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ワインベースのカクテル「キール」とは?美味しい飲み方や作り方徹底解説

ワインがベースになっているカクテルの中で、世界一の人気といわれているカクテル「キール」。食前酒として楽しまれる事が多く、アルコール度数も比較的低いため、お酒が弱い方や女性にも大人気! ここでは、世代も性別も問わない人気を …

お酒を選ぶ カクテル・サワー
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ワインがベースになっているカクテルの中で、世界一の人気といわれているカクテル「キール」。食前酒として楽しまれる事が多く、アルコール度数も比較的低いため、お酒が弱い方や女性にも大人気!

ここでは、世代も性別も問わない人気を誇るキールの味の特徴、歴史、カクテル言葉やアレンジについて詳しく解説していきます。

「キール」とは

キール

キールってどんなお酒?

キールは美しい赤い色が特徴の、ワイングラスで提供されるロングカクテルの1種です。食後にゆっくり飲むのではなく、食事を待っている間に談笑しながら楽しむのに向いているカクテルとして認知されていますね。

赤い色が特徴のカクテルですが、ベースになっているお酒は白ワイン。キールの赤い色は、加えられるリキュールカシスの色に由来しています。

キールの味の特徴

キールは、白ワインのさっぱりとした味わいに甘いカシスが加えられた比較的甘めのカクテル。辛口の白ワインを使っていても、カシス由来の甘みがしっかりと感じられるためさっぱりとした爽やかさがあります。

辛口なお酒が苦手な人でも飲みやすいですし、甘すぎるお酒が苦手な人でも楽しみやすい万能なカクテルと言えそうですね。

キールのアルコール度数は?

レシピにもよりますが、キールのアルコール度数は14度前後として作られることがほとんど。食前酒として作られることも多いのでアルコール度数は比較的高くありません。

キールの名前の由来

キールという名前は、このカクテルを作った人物に由来しています。フランスのディジョン市・市長であるキャノン・フェリックス・キールがつくり、経済を立て直すきっかけになったことと。そして、その後20年間市長を務めたことを称えて、市長の名前がそのままカクテルの名前になりったとされています。

キールの歴史について

キールは、1945年にフランスのブルゴーニュ地方ディジョン市で誕生しました。当時のディジョン市の市長・キールがブルゴーニュ地方特有の辛口な白ワイン・アルゴデと、クレーム ド カシスを混ぜたのがはじまりです。

市長がキールをつくったのは、公式レセプションのアペリティフ(食前酒)のためで、農業復興の旗印としてワインの販売促進のために作ったのだそう。第二次世界大戦が終わり、冷え切っていた経済を立て直すための打開策として、食通のキール市長が考案したのです。

カクテルとして古い歴史があるわけではありませんが、現在でもアペリティフとしてホームパーティーや会食の席で出てくるカクテルです。日本でキールが浸透したのは、意外にもレストラン。

食事をとる前に飲むのに最適であることから、浸透し始めたと言われています。

キールのカクテル言葉

キールのカクテル言葉は「最高のめぐり逢い」「陶酔」。

フランスのブルゴーニュ地方特産であるアリゴテと、クレーム ド カシスを混ぜて美味しいカクテルになったことから「最高のめぐり逢い」というカクテル言葉がつけられたのだそう。

専門家の一言メモ

キールはワインの銘柄や色によって名前が変わります。白ワインをシードルに変えると「キール・ブルトン」に、赤ワインに変えると「キール・カーディナル」というカクテルになります。

キールはこう飲む!美味しい飲み方解説

赤ワインとシャンパン

先述したように、キールはアペリティフ(食前酒)として飲むのに適したカクテルです。

作る際は、材料もワイングラスもしっかりと冷やしておくのが美味しく飲むコツ。冷蔵庫で冷やしておくのを忘れた場合は、直前に氷水を入れたお皿の上で転がせばかんたんに冷やすことができるので試してみてください。

