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2019.4.7
日本酒

イギリスから来た国際利酒師が巡る!日本酒の“ふるさと”播磨 見どころや観光名所をご紹介

国際利酒師が日本酒のルーツを探る旅に出発

国際きき酒師:クリストファー・ヒューズ (クリス)

イギリス・ロンドンで4年間和食材の卸売業者に勤め、日本酒専門営業を担当。その後来日し、2014年8月に山形・楯野川酒造に入社。2015年10月KURAND入社。PR担当として日本酒の魅力を世界に発信している。

播磨からのご招待を受け、日本酒三昧の旅に出るクリス

今回、クリスのもとに届いたのは兵庫県の播磨からの招待。「日本酒にゆかりのある同地の魅力を、国内外の方々に伝えてほしい!」という依頼を受けました!

「そんな熱い想いを伝えられたら、行かない訳にはいかない!!」と、大興奮のクリス。日本酒を目的とした旅“酒ツーリズム”を体験するために、早速兵庫県は播磨へと向かいます。

播磨とは?

“日本酒のふるさと”として知られる日本有数の酒処

今回ご招待を受けた播磨とは、およそ1300年前、奈良時代に編纂された「播磨国風土記」の中の一節の中に「神様にお供えをしたご飯にカビが生えたので、それでお酒を作って、神様に献上し宴を行なった」という一節があるなど、古くから日本酒文化が発展していた街。現在でもその歴史を受け継ぎ、街には酒蔵を活かした様々な観光名所があります。

また、“酒米の王様“としても名高い山田錦誕生の地でもあり、生産量日本一を誇る米どころとしても知られています。古くから伝わる技術に加え、水や米といった資源、環境にも恵まれる、まさに日本を代表する酒処です。

播磨(姫路)に到着!早速観光開始

播磨地域の中で、最も有名なのが「姫路」。「姫路駅」は東京からでも「のぞみ」や「ひかり」を使えば、直通で行けるので交通の便もGood!!

ワクワクとしながら播磨について調べている間に、あっという間に姫路駅に到着しました。

姫路についたクリスは、「姫路城」の前で写真をパシャリ。これから始まる、酒ツーリズムに期待を膨らませているようです

一体どんな蔵との出会いがあるのか!?早速、播磨の酒蔵を巡っていきたいと思います。

個性あふれる播磨の酒蔵を巡る!!

本田商店

最初に訪れたのは、1921年創業の本田商店。日本酒好きには馴染みの深い、有名銘柄「龍力」を醸造する、播磨を代表する酒蔵です。

案内してくれたのは、現在5代目蔵元の本田 龍祐さん。

米の品種・精米歩合の違いといった基本的な部分から、播磨地域の日本酒製造の歴史、地元・播磨産の山田錦に対するこだわりまで詳しく解説しながら、酒蔵を案内してくださいました。

本田商店が力を注いでいるのが、「テロワール」や「ヴィンテージ」といった、ワインでは一般的となっている文化を日本酒の世界にも根付かせることだと言います。

米にこだわることはもちろん、どの土地(田んぼ)でとれた米なのかにも徹底的にこだわる「テロワール」の文化が広まることで、日本酒に今まで以上に多様性が生まれるのだと、熱心に語ってくださりました。

酒蔵見学の後は、本田商店自慢の日本酒を飲み比べ!

龍祐さんの説明を聞きながら、じっくりと利き酒をするクリス。

クリス

使用する米が変わることによって生じる、味の違いに改めて驚かされました!

灘菊酒造

1910年創業。100年を超える老舗酒蔵の灘菊酒造は、業界ではまだ珍しい、女性の杜氏が活躍している酒蔵です。小仕込み、小ロット生産で日本酒を醸造。瓶1本単位で繊細に徹底した熟成管理を行なっているのだそう。

酒蔵の前には大きな駐車場があるなど、観光蔵としての取り組みにも積極的。ロンドンバスを使用した、大きな案内モニュメントも特徴的でした。

酒蔵の中には、日本酒ができるまでの工程が詳しく書かれた写真やイラストが!これがあれば、日本酒にあまり詳しくない方でも酒蔵見学を存分に楽しめそうですよね。また、解説文は日本語のほか英語での翻訳Verも用意。

クリス

これなら海外から来た観光客もわかりやすいね!素晴らしい!

