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ソムリエが厳選!おすすめ人気イタリアワインTop10&選び方のコツをご紹介

フランスと共に、ワインの一大名産地として知られているイタリア。 パスタ、ピザなどのイタリアンと共に楽しむイタリアワインは最高に美味しいですよね! 「自宅でもイタリアワインを楽しみたい!」そんな方に向け、今回は人気イタリア …

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フランスと共に、ワインの一大名産地として知られているイタリア。

パスタ、ピザなどのイタリアンと共に楽しむイタリアワインは最高に美味しいですよね!

「自宅でもイタリアワインを楽しみたい!」そんな方に向け、今回は人気イタリアワインのTop10と選び方のコツをご紹介していきます。

イタリアワインの特徴とは?

イタリア全土がワインに適した土地で北と南の個性もある

イタリアの地図

イタリアは南北に長い土地が続く独特な形状の国です。南は地中海性の温暖な気候、そして北は主に冷涼な大陸性の気候になっています。

北のフランス、スイス、オーストリア、スロヴェニアの国境にはヨーロッパ・アルプス山脈、半島を背骨のように連なるアペニン山脈。この2つの山脈により、イタリアはどの土地も海からも山からも近く、葡萄にアロマを与える寒暖差と斜面が形成されています。

紀元前にギリシャからやってきた人達が、「ここは、ワインの大地だ!!」と歓喜したのはその為だったといわれます。

地方ごとに異なるイタリアの料理とワイン

イタリア料理

1861年、現在のイタリアの原型となる「イタリア王国」が成立します。これは、日本の明治維新くらいの時代です。

それまでサヴォイア公国・ミラノ公国・オーストリア・ハンガリー帝国・フィレンツェ共和国・ヴェネツィア共和国・ナポリ王国など、別々の国を形成していたイタリアにおいては、こんな有名な言葉があります。

イタリアにイタリア料理はない。あるのは地方ごとの料理だけだ

この概念はワインにも多大な影響を与えています。その土地で生き抜いてきた人々が、普段から食べている料理と気候風土に合ったものから取捨選択をして、生き残った葡萄や味わいが現代に受け継がれているからです。

つまりイタリアワインの特徴とは、ひとつの国でありながらその土地により味わいが大きく異なっているというところです。

その数400種以上!豊富な土着品種が個性に影響

イタリアのぶどう

ギリシャ・スペイン・ドイツ・オーストリア・アラブ・フランスと全ての影響を、時に受け入れ、時に反発をし、時に融合をして育んだイタリアの食文化とワインは、ひと言で語ることは決してできません。

土着品種の数も他の国に比べて桁違いに多く(400種類以上)存在しています。そのことがイタリアワインというもの複雑難解にしている所でもあり、また大きな魅力でもあります。

※土着品種:その土地で育った固有の遺伝子型をもつブドウ品種

イタリアワインを選ぶ時のポイント

イタリアワインは、

①ぶどう品種
②土地の特徴
③有名な銘柄のワイン

といった基準で選ぶのがおすすめです。

ぶどう品種で選ぶ

まず葡萄の品種が多様ですので、自分好みの品種を開拓する楽しみがあり、土着品種を通してイタリアの旅をすることもできます。

特に、ワインを良く飲んでいる方で、自分のぶどうの好みを把握している方の場合、ぶどう品種によるセレクトをしてみてもいいかもしれませんね。

土地の特徴で選ぶ

土地特徴から選ぶことで、味わいの大まかなイメージをすることできます。

イタリアでは地域によって、比較的特徴がでやすいワインが作られています。南イタリア(シチリア州・プーリア州など)では果実が豊かで太陽が感じられるおおらかなワイン、北イタリア(ピエモンテ州・トレンティーノアルトアディジェ州など)では、酸味が綺麗でミネラルがありエレガントなワイン、といったような特徴です。

地域によって、味の特徴が異なるため、ボルドーワイン好き・ブルゴーニュワイン好き・ドイツワイン好き・スペインワイン好き・ニューワールドワイン、好きの全ての皆さんをカバーする懐の深さがイタリアワインにはあると思います。

有名な銘柄のワイン

バローロ、バルバレスコ、キャンティ、スーパータスカンなどワインショップやレストランなどのリストに入っているワインを、まずは飲んで調べてみるのもおすすめ。

そのワインの哲学やストーリーも興味深いものがありますし、飲んで興味が湧いてきたら、品種・土地・味わいと広げていくと面白いと思います。

ソムリエがおすすめするイタリアワインTop10

10位 Livio Felluga/Friulano リヴィオ・フェッルーガ /フリウラーノ


イタリア北東部 フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で生まれるワイン。この産地はイタリアのみならず、ヨーロッパの中でも白ワインの最高の産地と呼ばれます。

ポンカという白ワインに適した豊富なミネラルを含む水はけの良い土壌で、雨が少なく、冷涼な土地ながらも北に位置するヨーロッパ・アルプスが厳しい大陸の風から葡萄を守り、南からやってくる海からの風は温度を上げるため非常に昼夜の寒暖差が激しい場所です。

