TOP / お酒を選ぶ / ワイン / ワインの女王!ボルドーワインのおすすめランキングTop10【専門家監修】

ぶどうを育む土地によって、それぞれ個性が異なるのがワインの面白いところ。また、同じぶどうでもヴインテージ(年代)によっても変わるため、1つとして同じワインがないと言ってもいいほど味わいは多種多様なのです。

その中でも、フランスワインの多様性は世界一といっても良いほど。今回は、フランスワインの中でも「ボルドーワイン」にフォーカスを当ててご紹介。

ボルドー地方の特徴や味わい、格付けにいたるまで徹底解説しながら、ワインエキスパートの私がおすすめするボルドーワインをランキング形式で10本ご紹介していきます。

ボルドーワインの基礎知識

ボルドー地方について

ボルドーワインとは、フランス南西部に位置するボルドー地方で造られたワインのことです。

「ボルドー」という地名の由来は「水のほとり(au bord de l’eau)」という古語にあるとされています。その名の通り、ボルドーは海に面した港町。さらに、大西洋に注ぐジロンド川、その上流であるドルドーニュ川とガロンヌ川という、3つの大きな川が流れています。

温暖な海洋性気候に恵まれたボルドー地方は、ブドウの生育に適しており、4世紀の時点では既に、ブルゴーニュと並んでフランスを代表するワイン産地として知られていたのだそう。その後、港町という地理を活かし、イギリスやオランダ、フランス植民地などへの輸出を通じて、銘醸地としての名声を築いていきました。

現在のボルドーでは、ボルドー大学醸造学部を中心として醸造技術の研究が盛んにおこなわれています。最先端の技術を取り入れることで、ボルドーワインの品質はますます向上しています。長い歴史を持つボルドーは、今なお業界を引っ張るすばらしい産地なのです。

ボルドーワインの製法「アッサンブラージュ」

ボルドーワインは「ワインの女王」と呼ばれます。一方「ワインの王」は、ブルゴーニュワイン。女王と王、具体的にどこが違うのでしょうか?

両者の大きな違いのひとつが、ワインに使うブドウ品種の数です。ブルゴーニュでは原則として単一品種からワインを造ります。それに対してボルドーでは、複数のブドウ品種をブレンドしてひとつのワインを造っているのです。

「アッサンブラージュ(Assemblage:組み立て、寄せ集めの意)」と呼ばれるこの手法は、ボルドーワインの複雑な味わいを形成する大切な要素の1つとなっています。

格付け

ボルドーワインには、厳格な格付け制度があります。ボルドーの場合は、シャトー(≒ワイナリー)ごとにランクが定められているのが特徴。ブルゴーニュにおける格付けの対象は畑ですから、ここにも両者の違いがありますね。

ボルドーで最初に格付けが定められたのは1855年、第1回パリ万博のときのことです。ナポレオン3世の発案によって、メドック地区・ソーテルヌ地区のワインに格付けが生まれました。そして1953年にグラーヴ地区、1954年にサンテミリオン地区で格付けが制定され、以降何度かの改定を経て現在の形に落ち着いています。

その冠にふさわしい質と伝統を守ってきた格付けシャトーのワインはもちろん素晴らしいものですが、ボルドーには格付けされていなくても優れたワインがたくさんあります。格付けだけにとらわれず、自分の舌を信じて美味しいワインを探すのも楽しいですよ。

地区ごとの特徴

ボルドー地方は、3つの川によって5つの地区に分けられています。それぞれの特徴を簡単に確認しておきましょう。

「メドック」「グラーヴ」

ガロンヌ川とジロンド川の左岸に位置します。土壌は主に砂利質で、水はけの良い環境を好むカベルネ・ソーヴィニョンが多く栽培されています。カベルネ・ソーヴィニョンは、タンニンを多く含む重厚な赤ワインになる品種です。ほかに、ソーヴィニョン・ブランやセミヨンによる白ワインも造られています。

五大シャトー(ラフィット・ロートシルト、ラトゥール、オー・ブリオン、ムートン・ロートシルト、マルゴー)を始めとする高級なワインは長期熟成タイプですが、この地域では、早飲みに適したお手頃なワインもたくさん造られています。いわゆる「ボルドーらしさ」を味わうならこれらの産地がおすすめです。

「サン・テミリオン」「ポムロール」「フロンサック」

ドルドーニュ川の右岸に位置する地域。粘土質の土壌を活かし、主としてメルロを栽培しています。この地域では「ペトリュス」などの高級ワインが有名ですが、気軽に試せるワインもたくさんあります。

メルロからは、まろやかでたっぷりとした赤ワインが造られます。カベルネ・ソーヴィニョンよりもタンニンが控えめで飲みやすいのも魅力です。メドックやグラーヴのワインは重すぎるという方でも、これら「右岸」のワインならお気に召すかもしれません。

「アントゥル・ドゥ・メール」

「2つの海の間」という名の通り、ガロンヌ川とドルドーニュ川の間にある広大な産地。他の産地に比べて手頃な値段で、質の良いワインが手に入ります。

メルロを主体とした赤ワインと、ソーヴィニョン・ブランとセミヨンによる爽やかな白ワインが造られている地域です。

「ソーテルヌ」「バルザック」

ガロンヌ川左岸に位置するこの産地は、貴腐ブドウを使った甘口白ワインの銘醸地です。

ソーテルヌは、世界三大貴腐ワインのひとつに選ばれています。ここで作られる甘口白ワインは、長期熟成が可能。そのはちみつのような甘みは、デザートに合わせても美味しいですよ!

