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蔵の再起を担った力強い日本酒!山口が誇る名酒「雁木」に迫る

「雁木(がんぎ)」という山口県で造られている日本酒をご存知でしょうか? 見た目にもかっこいい文字ですが、実はこの言葉には深い意味が秘められているんです。山口県が誇る名酒「雁木」の魅力、そして秘められた想いの真相に迫ってい …

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「雁木(がんぎ)」という山口県で造られている日本酒をご存知でしょうか?

見た目にもかっこいい文字ですが、実はこの言葉には深い意味が秘められているんです。山口県が誇る名酒「雁木」の魅力、そして秘められた想いの真相に迫っていきたいと思います!

「雁木」とは?


純米、そして無濾過にこだわった日本酒、それが「雁木(がんぎ)」です。
このこだわりは「余計なものを足したり引いたりせず、シンプルに真正面から酒造りに向き合う。」という、蔵の思いを如実に反映させた結果と言えるでしょう。

米の可能性を引き出すための純米仕立て。そして、搾りあがった酒が二次加工が必要ないレベルであると証明する無濾過仕立て。
日本酒本来の良さを活かした、こだわりの仕上がりになっています。

そんな「雁木」の味わいの特徴は力強い飲みごたえです。
濃厚な旨味と抜群のキレ。しっかりとした味わいが好きな人にぜひ飲んでいただきたいような、そんな仕上がりになっています。

ちなみに雁木は、船着場の階段のある桟橋のことを指す言葉です。「雁木」を醸す「八百新(やおしん)酒造」は、原料米を船で運び、雁木で水揚げしてきました。

また、「雁木」と日本酒に命名したのは「酒造りの原点に立ち返り、ここから新しい伝統をスタートさせる。」という想いが込められているからなんだそう。

「八百新酒造」とは?

八百新酒造」は山口県岩国市に位置する、明治10年(1877年)創業の老舗蔵です。
日本三名橋として知られている錦帯橋の近くに、八百新酒造はあります。

創業当時は「新菊」という銘柄を展開。二代目の時代には、この「新菊が地元岩国のトップ銘柄として認知される他、ビールや洋酒などの卸売も手がけるなど、蔵は大成功を収めていました。

しかし、時代はやがて大東亜戦争へと直面。戦中戦後の米不足により他の蔵の例に漏れず、同蔵も三倍醸造法による酒造り、つまりは醸造アルコールや糖類等の副原料を大量に使用した酒造りを余儀なくされます。
杜氏は純米酒しか造ったことがなく、残念ながら「新菊」の品質は同業他社と比べ劣り、地元でのシェアを落としてしまいました。
一方で卸売は成功を持続させていきますが、この日本酒造りにおける事業は長く暗黒の時代を彷徨い、やがては廃業一歩手前まで追い込まれてしまいます。

転機が訪れたのは五代目の時代。彼は、継続していたビール等他酒類の小売部門、つまりは副業を廃止し、本来の本業である清酒醸造に業務を一本化することを決定したのです。

追い込まれながらも、それでも続けてきた清酒醸造。蓄積していた日本酒造りのノウハウを活かしながら、試行錯誤を続けた結果、ついに一本の日本酒が誕生します。

それが「雁木」。新体制のもと生まれた、原点回帰と新しい船出への想いが込められた日本酒です。
最初は600本だけの純米無濾過生原酒だった「雁木」。現在でも少量仕込みなのは変わりないですが、それ故のこだわりの完成度は、着々と人気を獲得していき、今では全国に知られるブランドとして、「八百新酒造」の名とともに親しまれています。

「雁木」シリーズ

雁木 ノ壱 純米 無濾過生原酒

初めて世に出された「雁木」が「雁木 ノ壱 純米 無濾過生原酒」。「雁木」を知らぬなら最初に飲みたい、定番の一本です。

酒米の王様「山田錦」を60%まで磨いた純米酒。純米と無濾過、そして加水をしない原酒タイプならではの、日本酒本来の旨味が活きています。

のびやかでしっかりとした味わいが特徴。活き活きとした、力強い日本酒です。

雁木 ノ弐 純米吟醸 無濾過生原酒

こちらも「雁木定番の一つ。「雁木 ノ弐 純米吟醸 無濾過生原酒」は、純米タイプのものよりさらに米を磨いた、純米吟醸酒です。

やはり純米タイプと比べると、吟醸らしいふくらみのある香りが特徴。口に含むとパーっと広がり、豊かな余韻を演出します。

力強くもバランスの良い一本。どちらかというと飲みやすい日本酒が好きだという方は、純米タイプよりこの純米吟醸タイプが口に合うでしょう。

雁木 ひとつび 純米

雁木 ひとつび 純米」は、銘柄には純米とありますが純米大吟醸タイプの日本酒です。酒米に「山田錦を使用し、精米歩合38%まで磨きあげられています。

低温でじっくり熟成させ「ひとつび」は、山田錦の米の味わいがしっかりのった、深いコクと繊細な飲み口が特徴ほのかな吟醸香も心地良い、ゆっくり飲みたくなるような仕上がりです。

ちなみに「ひとつび」という名前は、船着場に灯る常夜灯と「一回火入」の意味が込められています。光のように優しく飲み手を包み込む、同商品にピッタリの名前です。

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雁木 ゆうなぎ 純米大吟醸

美酒という表現がふさわしい「雁木」。それが「雁木 ゆうなぎ 純米大吟醸」です。

ゆうなぎ」の名前は、夕方の瀬戸内海の潮風がしばらくおさまっていて 穏やかなさまを想わさせることから付けられました。

この日本酒の最大の特徴は、そんな夕凪の名にふさわしい、気品のある香りと風格ある繊細で穏やかな味わい
まさに、たゆたうようなしなやかな飲み心地は、一口でスーッと体に染み込みます。心を落ち着かせてくれる、そんな純米大吟醸酒です。

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まとめ

しっかりした日本酒が好きな方にはピッタリな雁木。

雁木は比較的リーズナブルな価格で手に入れることができます。
まだ飲んだことがないという方は、まずベーシックな「ノ壱 純米 無濾過生原酒」「ノ弐 純米吟醸 無濾過生原酒」を試してみてはいかがでしょうか?

《ワキヤ》

ワキヤ

日本酒を愛する元バンドマン。趣味は昼から飲むはしご酒。よく千住で一人酒してます。

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