めです。(お店やバーテンダーによってウォッカとジンジャーエールの割合は変わります)

モスコーミュールは他のカクテルと比べてアルコール度数は低めのカクテルで、他のお酒と比べてもワインが10~14%程度、日本酒が15%程度、焼酎が20~25%程度ですので、そこまで高くないことがわかります。ただし、ビールのアルコール度数は5%程度なので、決して低いわけではないので、飲み過ぎには注意しましょう。

モスコミュールのカロリーや糖質

モスコーミュールのカロリーを一般的なレシピから計算すると、約140kcalになります。生ビールのカロリーは中ジョッキで約202kcalで、日本酒は1合で約170kcalですので、これらに比べると少なく感じますが、決して低いわけではありません。

また、材料にもよりますが糖質は14gあり、日本酒1合が約6.5gなので倍近くあります。モスコーミュールはさっぱりしていて飲みやすいカクテルですが、低カロリーのお酒ではないのでダイエット中などの時は飲み過ぎに注意しましょう。

モスコーミュールの名前の由来

モスコーミュールを直訳すると、モスコーがモスクワ(ロシアの首都)で、ミュールがラバですので、「モスクワのラバ」という意味になります。これは、モスコーミュールのベースであるウォッカの原産国がロシアであること、モスコーミュールがアルコールの強いウォッカベースのお酒で「ラバに蹴られたように」ガツンと効いてくるということが由来しています。

日本では「モスコミュール」と「コ」の字を短く発音することが多いのですが、英語圏では「コー」と伸ばした方が通じやすいので、覚えておくと良いですね。

モスコーミュールのカクテル言葉

モスコーミュールのカクテル言葉は、「喧嘩をしたらその日のうちに仲直りする」です。友人や家族、大切な人と喧嘩をしてしまった時は、モスコーミュールを一緒に飲んでみてはいかがでしょうか。自然と仲直りできるかもしれませんね。

モスコーミュールの歴史について

1940年にハリウッドのバーテンダー、ジャック・モーガンが、イギリスのリキュール「ピムスNO.1」を使ったカクテルを作る材料として、ジンジャービアを仕入れました。

ところが在庫が多量に残ってしまったので、処分するためにウォッカをベースにしたモスコーミュールを販売したのが始まり、という説があります。

ちなみにこのジャック・モーガンの友人が、自分の作った銅のマグカップを器にすることを提唱して以降、モスコーミュールは銅のマグカップで提供されることが一般的になりました。

その他には、1946年ハリウッドのサンセット大通りにある「コックンプル」というレストランから生まれたという説もあります。

また、西ヨーロッパで初のウォッカメーカーであったヒューブライン社のスミノフブランド販売促進のため、スミノフを使ったカクテルを大々的に宣伝してアメリカ中に広がっていった説も。さらにはジャック・モーガン氏とヒューブライン社が手を組んで広めたという説もあります。

有名どころのカクテル、モスコーミュールはその発祥についても多くの説があります。

バーでお酒を飲む際に、バーテンダーさんと諸説について話をしながら時間を過ごすのも素敵ですね。どの説が本当なんだろう?と思いをはせる時間は、とても贅沢です。

専門家の一言メモ

他のカクテルは、世に広がるとともに提供される器も変わっていくことがままあります。しかしモスコーミュールは、銅のマグカップが長い間使われ続けています。銅の熱伝導性の良さが、冷えたカクテルの温度を保つのに向いていたのが理由と思われます。

モスコーミュールの材料について

ウォッカについて

ウォッカの原材料は大麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物、これを蒸留しています。主な生産地はロシアやポーランド、アメリカなどです。

ウォッカのアルコール度数は40度。自宅の冷凍庫に入れておいても凍ってしまわず、とろみが出る程度という特徴があります。

ジンジャーエールについて

ジンジャーエールは、生姜エキスなどによって風味付けされた炭酸飲料で、甘味が強く生姜風味控えめなことが特徴です。

ジンジャーエールには辛口タイプと甘口タイプがあります。好みや相性で使い分けるのがおすすめです。

販売されているジンジャーエールにはウィルキンソンやカナダドライといったブランドがあります。バーなどの店舗では自家製ジンジャーエールやジンジャービアを作っているこだわりの店舗も。家で作る時、店で飲む時、それぞれの店と味わいの違いを楽しむことができるでしょう。

専門家の一言メモ

外国では、モスコーミュールにジンジャーエールではなくジンジャービアを使うことがあります。ジンジャービアは、生の生姜に糖分と水を加えて発酵させて作られたもの。ジンジャーエールよりも、より刺激の強い生姜の炭酸ジュースで作っている、というとイメージしやすいかもしれません。

残念ながら日本では手に入りにくいため、ジンジャーエールが使われていることが多いようです。

モスコーミュールの作り方


一般的な作り方

材料&手順

・ウォッカ45ml
・ライムジュース15ml
・ジンジャーエール 90ml
・ライムをスライスしたもの1枚

①氷の入ったグラスにライムジュースを入れ、ウォッカを注ぎます。
②冷やしたジンジャーエールを注ぎ、軽くステアします。下から上に氷を動かすように軽く混ぜるだけで大丈夫です。
③スライスしたライムを添えます。