プロが選んだ!ボルドーワインおすすめランキングTop10

それでは、筆者が選んだおすすめのボルドーワインをランキング形式でご紹介していきます!

10位 メゾン・シシェル・ポイヤック

最初にご紹介するのは、「どのシャトーで造られたかが公表できないワイン」です。ただしこのワインは、ボルドー最高級の生産者「五大シャトー」に含まれる「ラフィット・ロートシルト」「ムートン・ロートシルト」「ラ・トゥール」のいずれかで造られたワインなのです。

これらのシャトーでは、格付け第1級にふさわしい最高品質のものだけを世に送り出すよう努めています。そのため、同じ畑で収穫されたブドウでも選ばれないものが出てくるのです。そのようなブドウで造られたこちらのワインは、「最高品質」に選ばれなかったとは言え、一流畑のクオリティを確かに感じさせるもの。

カシスやブラックチェリー、針葉樹やビターチョコなどボルドーらしいニュアンスあふれるこのワインは、ボルドー入門にもぴったりの1本です。

9位 シャトー・カントメルル

カントメルルは、ボルドー左岸メドックの格付け第5級シャトーです。かつては格付け5級の中でも末席に位置していたそうですが、今やその実力は5級のレベルを有に超え、3級に値するとも評されています。

長期熟成に耐えるポテンシャルがあるのに、早飲みもできるのがこのワインの魅力。若いうちは、フレッシュな果実味とオーク樽由来のバニラ風味、豊富なタンニンが楽しめます。

一方、時間を置けば、若い頃には見られなかったエレガンスが出現。複雑な風味に酔いしれることができます。2本買っておいて、両方の魅力を楽しむのもおすすめです。

ワイン 赤ワイン 2016年 シャトー・カントメルル フランス ボルドー オー・メドック 750ml

8位 ル・ロゼ・ド・ジスクール

ボルドーはロゼワインも美味しいことを、ご存知でしたか? こちらは、メドック格付け第3級のシャトー・ジスクールが造るロゼです。オーナーが自家用に造りはじめたということもあり、生産量はあまり多くありません。

カベルネ・ソーヴィニョンを主体として造られるこちらのロゼ。実は、格付け赤ワインの「シャトー・ジスクール」と同じブドウが一部に使用しているのです。

ラズベリーやチェリーを思わせる華やかな甘酸っぱさの中にスモーキーなニュアンスが感じられ、上品でバランスよく奥行きのある1本。ロゼで格付けワインの片鱗を楽しんでいると、なんだかおしゃれな気分になれますよ。

7位シャトー・ラ・トゥール・サン・ボネ

シャトー・ラ・トゥール・サン・ボネ 2014

メドックで造られるこちらのワインは、あの著名なワイン評論家ロバート・パーカー氏が愛し続けるワインです。

彼いわく、「これは私が過去30年来、ボルドーワインの中で最も信頼し続けてきたワインである。そして私はこのワインの数々のヴィンテージを堪能してきた」とのこと。

カシスやブラックベリーのような心地よい酸を伴う果実味。そして、凝縮されているのにとてもなめらかなタンニン。確かにパーカー氏の言うとおり、ハイクオリティなワインです。

これほどすばらしいワインだということは、値が張るのかな? そう思って価格を見ると、あまりのお手頃さに驚いてしまいます。これほどコストパフォーマンスが良いのですから、一度は試してみてほしいワインです。

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6位 シャトー・ドワジー・ヴェドリーヌ

続いては、ソーテルヌの貴腐ワインをご紹介します。

ソーテルヌと言えば世界三大貴腐ワインの1つ。普通のワイン以上に手間暇かけて造られる貴腐ワイン。「その中でもソーテルヌは最高峰なのだから、高級なものしかないのでは?」と思いがちですが、こちらのワインはまだまだ手が届く価格なんです。

お値段控えめだとはいえど、味わいはすばらしいもの。

はちみつや栗を思わせる優しい甘みに、適度な酸味や苦味がぐんと奥行きを与えます。ソーテルヌ格付け第2級のドワジー・ヴェドリーヌでは、厳しい品質管理に努めているため、テイスティングの結果少しでも納得が行かない場合には、このワイン自体が生産されないのです。