また、灘菊酒造では酒蔵の一部を改装、レストランとしても開放するなど日本酒のある食文化を広くPRしているんです!

酒蔵見学を終えた、多くのツアー客が休憩がてらレストランでの食事を楽しんでいました。

酒粕を使ったお鍋、自家製のお豆腐など、こだわりのお食事を灘菊酒蔵自慢の日本酒と一緒にいただきました。日本の文化と酒蔵のこだわりをしっかりと感じられる大満足のランチ内容に、クリスもご満悦!

田中酒造場

天保6年(1835年)創業の、老舗酒蔵・田中酒造場フランスのコンクールKURAMASTER2018において、「純米大吟醸 白鷺の城 軍師官兵衛」純米大吟醸酒・純米吟醸酒部門が上位5位に入るなど、世界的な評価も高い酒蔵です。酒蔵の入り口には、漫画家・松本零士さんが書いたラベル絵が飾ってありました!

田中酒造場さんの特徴の1つが、この「石掛け式天秤搾り」を使用した、もろみ絞り。石の重さを利用して、三日三晩ゆっくりと絞ることで、日本酒の味わいも優しいものになるのだと教えていただきました。

手間暇をかけているからこそ、出荷量は300石と小規模生産。ほぼ全ての日本酒が、兵庫県内で消費されるのだそう。

実際に試飲させていただくと、その優しい味わいにクリスも驚き。目を閉じて、その味わいをじっくりと噛みしめています。

特にクリスが絶賛していたのは、「庭酒」。日本酒醸造に関する最古の記録と言われている「播磨国風土記」にも出てくる庭田神社で採取した酵母菌・麹菌を使って醸造しており、当時のお酒の味を再現しているのだそう。

クリスも、食事とのペアリングの想像を膨らませていました。

クリス

酸味に特徴があって、白ワインのような楽しみ方ができそう!

老松酒造

明和5年(1768年)創業。250年ほどの歴史をほこる、老舗の酒蔵・老松酒造。代表銘柄の「スエヒロ老松」は、地元民の晩酌の一杯として欠かせない存在なんだとか。

近年では、酒蔵の一部を改装したレストランをオープン。昼時になると、多くの地元民が集まる人気のランチスポットになっています。

この日いただいたのは、先付けから始まるお得なセットメニュー。

食事前には、口をさっぱりさせてくれる「貴醸酒」が提供されるなど、日本酒とのペアリングも考えられた酒蔵ならではのセットメニューです。

メインは、麹を使用したオリジナルのパスタ。ジャージャー麺のようなまろやかな甘口のパスタは、今まで食べたことない味!

クリスも、その料理の美味しさに驚いていました。

クリス

ミシュランスターをあげたいほど、どの料理もクオリティーが高い、特に麹を使ったソースは絶品!!

こちらでは、毎年ゴールデンウィークに「蔵開き」イベントを開催するなどして、酒蔵を開放をしているのだそう。まさに、地元民にも愛されるご当地酒蔵ですね!

下村酒造店

1884年創業。“手造りに秀でる技はなし”をモットーに、機械化・大量生産を一切行わず丁寧な手造りにこだわっているのが、下村酒造店です。

食中酒としての日本酒を常に意識した酒造りを行なっていることから、フルーティーなものは扱っていないのだとか。

下村酒造店の特徴は、日本酒を絞る際に「佐瀬式」という手法を採用している点。

熟成したもろみを布の袋に入れ、 槽と呼ばれる木枠に並べ上からゆっくりと圧力をかけるこの製法は、雑味の少ない極上の日本酒を生み出してくれるのだそう。

酒蔵見学後は、製造年度の異なる日本酒や、使用する米の違いなどを堪能する飲み比べを体験させていただきました!

クリス

どの日本酒も旨味が豊富で、まさに“食中酒としての日本酒”を体現したようなものばかりでした!