ウォッカの量とジンジャーエールの量を調節した、日本人に飲みやすいモスコーミュールのレシピです。

ウィルキンソンを使った作り方

ウィルキンソンの辛口ジンジャーエールは、カクテルに使われる1番メジャーな商品。生姜の辛みがかなり強めです。

材料&手順

・ウォッカ45ml
・ライムジュース15ml
・ウィルキンソン・ジンジャーエール90ml
・カット・ライム1つ

①グラスにカット・ライムを絞り、実もグラスに入れます。
②氷を詰めたグラスにウォッカとライムジュースを注ぎます。
③冷やしたジンジャーエールでグラスを満たし、軽くステアします。

このレシピですと茶色が強めの仕上がりで、アルコール度数は12%ほどです。

美味しいモスコーミュールを作るためのポイント

モスコーミュールはグラスに材料を直接入れて混ぜる「ビルド製法」というやり方でつくります。カクテルの作り方には他に3つの製法があるのですが、ビルドは中でも簡単な作り方です。ただし、美味しく作るためにはいくつかのポイントがあります。

1つ目は力強く混ぜないことです。ぐるぐる回すと氷が溶けやすくなってしまい、氷が溶けることでカクテルの味が薄まってしまうので丁寧に混ぜることが大切です。底に沈んでいるウォッカとジンジャーエールを、氷を持ち上げるように混ぜてみてください。

2つ目は材料を入れる時に氷にあてないで注ぐことです。こちらも氷が溶けないようにするためです。

3つ目は材料とグラスを冷やしておくことです。使用するウォッカとジンジャーエールを冷やしておくとまろやかな口あたりになります。グラスがぬるいと注いだカクテルもぬるくなってしまいやすいので、グラスも冷やしておくことも重要です。

専門家の一言メモ

モスコーミュールの基本レシピは、「ウォッカ3:ライムジュース1:ジンジャーエール6」と覚えると良いでしょう。家で作る時のために、分量やおいしい作り方をつかんでおくのは大切なことです。

モスコーミュールはこう飲む!美味しい飲み方解説

スコーミュールの味の要は、何といっても配分の多いジンジャーエールです。

上記でご紹介したウィルキンソンのジンジャーエールなら、ピリッと辛口に仕上がりますが、生姜の辛味が苦手な方は、飲みやすいには甘口のジンジャーエールを選びましょう。

また、ライムのかわりに日本独自の食材を使って和風にアレンジすることもできます。

柚子を使ったモスコーミュール

ライムの代わりに柚子を用います。柚子の香りのする和風っぽいカクテルになります。ジンジャーエールの代わりに柚子ジュースと炭酸水を使用すると、また違った柚子の効いたカクテルを楽しむことができます。

抹茶を使ったモスコーミュール

ライムの代わりに抹茶を使います。口当たりがさっぱりとした爽やかなカクテルを楽しむことができます。色も緑色になるので、普段と違う楽しみ方ができます。

混ぜる際はダマになりやすいので丁寧に混ぜていきましょう。

モスコーミュールのウォッカはどのように選ぶ?

ウォッカ

ジンジャーエールの味を引き立てるよう、無色でフレイバーのついていない、ピュアウォッカを選んでください。

ひとつ特筆すべきなのが、上記でジンジャーエールのブランドとして紹介したウィルキンソン。実は同名のウォッカ「ウィルキンソン・ウォッカ」も存在します。

雑味の少ない、クリアな味わいは、多くのカクテルを作るのに重宝されています。

同じ銘柄だけあって、モスコーミュールとしてジンジャーエールと合わせた時の相性は言うまでもなく抜群。価格も比較的リーズナブルなところが嬉しいですね。

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ウィルキンソン
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専門家の一言メモ

モスコーミュールはアルコール度数40度のウォッカを使用していますが、割ることにより口当たりがとても良くなり、ついつい飲みすぎてしまうことがあります。お酒に弱い方は気を付けて飲むことが必要といえるでしょう。

モスコーミュール以外のウォッカを使ったカクテル5選

ソルティードッグ

材料

・ウォッカ 45m
・グレープフルーツジュース 適量
・塩 適量

作り方

使用するグラスの縁に塩をつけてスノースタイルにします。その後、氷を入れてウォッカとグレープフルーツジュースを注いで、軽く混ぜれば完成です。

ソルティドッグは、ウォッカをグレープフルーツジュースで割ったイギリス生まれのシンプルなカクテルです。イギリスでうまれたと当初はウォッカではなくベースはジンで、塩をひとつまみ入れてシェークして作っていました。ベースがウォッカでグラスの縁に塩つけるスノースタイルのレシピは、アメリカに渡ってから誕生したといわれています。