つまり、販売されているヴィンテージはすべて美味しいということ。初めてのソーテルヌにもおすすめの1本です。

ワイン 甘口 白ワイン2016年 シャトー・ドワジー・ヴェドリーヌ フランス ボルドー ソーテルヌ & バルサック 750ml

5位 ル・ジェ・ド・シャトー・ギロー


ル・ジェ・ド・シャトー・ギローは、貴腐ワインで有名な「シャトー・ギロー」が造る辛口の白ワインです。

ギローは、ソーテルヌ格付け第1級シャトー。さらなるクオリティの向上を求め、収穫や熟成方法の追求に取り組んでいる野心的なシャトーです。生物多様性に配慮したワイン造りもそのような取り組みのひとつで、メドックとソーテルヌの格付け第1級シャトーの中で初めて有機認証を取得したシャトーでもあります。

品種は、ソーヴィニョン・ブランとセミヨンをほぼ半分ずつブレンド。樹齢の古いブドウから造られ、貴腐ワイン「シャトー・ギロー」に使用したオーク樽で熟成されたこのワインは、フレッシュな果実味とハーブのような旨味が見事に混ざり合うすばらしい辛口白です。

ワイン・スペクテーターで高得点を記録したのも納得ですね。

4位 プピーユ

続いてご紹介するのは、専門家によるブラインドテイスティングコンテストにおいて、ポムロールの最高峰であるペトリュスと最後まで肩を並べて競い合ったワインです。漫画『神の雫』で取り上げられたことで日本でも有名になりました。

プピーユは、ボルドー右岸、サン・テミリオンの東に位置するコート・ド・カスティヨンという場所で造られています。有機栽培で育った樹齢40年のメルロを100%使用し、新樽100%で18ヶ月熟成。豊かな果実味と心地よい酸味を持つこのワインは、絹のようになめらかで、たっぷりとした丸みがあり、かつ濃厚です。このクオリティにしては価格が安すぎるのでは? と、つい心配になってしまうようなすばらしいワインです。

3位 エール・ダルジャン

五大シャトーのひとつ、シャトー・ムートン・ロートシルトが造る辛口白ワイン。エール・ダルジャンは、ボルドーにおける辛口白の中でも頂点に君臨すると言われる上質なワインです。

グレープフルーツやパイナップルの爽やかな酸、白桃のジューシーな果実味、カシューナッツや乳製品を思わせるまろやかさ、生姜やレモングラスのような複雑な芳香、はちみつに似たやさしい甘みなど、さまざまな要素が織りなす、上質で深みのあるハーモニー。ボルドーの白で感動してみたいという方は、ぜひこの1本をお試しあれ。

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2位 シャトー・ラ・ドミニク


サン・テミリオン地区の格付けで特別級に選ばれているシャトー・ラ・ドミニク。1969年に醸造設備を一新し、2013年には建築家ジャン・ヌーヴェル氏デザインのハイテクセラーを導入。格付けにふさわしい品質を守り続けるシャトーです。

こちらのワインは、メルロ主体。完熟したブドウの果実味が芳醇で、非常にラグジュアリーな印象を与えるワインです。サン・テミリオンを代表するシュヴァル・ブランとラ・コンセイヤントに隣接しており、2つのシャトーの「いいとこ取り」だと評価されていますが、価格はそのどちらよりもずっとお手頃。今のうちに手に入れて寝かせておきたい、すばらしいボルドーワインのひとつです。

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1位 シャトー・ローザン・セグラ

シャトー・ローザン・セグラは1661年に設立された歴史あるシャトーで、メドック格付け第2級。1855年の制定時には、現在格付け1級のムートン・ロートシルトと並んで、第2級の筆頭シャトーだと言われました。

その後は品質が低迷した時期もありましたが、1983年にジャック・テオ氏が管理を引き継ぎ、最新技術を導入したことによってワインの品質がめざましく向上。1994年、シャネルのオーナーに買収されてからはさらに輝かしいワインが生まれるようになり、「格付け1級に最も近い2級シャトー」の地位を再獲得したのです。

カベルネ・ソーヴィニョンとメルロを主体にしたローザン・セグラのワイン。非常にたくさんの要素が凝縮され、それぞれが複雑に絡み合います。その結果生まれる香りや味わいはすばらしく優美で、「強くて美しいひと」を思わせます。

ただし、このワインが本来のポテンシャルを発揮するのは10〜20年後だと言われています。さいわい、現在手に入りやすい2016年はボルドーにとって秀逸なヴィンテージ。今のうちに入手して、将来のすばらしい開花を楽しみに待ってみてはいかがでしょう?

ボルドーワインの「女王の風格」を味わおう

ワインの女王と言われるボルドーワイン。ボルドーは古くから銘醸地として栄え、現在も最先端の醸造技術を取り入れながら進化し続ける産地です。ワインのクオリティがますます上がってきているのは、愛好家にとって嬉しいことですね。

今回のランキングでは、比較的お手頃なワインもいくつかご紹介しました。ボルドーワインには何十万円とする高級なものもありますが、中には手に入りやすくて美味しいワインもあることがわかっていただけたのではないでしょうか。

ボルドーワインにおいて格付けはわかりやすい指標のひとつで、高級な格付けワインには確かに優れたものが多いです。しかし、格付けがついていないお手頃なワインにもすばらしいものがたくさんあります。この記事を参考にすると共に、ご自分の味覚も頼りにしながら、お好みのボルドーを探してみてくださいね。