茨木酒造

最後に訪れたのは、1848年創業の茨木酒造。播磨の中で最も神戸寄りの明石市・魚住という町あり、そのすぐ裏に海が広がる珍しい立地の酒蔵です。

東京農業大学で学んだ後、16年前に蔵に戻ってきた9代目の茨木幹人さん。老舗の酒蔵ですが、日本酒造りにおいては常に新しい取り組みをしているのは、幹人さんの力によるところ。

通常、木造を採用することが多い麹室に、大型の冷蔵庫を使用するなど、設備に関しても随所にこだわりが。

代表銘柄「来楽」では、自身が大学で研究していたという自然の花から採取した酵母“花酵母”を使用した珍しいシリーズも展開しています。

その中でも「アベリア酵母」を使用した日本酒は、フルーティーで華やかな香りが強い、個性的な1本。

試飲したクリスも絶賛!

クリス

日本酒初心者の方や、ワイン好きの方が日本酒の入リ口として飲むのにもオススメ!!チーズとのペアリングも最高!

庭田神社

日本酒のルーツを確かめるためにも、訪れておくべき名所がこの庭田神社。播磨国風土記の中で「麹を使った日本酒の造り方」の舞台して登場した、伝統ある神社です。

田中酒造場で試飲させてもらった「庭酒」は、この庭田神社で採取した酵母菌・麹菌を使って醸造されています。

播磨最大の日本酒イベント「はりま一合一会」に参加してきた!

酒蔵ツーリズムの締めくくりとして参加したのが、毎年恒例となっている、新酒イベント「播磨美酒・美食の宴〈はりま一合一会〉」。

このイベントでは、播磨地域の20蔵が勢揃い!!50種類もの日本酒を飲み比べできる、一大酒フェスティバルです。

会場では、各蔵元の方が直々に日本酒を提供してくれます。それぞれの蔵元が抱える想い・ストーリー・苦労などを直接伺うことによって、より一層有り難みを持って日本酒を堪能することができますよね!

夕方から徐々に人が集まり、18時ころになると会場は超満員!!

蔵元の方のお話を聞きながらじっくり味わっている人、仲間たちとワイワイ盛り上がっている人、美味しいおつまみとのペアリングを楽しまれている人など、皆さんが思い思いの楽しみ方でイベントを満喫していました。

歴史ある寺院巡りやアウトドアレジャーまで!日本酒以外のアクティビティーも充実

酒ツーリズムと言えど、その他のアクティビティーも充実しているのが播磨の魅力の1つ!酒蔵見学の合間に訪れたい、人気の観光スポットもあわせてご紹介しちゃいます!

峰山高原リゾート

国内としては14年ぶりに新規オープンした新しいスキー場。スキー・スノーボードはもちろんのこと、冬のシーズン以外は広大な土地を活かしたキャンプ場としても営業しています。

また、キッズパークもあるので、家族連れにもオススメ!アウトドア・レジャーが好きな方は、こちらに滞在拠点を構えて酒蔵を巡っても面白いかもしれませんね。

圓教寺(えんぎょうじ)

書写山の中にある寺院・圓教寺(えんぎょうじ)は、“西の比叡山”とも呼ばれた、天台宗三大道場の1つ。

世界的に有名なハリウッド映画「ラスト・サムライ」のロケ地としても使用された、観光地としても人気のスポットです。

標高371mとかなり高い場所にありますが、ロープウェイを使えばものの数分で到着!季節ごとに変わる景色を眺めながら、のんびりと訪れてみたい場所です

まとめ

古くからの伝統が根付いた地域・播磨。日本酒発祥の地というだけあり、本当に素晴らしい酒蔵ばかり。たくさんの酒蔵を巡って、クリスはこのように語っています。

クリス

どの酒蔵も特徴がわかりやすくて、全体的に旨味が豊富に含まれている日本酒が多いなと感じました。

また、日本酒だけでなくアウトドアレジャーも歴史的な建築物もある。季節ごとに変わる景色もとてもキレイで、気持ちよい旅を楽しめましたね!姫路城だけ見て帰っちゃうなんて、かなりもったいないですよ!

日本人だけでなく、海外の観光客にもぜひ足を運んでほしいですね。

姫路駅前には、徒歩圏内に宿泊施設も多数あるので、兵庫県滞在の拠点としてもオススメ!みなさんも、日本酒の魅力を存分に堪能できる播磨への“酒ツーリズム”を計画してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人 Writer

nomooo

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