土着品種フリウラーノを使ったこのワインは、香りの中に山のミネラルが感じられ、フレッシュでイキイキとした酸と余韻の長い果実の充実感があります。

香りで感じられたミネラルが心地よい苦味となって味わいに繋がっていく印象です。「フリウリワインの父」といわれるリヴィオ・フェッルーガが手掛ける特別なワインです。

9位 Cantina Cinqueterre/Cinqueterre カンティーナ・チンクエテッレ/チンクエテッレ


クリストファー・コロンブスが生まれた、ジェノヴァのあるリグーリア州のワイン。世界遺産であり断崖絶壁の陸の孤島で海風を受けて育つ葡萄で造られるこのワインは、味わいに海の塩味ミネラルを感じることができます。

断崖絶壁のため収穫はほぼ全て手摘みで行われ、場所によっては命綱を付けなければならない畑もあります。そのため生産量はイタリア20州のうち19位で、イタリアワイン総生産の1%も満たない量ですが、非常に高品質で特徴的なワインが生まれるのです。

グレープフルーツや地中海性のハーブやオリーヴの香りと塩っぽいミネラルは、魚介類やオリーヴオイルを使った料理にぴったり。生産量が少ないためレストランやワインショップなどで見かける機会は少ないと思いますが、是非飲んで頂きたい一本です。

8位 Luigi Tecce/Taurasi・Poliphemo ルイージ・テッチェ/タウラージ ポリフェーモ


ナポリを州都に持つカンパーニア州のワイン。南のバローロとも評されるタウラージは、イタリア三大黒ブドウのひとつであるギリシャ由来のアリアニコ種から造られます。

ワインの名前である“ポリフェーモ”はギリシャ神話に出てくる単眼の巨人で、「世界最高ワイン」の記述が出てくる物語(イタリア版トンチ話)から取ったものです。畑は標高500~550mでヴェスヴィオ火山の恩恵を受けており、アリアニコ本来の力強さとエレガントさが高い次元で調和しています。

黒系フルーツのジャム・プルーン・ローズマリー・チョコレート・黒コショウなどの香りで凝縮感のある味わい。年間わずか5000本と非常に少ない希少なワインですが、長期熟成をすることができるタンニンと厳格さを兼ね備えたワインです。

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7位 Vadiaperti/Coda di Volpe ヴァディアペルティ/コーダ・ディ・ヴォルペ

ポンペイ遺跡や、ヴェスヴィオ火山の奥地イルピニアのワイン。葡萄の名前コーダ・ディ・ヴォルペはイタリア語で「キツネのしっぽ」の意味で、葡萄の房が湾曲してそのように見えることから名付けられました。

昔は他品種の補助としてブレンド用で使われることが多かった葡萄ですが、近年見直され単一で造られることが増えてきました。造り手であるヴァディアペルティ社のアントニオ氏は元歴史の教師であり、自分が生まれ育ったイルピニアを誇りに思っている人物です。イルピニアの歴史と文化・美しい景色・多くの伝統を人々に伝えたいという思いからワインの瓶詰めを始めたのだそう。

彼のワインの特徴は、イルピニアの土着品種とテロワールの個性が素直に表現されていること。麦わら色に輝き完熟した、オレンジ・ゴールデンアップル・花の蜜のような香りで滑らかな酸味があり、コーダ・ディ・ヴォルペの飲み心地の良さが全面にでているワインです。

6位 Murgo/Murgo Bruti ムルゴ/ムルゴ・ブリュット

シチリア島にそびえ立つヨーロッパ最大の活火山、エトナ山のスパークリングワイン。エトナ固有品種のネレッロ・マスカレーゼ(黒ブドウ)で造られる白のスパークリングワインで、フランス語でいうブラン・ド・ノワール(黒ブドウの白ワイン)です。

きめ細かい持続性のある泡で、白葡萄のワインでは感じることのできないほのかな赤い小さなフルーツの香りと、白い花、蜜の香り。瓶内二次発酵による旨味があり、香ばしさと伸びのある酸は、素晴らしいバランスを誇ります。

産地も製法も葡萄品種も特徴的で、この味わいはコストパフォーマンス抜群だと思います。

5位 Polizianoi/Vino Nobile di Montepulciano ポリツィアーノ/ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ

イタリアワインの名醸地トスカーナ州のワイン。「モンテプルチアーノ村の高貴なワイン」の名がつくこのワインは、中世の時代に各国の王様が欲しがったほどの名声を誇っていました。

葡萄品種はサンジョヴェーゼの亜種でプルニョーロ・ジェンティーレと呼ばれており、熟したチェリー・赤い花・なめし革などの複雑でエレガントな香り。タンニンも柔らかく溶け込んでいて非常にまろやかな飲み口です。

数あるヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ造り手の中でもポリツィアーノは伝統的な味わいを大切にしており、大樽で時間をかけて熟成されたワインは、まさにヴィーノ・ノービレ(高貴なワイン)と呼ぶに相応しい逸品に仕上がっています。