専門家の一言メモ

辛口のスッキリとしたキールを飲みたい場合は、「クレーム ド」という表記がないカシスを使うのがおすすめです。また、酸味を抑えてまろやかにしたい場合は、濃縮濃度40%の甘口カシス・リキュールを使いましょう。

美味しいキールの作り方・レシピ

カシス

キールの材料・作り方

・白ワイン 4/5(145ml)
・ルジェ クレーム ド カシス 1/5(35ml)

あらかじめ冷やしておいた白ワインとルジェ クレーム ド カシスをワイングラスで混ぜて、マドラーやバースプーンで軽く混ぜれば完成です。

キールを作る時は材料だけではなく、ワイングラスも冷やしておくのがポイントです。混ぜる時は、1~2周程度で十分。グラスの側面をなぞるようにやさしく、ていねいに回してください。

好みの味わいにアレンジしやすいキール

キールは基本的に白ワインとカシスリキュールを使っていればいいので、割合は自由にアレンジできます。極端な例を挙げれば、白ワイン9に、カシスリキュール1の割合でもキールなのです。

いろいろな割合のキールを作ってみて、好みの味を追求してみましょう。

専門家の一言メモ

本場のブルゴーニュ地方では、キールは白ワインにカシスのリキュールを使えば、それでいいというわけではありません。ワインは「アリゴテ」、カシスは「クレーム ド カシス」を使うのが条件で、それ以外のものはキールとして認めていないようです。

キールのお酒はどのように選ぶ?

白ワイン

キールは、カシス由来の甘みとスッキリとした爽やかさが魅力のカクテルです。カシスを合わせるため、ベースとして使うワインはフルーツの風味があるワインや辛口のものがおすすめ。

以下で、おすすめの銘柄をいくつか紹介します。

〇キールにおすすめのワイン(銘柄名) 5選

キールにおすすめなワインは1832年から発売されている「ラブレ・ロワ ブルゴーニュ・アリゴテ」の辛口白ワインです。酸味があるミネラル系の味に、かんきつ類と白い花のさわやかな香りが特徴です。

同じラブレ・ロワの「コトー・ブルギニヨン・ブラン」もキールにおすすめですよ。麦わら色のアリゴテを使っているので、辛口でありつつ、爽やかな口当たりが特徴です。

他にはアロマが特徴の「ギィ・サジェ サンセール」や、ボルドー5大シャトーのうち、2つの名門を擁する「クラレン ディロン ワインズ」が発売している「クラレンドルブラン」、雑味が少なく、初心者でも飲みやすい「コノスル ヴァラエタル ゲヴュルツトラミネ―ル」などもおすすめです。

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専門家の一言メモ

キールを本格的に仕上げたいなら、「ドメーヌ・サトレイ・クレーム・ド・カシス」という100%ドメーヌ産のカシスを使ったリキュールが相性抜群です。

「王室の」という意味を持つキール・ロワイヤルとは

シャンパン・スパークリングワイン

キールの派生形として「キール・ロワイヤル」というカクテルがあります。キール・ロワイヤルは、白ワインの代わりにシャンパンやスパークリングワインを使ったカクテルです。

キールはフランスで誕生したカクテルですが、キール・ロワイヤルはオーストリアのウィーンで誕生しました。

キール・ロワイヤルは「インターナショナル」というお店が出したのが最初といわれており、王室とは関係ない場所でつくられたカクテルです。「王室の」という意味があるロワイヤルという名前がついているのは、高級感があるシャンパンやスパークリングワインを使っているからと言われています。

キール・ロワイヤルの作り方・材料

・シャンパンかスパークリングワイン 4/5(145ml)
・クレーム ド カシス 1/5(35ml)

シャンパンかスパークリングワインを冷えたワイングラスに注ぎます。次にクレーム ド カシスを静かに注ぎ、マドラーかバースプーンで1~2周、ワイングラスに沿ってやさしく混ぜましょう。