グレープフルーツの酸味と塩気が癖になる味を楽しむことができます。グラスの縁に塩をつけないバーションは、ブルドックという別のカクテルになります。

シーブリーズ

材料

・ウォッカ 30ml
・クランベリージュース 30ml
・グレープフルーツジュース 30ml

作り方

ウォッカとクランベリージュース、グレープフルーツジュースをカクテルシェイカに入れてシェークし、氷を入れたグラスに注げば出来上がりです。グラスに材料を直接注いで軽く混ぜるビルドで作っても大丈夫です。

シーブリーズは「海のそよ風、潮風」という意味のカクテルです。鮮やかなピンク色と酸味の効いたフルーティな味で女性に人気のカクテルです。名前からも夏向けのカクテルと連想されやすいですが、季節を問わずに楽しむことができます。

ロングアイランド・アイスティー

材料

・ウォッカ 15ml
・ジン 15ml
・ラム 15ml
・ホワイトキュラソー 15ml
・テキーラ 15ml
・レモンジュース 30ml
・コーラ 40ml

作り方

クラッシュアイスを入れたグラスに、ウォッカとジン、ラム、ホワイトキュラソー、テキーラ、レモンジュース、コーラを注ぎます。軽くかき混ぜて、仕上げにレモンスライスを添えたら完成です。

ロングアイランド・アイスティーは、紅茶を使用していないのにアイスティーの見た目と味がする不思議なカクテルです。アメリカのニューヨーク州ロングアイランドで生まれたのが名前の由来です。アイスティーのような甘口で飲みやすいカクテルですが、アルコール度数は20%ほどと、決して低くないのでかわいい見た目に騙されないようにしてください。

スクリュードライバー

材料

・ウオッカ 45ml
・オレンジジュース 適量

作り方

氷を入れたグラスにウォッカとオレンジジュースを注ぎ、軽くかき混ぜたら完成です。

スクリュードライバーは、ウォッカをオレンジジュースで割ったシンプルなカクテルです。鮮やかなオレンジ色でオレンジジュースの甘味もあり、とても飲みやすいカクテルです。ただし、レディキラーという異名を持っており、アルコール度数は高いのでついつい飲みすぎないように注意してください。

パラライカ

材料

・ウォッカ 30ml
・ホワイトキュラソー 15ml
・レモンジュース 15ml

作り方

ウォッカとホワイトキュラソー、レモンジュースをカクテルシェイカーに入れてシェークし、グラスに注いだら出来上がりです。

パラライカは、ロシアの3本の弦を持つ民族楽器の名を冠したカクテルです。レモンジュースの酸味とガツンとした味わいの中にほのかに甘味のあるカクテルで、男女共に好まれています。ベースをウォッカではなく、テキーラにすると「マルガリータ」というカクテルになります。

モスコーミュール以外のジンジャーエールを使ったカクテル3選

モスコミュール

シャンディガフ

材料

・ビール 105ml
・ジンジャエール 105ml

作り方

冷やしたグラスにビールを注いでからジンジャーエールを注いで、軽くかき混ぜれば完成です。

シャンディガフは、ビールをジンジャーエールで割った人気のカクテルです。ジンジャーエールの甘さとビールの苦味がマッチして爽やかな口あたりで、ビールが苦手な人でも飲みやすいさわやかなカクテルです。ビールが持つのどごしも楽しめます。

キティ

材料

・赤ワイン 90ml
・ジンジャーエール 90ml

作り方

グラスに赤ワインを注いでから同量のジンジャーエールを注いで、軽くかき混ぜれば出来上がりです。

キティは、赤ワインとジンジャーエールを1:1の割合で割ったシンプルなカクテルです。アルコール度数が14%ほどのワインをジンジャーエールで割っているので、他のカクテルに比べると度数が低く飲みやすいのが特徴です。きれいな赤い見た目でさっぱりとしつつも甘さがある飲み口で、男女共に人気のカクテルです。

ジン・バック

材料

・ジン 45ml
・レモンジュース 20ml
・ジンジャーエール 適量

作り方

氷をいれたグラスにジンとレモンジュース、ジンジャーエールを注いで、軽くかき混ぜてライムを添えたら完成です。

ジンバックは、ジンベースのジンジャーエールを使用した定番のカクテルです。別名「ロンドン・バック」といわれています。甘味と酸味のバランスの良い、スッキリしとした飲む口が特徴な爽やかなカクテルです。世界中で広く飲まれており、多くのバー、居酒屋で飲むことができます。

まとめ

モスコミュール

モスコーミュールは手軽に楽しめるカクテルです。ぜひ、ご自分でも作って楽しんでみてください。ウォッカやジンジャーエールの種類や配分を変化させたり、ライムを他のものに変えたりすることで、楽しみの幅が広がります。

本格的な味を体験するには、1度バーでも味わっていただきたいものです。本来のモスコーミュールの味を堪能されると、その美味しさの鍵は生姜であることに気づかれることでしょう。ぜひ、奥深いモスコーミュールの世界を楽しんでください。

《西口和史》

西口和史

お酒の商社で15年間営業職に従事しました。 お酒については専門家と対等に話ができるレベルです。 知識と経験を活かしてお酒の記事を中心にご紹介していきたいと思います。

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