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2018.12.16
日本酒

最高級の日本酒はこんな風に搾られる!?味が変わる"3つの搾り"を解説

知ってて役に立つ、日本酒豆知識。今回は日本酒の「搾り」について解説していきます。

日本酒の味わいの参考として特定名称を気にする方が多いかと思いますが、実は搾り方によっても味わいは大きく変化するのです!

搾り方の違いを意識して日本酒を飲めば、その味わいをより理解し美味しく堪能できるはず。是非この記事を読んで、しっかり搾りを把握していきましょう!

そもそも日本酒って搾るんだ!?

そもそも日本酒って搾るんだ!?」っという方の為に、まずは「(もろみ)」について説明させていただきます。

醪とは"日本酒になる前段階"。見た目は所謂「どぶろく」のような、ドロドロとしているものです。

この醪は、酒造りに必要なもの、主に酒母(しゅぼ)、麹(こうじ)、蒸米(むしまい)、仕込み水を混ぜた状態であり、この中で糖化とアルコール発酵が行われることでお酒になっていきます。

そしてこのドロドロとした醪を搾ることで、我々が知る透き通った日本酒が完成していくのです。正確に言うならば"醪の状態から液体部分を搾り出す作業"のことを、日本酒造りにおける「搾り」と呼びます。

ちなみに残った固形物が酒粕です。酒税法でも"醪を搾って酒粕を取り除いたもの"が日本酒として定義されているんですよ!

搾り方1 ヤブタ式

さて、それでは本題の搾り方について説明していきます。まずはこの「ヤブタ式」。代表的な3つの搾り方の中で最もポピュラーな搾り方なのです。

ヤブタ式、正確には「自動圧搾ろ過機(じどうあっさくろかき)」を使用した搾り方は、機械の力を利用します。まるでアコーディオンのような蛇腹状の圧搾機の中に醪を流し込み、両側から圧力を加えることで酒を搾り出すのです!
圧搾機の中には板が敷き詰められており、この板には酒粕が溜まる仕組みになっています。

ヤブタ式が最もポピュラーな理由は、機械ならではの圧力の強さでしっかりと搾ることができ、また搾り終わるまで時間が早いので酸化防止にも繋がることが大きいでしょう。
これから紹介する搾り方の表記がラベルにされていなければ、まず間違いなくこの搾り方だと思っていただいて構いません。それほど現代では浸透している搾り方なのです。

ただ、圧力の強さが仇となり、繊細なお酒である大吟醸等を搾るのには向いていないと言われています。

搾り方2 槽搾り

槽搾り(ふねしぼり、ふなしぼり)」は、昔から伝わる伝統的な日本酒の搾り方で、機械に頼らず搾るのが特徴です。

まずこのやり方では最初に、醪を酒袋と呼ばれる縦50cm、横20cmくらいの布袋に入れます。次に、お酒が溢れないように注意しつつ、この酒袋を横にしながら重ねていきます。
このように酒袋を重ねると、当然上から圧力をかかるので、自ずと日本酒が搾れるという訳なのです!

圧力をそこまでかけず優しく搾るこの方法は、雑味の出ない日本酒本来の風味に仕上がります。ですが、お酒が溢れないように注意しなければいけない他、ヤブタ式と比べると搾る時間が長い為、酸化をさせない工夫も必要等、造り手には注意と高い技術力が要求されます。

ちなみに、この槽搾りの名前の由来は、使用する醪を搾る道具が舟の底に似ていることに由縁します。また蔵によっては、木でできた槽(木槽)を使用するとこともあるんですよ。

搾り方3 袋吊り

袋吊り(ふくろづり)」は、槽搾りと同様に伝統的な日本酒の搾り方であり、自然の力のみを利用した非常にデリケートな搾り方です。

やり方は酒袋に醪を入れて、タンクの中に紐で吊るすというシンプルな方法。

どちらかと言うと"搾る"ではなく、袋から"染み出す"というイメージ。重力により滴った雫のみを集めるのが、この「袋吊り」という搾り方なのです。

それ故「雫しぼり」「雫取り」とも呼ばれるこの方法。一切の圧力を掛けずに搾ることで、お酒として必要な成分だけが抽出され、日本酒本来の香り、味とにも最高レベルの逸品が出来上がります。

雑味等がないクリアな風味は、誰が飲んでも美味しいというような確かなクオリティーです。高級酒の多くはこの搾り方であり「袋吊り」は、各蔵の渾身の逸品と呼んで間違いないでしょう。

ただ、もうお気づきかもしれませんが、この搾り方だと時間がかかり、量も多くはありません。当然価値も高くなってきますが、まだこの「袋吊り」の日本酒を飲んだことが無い方は是非、少し奮発してでも飲んでみてください!

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は日本酒の「搾り」について説明できたかと思います。

たとえ同じ醪でも、搾り方の違いで味わいが変わってきます。好きな銘柄がある方は、是非そのお酒の「槽搾り」や「袋吊り」のものを探して味わってみてください。

きっと至福の時間を過ごせるはずです。知識を持ちながら飲むと、より日本酒の奥深さを感じることができるのでオススメですよ!

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この記事を書いた人 Writer

三寺悠仁

三寺悠仁

高知県の酔鯨酒造で2年間蔵人として勤務、現在はKURANDの商品開発に関わる日本酒のプロ。日本酒の素晴らしさを世に伝えるべく、日夜活動中。

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