キール以外のワインを使ったカクテル3選

ワインカクテル

◯スプリッツァー

材料

・白ワイン 90ml
・ソーダ 適量

作り方

冷やしたワインをグラスに注ぎ、冷やしたソーダを注いだら完成です。

スプリッツアーは、白ワインソーダで割ったシンプルなカクテルです。1980年代のアメリカで大流行したカクテルで、イギリスのダイアナ皇太子妃が好きだったことで有名です。スプリッツアーはドイツ語ではじけるという意味で、爽やかな味わいが楽しめるカクテルです。

◯キティ

材料

・赤ワイン 75ml
・ジンジャーエール 75ml

作り方

ワイングラスに氷を入れて、赤ワインを注ぎ、ジンジャーエールを注いで軽く混ぜれば完成です。

キティは、赤ワインにジンジャーエールを加えたシンプルなカクテルです。キティの由来は、「子猫」という意味で、「子猫でも飲めるほど、飲みやすいワイン」といった意味が込められています。その名前の通り非常に飲みやすいカクテルで、ワインカクテルの中でも人気です。

◯ワインクーラー

材料

・ロゼ・ワイン 90ml
・オレンジジュース 30ml
・グレナデン・シロップ 15ml
・ホワイトキュラソー 10ml

作り方

クラッシュド・アイスを入れたグラスにロゼワインとオレンジジュース、グレナデン・シロップ、ホワイトキュラソーを注ぎ、軽く混ぜれば完成です。

◯ミモザ

材料

・シャンパン 40ml
・オレンジジュースジュース 40ml

作り方

冷やしたシャンパンとオレンジジュースをグラスに注ぎ、軽くかき混ぜれば完成です。

ミモザはシャンパンにオレンジジュースを加えたシンプルなカクテルですが、「この世でもっともおいしくてオレンジジュース」といわれています。名前の由来は、カクテルの色がミモザの花に似ていることからきています。ミモザのカクテル言葉は「真心」です。

◯シンフォニー

材料

・白ワイン 45ml
・ピーチ・リキュール 30ml
・グレナデン・シロップ 1tsp

作り方

ミキシンググラスに白ワインとピーチ・リキュール、グレナデン・シロップを入れてステアして、グラスに注げば完成です。

シンフォニーは、白ワインをベースとしたロングスタイルのカクテルです。シンフォニーを考案した人は日本人の中村圭三氏で、1988年に行われたブラッシュワインのカクテルコンペティションで1位を獲得しています、甘口で口当たりがよい、エレガントなカクテルです。

◯ピーチ・レディ

材料

・白ワイン 65ml
・ピーチ・リキュール 5ml
・ストロベリー・シロップ 5ml
・牛乳 5ml
・グレナデン・シロップ 1tsp

作り方

カクテルシェイカーに白ワインとピーチ・リキュール、ストロベリー・シロップ、グレナデン・シロップ、牛乳をいれてシェークして、クラッシュド・アイスを詰めたグラスに注ぎます。最後に軽く混ぜれば完成です。

ピーチ・レディは、鮮やかなピンク色と甘い口当たりが特徴のカクテルです。名前に「レディ」とあるように、アルコール度数が約8度と飲みやすく、女性から人気のカクテルです。

専門家の一言メモ

他にも、白ワインとカルピスを混ぜたり、レモネードを混ぜたり、フルーツジュースと混ぜたりすると、夏の暑い時期にぴったりのほどよい甘さのあるカクテルができます。

まとめ

キール

キールはワインベースなので、普段カクテルを飲まない人でも挑戦しやすいお酒です。

アルコール度数も低いので、お酒を少しだけ嗜みたい気分のときに自宅で気軽に飲めるのがいいですね!

この記事を読んで興味を持ったあなたは、ぜひご自宅でもキールを試してみてください。

《西口和史》

西口和史

お酒の商社で15年間営業職に従事しました。 お酒については専門家と対等に話ができるレベルです。 知識と経験を活かしてお酒の記事を中心にご紹介していきたいと思います。

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