同じトスカーナ州のキャンティ・クラッシコやブルネッロ・ディ・モンタルチーノにも負けない素晴らしい産地のワインです。

4位 La Spinetta/Bricco Quaglia ラ・スピネッタ/ブリッコ・クアッリア


トリノを州都に持つ、名醸地ピエモンテ州のワインです。バローロ・バルバレスコといったイタリアトップクラスのワインを手掛けるワイナリーであるラ・スピネッタ社がリリースしている甘口微発泡ワイン。

ブリッコ・クアッリア(ウズラの丘)と呼ばれる単一の畑のモスカート(マスカット)から造られるこのワインは、熟した桃・洋梨・アカシア蜂蜜やムスクなどのエレガントで複雑な香りです。熟したフルーツの甘いアタックから細かく繊細な泡と酸が中盤からフィニッシュに表現され、飽きの来ない素晴らしい味わいです。

モスカート微発泡ワインは、数多くありますがここまで洗練されたモスカートは滅多にお目にかかれません。食後のデザート代わりにもなる秀逸な一本です。

3位 Dario Princic/jakot ダリオ・プリンチッチ/ヤーコット

スロヴェニア国境に位置するゴリツィア近郊で造られるワイン。このワインは白ワインですが赤ワインを造る時と同じように果皮や種を漬け込んで造られ、開放樽熟成をさせる琥珀色のワインです。

この製法は、人類が始めに造っていたワインの造り方だといわれています。香りは独特でドライフルーツや紅茶・シナモンやクローブなどの甘い香りのスパイスを感じられ、白ワインでありながらタンニンを感じることができます。

葡萄品種のヤーコットは、ハンガリーのワイン産地トカイとの名称の戦いに敗れてしまったトカイ・フリウラーノのTOKAJを逆から読んだ名前です。

ボトルを開けてすぐは、香りが閉じてしまっているためデカンタや大きめのグラスで空気を含ませて飲んでください。官能的な香りをお楽しみいただけると思います。

2位 Rocche dei Manzoni/L’ANGELICA ロッケ・デイ・マンツォーニ/ランジェリカ

イタリアワインの王様バローロを手掛けるワイナリーが、アンジェリカという母親の名前を付けてリリースしている白ワイン。厳しくセレクションされたシャルドネを小樽熟成で造る圧倒的な風格のあるワインです。

ロッケ・デイ・マンツォーニのワイン熟成させる建物は別名「ワインのシスティーナ礼拝堂」と呼ばれており、美術館のような内装に、24時間クラシック音楽が流れています。並々ならぬワインへの愛情と情熱が味わいの中にも表現されています。

色は輝きのある黄金色で、黄色のフルーツや花・香ばしくローストされたヘーゼルナッツ、焼きたてのビスケットのような香りで、味わいは果実の凝縮度が高く芳醇まろやかで余韻の長いことが特徴です。

もちろんワイン単体でも楽しめますが、濃厚なソースの魚料理、兎や軍鶏などの白身のお肉、卵やクリーム、白トリュフなどのまろやかで香り高い料理と非常に相性が良いです。

1位 L’arco/Rubeoラルコ/ルーベオ

ロミオとジュリエットの街で知られる古都ヴェローナのワイン。ルーベオはラテン語のルビーの意味です。収穫した葡萄を陰干ししてレーズンのようにして造られるワイン「アマローネの神様」と呼ばれていたジュゼッペ・クインタレッリの下で18年間修行を積んだフェドリゴ・ルカさんの造るワイン。

このルーベオは通常アマローネに使うコルヴィーナ・ヴェロネーゼという品種に、師匠が大好きだった葡萄カベルネ・フランを混ぜた類を見ないワインです。やや濃いルビー色で、立ち込めるドライフィグやレーズン・青みの濃いハーブの香りと甘いスパイスの香り。辛口のワインですが干して凝縮されたエレガントな甘味があり、完璧なバランスと香りの余韻にうっとりするワインです。

ジビエなどの肉料理から熟成チーズ、スパイスをふんだんに使った料理などと相性抜群。現世のアマローネを担う方の伝統と革新が込められた唯一無二の一本です。

ワイン大国・イタリアの魅力を存分に味わってみて!

イタリアの町並み

いかがでしたか?

一言で「イタリアワイン」といっても、その味わいはぶどう品種や地域によって千差万別。バラエティに富んだラインナップがあることも、イタリアワインの大きな魅力の1つなのです。

今回、私が紹介したこちらの10本のワインを参考に、まずは自分がどのようなワインが好きなのかを把握してみてください。

そして、好みがわかってきたら様々なワインを飲み比べて、ぜひともイタリアワインの奥深い魅力をより一層深堀りしてみるのはいかがでしょうか?

《石川遼平》

石川遼平

AISイタリアソムリエ協会認定ソムリエ、JSA日本ソムリエ協会認定ソムリエ、CPAチーズプロフェッショナル、SCAJコーヒーマイスター、調理師免許、食育インストラクター 。広尾のイタリア料理店で、ソムリエ兼ホール長として勤務。イタリア文化会館で、1dayのワイン講師の仕事や店でワインやチーズのセミナーも開催してます。2018年イタリアワインベストソムリエコンクール入賞。

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